ジーク葛藤する。
シャルルが!シャルルが自ら甘えてる!
据え膳か!?食わなきゃ男が廃るのか!?
俺の理性頑張れ!息子よ起きるな!
そうだよなぁ。今までずっとひとりで、俺と出会って気持ちが通じあって、ふたりで居るのに慣れた頃に離れるのは俺でも寂しい。
まして、シャルルは女の子だし、ひとりは不安になっちゃうよな。
ああああ!このまま!この家に転がり込んで抱いてしまいたい!!
でもなぁ、それじゃ不安な気持ちに付け込んでるみたいじゃないか。
いや、その前に一緒に住むなら俺の家に報告せんと。
めんどくせぇなぁ……。
反対はされないと思うけど、会わせろって絶っっっっっ対!!言う。
そんでもって、シャルル可愛いからもみくちゃにされちまう。
やだなぁ。
そんな事言ってる場合か!今!今が大事!
見てこれ!首筋にくしくし顔擦り付けてんの!
何この可愛いシャルル!
俺の中の天使と悪魔がーーーーー!!
◇◇◇
「シャルル、俺、俺の責任果たしてからここに来ていい?責任つっても、実家に1度帰るだけ。そんで、ギルマスが仕事あるって言ってたでしょ?なので、きっとまたどこかの領地になると思うんだ。そしたら少し王都離れる事になると思う。でも、今日はシャルルも俺も離れたくないから、また添い寝してもいい?」
「……うん。ありがとジーク」
「俺の実家、ちっとうるさいんだ。だから一緒に住むなら連絡しておかないとならないからさ。待たせてごめんな」
ふるふる
ぎゅ
「半月くらいしか一緒に居ないのに、もうずっと一緒に居るみたいな気がしてるなー。内容が濃かったからかな?」
ははっ
「ね、わたしもそんな感じ」
「じゃあさ、家の中案内してくれる?」
「ちょっと変わった家かも。他のお家知らないから、これが普通と思ってたんだけど、ジークの反応見てると違うみたいで……」
びっくりハウスじゃないといいんだけど!
「いいじゃん!カッコイイ!同じじゃつまらん」
ふふっ
「じゃあ、見ての通り、ここはリビング。ガラスの部屋はサンルーム、日向ぼっこが出来るよ」
キッチンとダイニング、ほぼ何も無いポーションの調剤室、裁縫室。
ここのお風呂は猫足バスとレインシャワーだけで、岩風呂はない。
「おぉ!風呂!これかぁ!」
客間と、寝室。
「お姫様のベッドだね」
あ、やっぱりそう思いますか。
「やんごとない感じがするでしょ」
くすくすっ
「それより、この家なんかいい匂いする。シャルルからも微かに香るんだけど、家の方が強いな」
「あ、香水かな?クリーンすると落ちちゃうから、わたしからは余り匂わないと思うよ。この香りが好きで、部屋にはシュッシュしてるから強いのかも」
「シャルルにぴったりな香りだな、いい匂い」
「そう言って貰えると嬉しい」
ふふっ
「パーティやろうと思ってたバルコニーがこっち」
「え、まさか寝室通らないよな?」
「え?あぁ!通らないよ!廊下から行けるし、この部屋はカーテン閉めちゃうから見えないようにするし!」
「俺以外この部屋入れちゃダメ」
「うん」
「真っ赤」
ちゅ
「見ないで!!」
もう!
「しかしバルコニー広いな!ここなら魔法花もよく見えるよ。楽しみだな」
「うん!みんな来れるのかな?一応カード出しておこう」
「来れなきゃふたりで見れるから、どっちでもいいや」
あははは!
「夜ごはん、何にしようかなー」
「簡単にでいいよ、俺も手伝う」
「じゃあ、お言葉に甘えて簡単なのにします」
「シャルルが用意してくれるメシは、何でも美味いからなぁ。舌が肥えた気がするよ」
「餌付けですから」
ふふっ
インベントリに残ってる作り置きを放出したら、簡単と言いつつ量は多かった。
また作っておかなくちゃ!
夜はジークもお風呂に入った。
気に入ったらしい。いい事だ。
わたしも入ったけど、気が気じゃなくて、ゆっくり、とは行かなかったわー。
「いつか一緒に入ろうな」
にやり
もう!ばかっ!
そして、くっついて眠る。
明日からは、ひとりに、戻る。
|・ω・*)




