フェスタリオス。〜準備編1〜
ゴレ車に乗って、暫くしたらまぶたが上下で仲良くなった。
すぴー
「シャルルおはよ、着いたよ」
「ん……ぅん……」
ゆらゆら ゆらゆら
なでなで なでなで
あれ?
「あ、ごめん、寝てた」
くしくし
「うん、よく寝てたよ」
「わ、連れてきてくれたの?ごめん!」
お膝に横抱きされて寝てるなんて!
「いや、可愛くて見とれてた」
やーめーてーはーずーかーしーー!
抱きついて顔を隠しても
「ほら可愛い」
はははっ
「やっぱり疲れてたんだよ。夜ごはん、時停棚から出していい?お茶入れてくるから、待ってて」
くぅ!至れり尽くせり!
持ってきてくれた冷たいお茶を飲んで、覚醒する。
「ごはん、作り置きでいいの?」
「もちろん。今日は作り置きしてくれてたの食べよう。シャルルのお陰だな、手早く済む」
「明日はちゃんと作るから、今日は作り置きでごめんね」
「謝る事ないし、俺は感謝してるよ?いつもありがとうね」
なでなでなでなで
優しくて甘くて、照れた顔になってしまう。
「ごはんの用意、もう少し後でいい?」
「うん、わたしも手伝うからもう少し後にしよ?ジークも休んで」
抱っこしててくれたしね!
「ならシャルル食べようっと」
え?
「お花畑で我慢したから、ご褒美ちょうだい?」
あぁ、外だったし、なるほど?って!
「まだ!明るくないですか!?」
「夜じゃなきゃダメなんて決まりはないんですよ?はい抱っこ」
そしてぺろりと食べられて、泡石のお風呂でまた食べられたのでした。
◇◇◇
翌日、ジークは前ゴブリンがいた所に、また巣くってないかの調査に出かけた。
前までゴレ車を使わずに、のんびりと数日掛けて依頼をこなしていたらしいが、今はこの家に帰ってくるために、ゴレ車爆走で依頼を終えて、日帰りして来る。
ハンターギルドで報告してると。
「やれば出来るのになぁ」
「愛の巣があるので、さっさと帰りたいだけっすね」
「ゴブリンの巣の後に愛の巣とか言うか」
へっ!
「ま、とりあえずゴブリンも見かけなかったし、痕跡も見つかりませんでした。今の所大丈夫そうっすね」
「本来なら中ランクに行かせるんだが、前回ゴブリンキングまで居たから行ってもらったが、すまないな、お疲れ!……所で、愛の巣って……一緒に住んでるの?」
「はい」
「まじかー……もうそんな所まで……ジーク、実家はどうすんだよ」
「報告はしてありますよ」
「え、反対とかされなかったの?」
「されませんね。寧ろ早く連れてきて会わせろって凄かったっすよ」
「そっか、まぁ貴族の中でも1番選民意識がない家筆頭だからなー。まぁ大事にしたれや」
「当然です。じゃ帰りますね」
「おう、お疲れ!」
シャルルちゃん……とほほ。
◇◇◇
よし、ルーフバルコニーの手すりにガーランド設置おっけ!
状態維持の保存魔法かけてっと。
お花のリースも、門の所と玄関と付けたし、後はバルコニーまでの廊下に飾るとして、結構摘んだねぇ。
エディブルフラワーとして使えるかな?
”鑑定”
ふむ、あ、ピンクと黄色、赤、白も食べられる。
青はダメか、食べても害はないけど苦いらしい。
紫は、ぶっ!僅かに媚薬成分!?ダメっしょ!!
そのまま食べて効果を発揮するには樽3つは必要、と。
なら大丈夫な気がする。
ぱくっもぐもぐ。……甘い!
ピンク、黄色、赤、白、紫。この中で甘いのが
紫、ピンク、赤、黄色、白。この順番かな?
まぁ紫は控えめにして使おう。よし。
カランコロン〜♪
「ただいまー」
「おかえりなさい!」
むぎゅ
「門と玄関、可愛く飾れたね!」
「バルコニーにガーランドも飾って保存魔法しといた!後は少しずつ、お料理用意しなくちゃ」
「張り切ってるな、手伝うことがあれば教えてね?俺もやるから」
「うん!その時はお願いね?」
少しずつ、でも着実にパーティの支度は進む。
がんばろ!ふんす!




