ジーク実家に帰る。〜その2〜
「今日は泊まって行くでしょう?泊まって行くわよね?もちろん泊まるわよね?」
「まぁ、次にいつ来れるか分からないので泊まりますよ」
ぱぁぁぁ!!
「チャーリー!晩餐とびっきりなの、頼むわね!」
「畏まりました」
「そうだわ!クリスティアンとユージーンも早く帰るように言わないと!あの子達仕事人間なんだもの。同じ屋敷で暮らしてるのに顔も見ない日があるのよ?酷いと思わない?」
そう言ってデンタツでメッセージを送る母。
「使いこなしてますね……」
「でしょう?ジーク、あなたも登録して頂戴」
「え」
「え、って何よ。さ、早く!」
はぁぁぁ
「はい」
うふふ
「これでいつでも妖精ちゃんと話せるわね!」
「……。基本メッセージでお願いしますね。仕事とか入ってる時に立体とかになったら大変ですからね」
「えー、まぁ、分かったわ。一応」
「一応じゃなく、ちゃんとお願いしますよ?」
「はいはーい」
自分の部屋に戻ったが、15歳から家を出ているので、余り物がないし、キレイに整えられた他人の部屋みたいだ。
子ども部屋は別だったしなー。
コンコン
「ユージーンだ」
「どうぞー。お久しぶりです兄さん」
「で、「あー、その先は分かりますが、連れてきてません」」
「なんでだよ!妖精ちゃん見たいじゃないか!」
「知りませんよ。てか、母上に何てものを教えるんですか!」
「え、あはははのはー!ほらあれよ!ボケ防止?」
「……それ知られたら怒られますよ」
「そのピアス、妖精ちゃんの色?」
「目敏いですね。そうですよ」
「へぇ、金と紫?金混じりか?」
「……相変わらず観察力も鋭いです。そうですよ、金混じりです」
「ふぅん。歳は?いくつ?」
「15〜20の間ですね」
「え?聞いてないの?」
「成人していて酒が飲めないって位ですね。そもそも余り関係なくない?」
「確かに。でもさぁ、15〜20とか、幼児に毛が生えた位じゃない?」
毛?生えてんのかな。思い出せ聖域のイメージ!
くっ!衝撃が強くて思い出せない!
「あー、ジーク?」
「あ、あぁ、いや、そんな事ないよ、我儘言わないし、強かでもないし、めっちゃいい子。子供っぽくないよ」
「やっぱり連れてこいよー」
「まぁ、何年か後には連れてくるかもしれないよ」
「そんな先かよ!」
その後、クリスティアン兄上も揃って食事したが、聞かれることはユージーン兄さんとほぼ同じ内容だった。
あぁ、早くシャルルの元に帰りたい。
◇◇◇
その頃のシャルル。
おおおおお!!簡易炭酸泉!めっちゃいいじゃん!!
肌にシュワシュワ細かい泡がまとわりついて楽しい!
手でサーッと撫でると泡が一斉にシュワァァって!
いやこれ良いわぁ。
しかし、刀で簡単に切れるとは思ってなかったわー。
知ってたら殴って砕いたりしなかったのに。
さすが切れないのは俺!と言い切るだけはあるって事ね。
まぁ殴って砕くのもアレだけどね。
タイルサイズにして岩風呂に敷いたら、バッチリ!
これ王都の猫バスにも入れよう。
猫バスったってあれよ?猫型のバスじゃなく、猫脚バスタブよ?勘違いしたら駄目よ?
で、ジークにも堪能してもらおう。
石のままだと角が危ないから削って丸くして、いや、折角ガラスが細工できるんだから、網状に丸くして強化魔法掛けてその中に石を入れておこう。
喜ぶかなー?楽しいし喜んでくれるよね?
早く帰って来ないかなぁ。




