ジーク実家に帰る。〜その1〜
「あと、これモーリェのお土産です」
「あら!ありがとう!まぁキレイね早速使わせて貰うわね!」
アクセサリーボックスは中々評判いいなー。
「あっ!それとフェスタリオスの招待状!参加で返事を出したけど、さっきなのよ〜。帰ったら確認してね!楽しみにしてるわ!」
「お返事ありがとうございます!帰ったら確認しますね」
さて、お土産、レシピ、クリームチーズ。
後、忘れてる事はないかな?
マリアーナさんのお土産は当日来られたらでいいし。
だって服飾ギルドには行き慣れてないんだもの。
なので、後回し〜。
よし、帰ってメニュー考えるか!
楽しみになって来たー!
◇◇◇
その頃のジーク。
「「「お帰りなさいませ」」」
「あぁ、父上は?」
「執務室でお仕事中でございます」
「分かった、母う「まぁ!ジーク!」」
「あなたったら、まったく顔出さないんだもの。もう少し帰ってきてもいいのよ?」
「母上、戻りました」
「で?妖精ちゃんはどこ?」
「えっ!?」
「あら?何も知らないと思って?うふふふふ」
「えぇぇ!?」
「お母様の情報網、ナメたらだ、め、よ!」
何で!?
「で?連れてきてないのぉ?何故連れてこないの!」
「えっと、その……」
「まぁそうね、まずは着替えてらっしゃいな。チャーリーお茶の用意、お願いね」
「畏まりました」
うふふふふ〜♪と応接室へ向かう母だが、え??どゆこと??
「で?ただ帰ってきただけじゃないんでしょう?どうしたの?妖精ちゃんにフラれちゃった?」
「違いますっ!と言うか、何故それを!?あ、影ですか?調べたんですか?」
「やぁねぇ矢継ぎ早に……少しは落ち着きなさいな」
こくりとお茶飲むのはいいけど!何で!?
「そうねぇ?わたくしもデンタツを使えるから、と言っておきましょうか?」
「は?そんなの持たないって言ってませんでした!?」
「だぁってぇ、使ったら意外と楽しかったんですもの。そこで見つけちゃったの!あなた達結構有名よ?」
がっくし!!膝突いて項垂れたい!!
「そんなの見ちゃダメですよ!!」
「なぁに?ジークもクリスと同じ様に言うの?」
「そりゃ兄上だって止めるでしょうよ!」
「ユージーンは薦めたのに……」
「え、兄さんなにしてんの……」
「お帰り、ジーク」
「父上、ただいま戻りました」
「で?妖精ちゃんは?」
「ええぇぇぇぇ!!!!父上まで!?」
「まぁ市井の噂だけはなー。で、どうした?」
「はぁ。えー、はい。宿暮らしを止めて、お二人の言う妖精ちゃん、シャルル・エイプリルさんと住みたいと思いまして、その報告です」
「まぁ!そんな大事な話なのに連れてきてないなんて!」
「母上はシャルルを見たかっただけでしょうに……」
「ふむ。まぁジークには色々背負わせてるし、住むのは構わん。が、その子の親は?それに、その子は知ってるのか?平民が貴族と結ばれるのは大変だぞ?」
「あー、俺、貴族籍抜いてください。嫡男でもないし、ユージーン兄上も居ますし、何よりハンターですから。それと、シャルル、親が居ないんです。なのでそれもあって一緒に暮らしたいと思ってます」
「ええぇぇぇぇ!!ジーク!!」
「Sランクになってから考えてた事です。知らない誰かと婚約させられるのも嫌ですし。幸いと言うか、残念と言うか、出奔する国も今は国交も出来てない状態ですから、逃げも隠れもしませんが、それだけは絶対に受け入れられません」
「釣り書、山ほど来るが全部破棄してるよ」
「ありがとうございます」
「国交、な。SSランクには、行きそうか?」
「先輩Sランカーが2人居ますし、どうでしょうね」
「そうか。言ってはダメだが、親としては、なって欲しくはないんだがな。国としては……悲願だ」
「そう、ですね。シャルルと知り合って、少し怖くなりました」
「人として当然の気持ちを思い出したんだよ。そのシャルルさんに感謝したいな。この話は知ってるのかい?」
「いえ、Sランク以下、口外法度なので」
「もし、ジークがSSになったら、シャルルさんはどうするんだ?」
「悩んでます。待っててと言いたいけど、言っていいものなのか。そもそも戻れる保証もないですから」
「ふむ……何より自分の命を大事にしろ。これは親として願うよ」
「はい」
「まぁ貴族籍の事は考えておく」
「はい、ありがとうございます」
「で?いつ連れてくる?」
「え、連れてきませんよ」
「「何故!?」お母様に会わせてよ!」
「そもそも貴族なのは抜ける気でいるので言ってないですし」
両親、がーーーーーん
「ま、まぁSSになったら、連れてき……うーん」
「「ます!でしょう!」」




