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管理官と問題児  作者: 二ノ宮芝桜
第一章
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1-6 あっという間に大量の情報に囲まれる

 俺が俺の持ち場に向かうと、既に俺がナスタチウムさんの代わりに行動する事になっている話は広がっていた。

「あ、ジスさん! こっちはやっておいたんですけど、他に何かお手伝い出来ることは?」

「ジスさん、こっちも終わりました。それと、外の案件はシランのグループに追加で頼みました」

「先程の大捕り物の関係で、少し人が足りていません」

「ジス先輩のお仕事はクレソン先輩に伝えてくれ、という伝言が来てます!」

 持ち場に行けば、あっという間に大量の情報に囲まれる。

「ペンタスさんには、私の机の上にあった書類を他の方と協力して片付けて頂きたいです」

「はい、分かりました!」

 伝えれば、直ぐにペンタスさんは俺の机へと向かった。

「人が足りない件は、少しだけ待って下さい。直ぐに現状を確認し、追って指示と増員を行います」

「はい、お願いします」

 状況を確認する為、様々な場所にあるメモ書きや書類などに目を通しながらも受け答えは続く。

「外の件、伝言もありがとうございます。今クレソンさんはどこに?」

「二階のオダマキさんの執務室です。じきに戻るとの事でした」

「ではここで待ちます。ありがとうございます」

 俺は簡単に状況を頭の中に叩き込み、人員の配置や、変更によって変わった動きを脳内でシミュレートした。

「エキナセアさんのチームは今どこに?」

「ただいま帰りました!」

「すみませんがそのまま先程の大捕り物の方に向かって下さい」

「では、簡単に報告してから向かいます。報告は、このままジギタリスさんにしても宜しいですか?」

「はい、お願いします」

 エキナセアさんの報告を聞き終えると、俺は「ガザニアさん」と更に人の名を呼んだ。

「先程のエキナセアさんの報告は聞いていましたか?」

「はい、聞こえてました」

「では、そちらで逃した件のフォローをお願いします」

「はい!」

 ガザニアさんは直ぐに走って部屋を出ていく。

「あ、クレソンさん、待っていました」

「お待たせしてすみません。以後、ジギタリスさんの仕事の大半を僕が引き継ごうと思います」

「お願いします」

 そうこうしている内にクレソンさんが帰ってきた。

 慌ただしく動く彼の腕には、新たな物と思しき書類が抱えられている。

「口頭でも大丈夫ですから、引継ぎをお願いします」

「はい。ではタイムさんの案件からですが……」

 こうして様々な案件を口頭で簡単に説明すると、やがて「わかりました」と力強い答えが返って来た。

 一から十まで全て話さなくても理解してくれるのが、彼の素晴らしい所だ。それも、十をゆうに超える案件全てを口頭で簡単に説明しただけで理解し、動かしてくれる。

 絶対に大丈夫だという信頼があった。

「それでは私は、またナスタチウムさんの執務室の方に向かいます。何かあればそちらに」

「はい、そちらも何か大きな問題があれば、直ぐに知らせて下さい」

 あとはお互いに頷きあい、それぞれのすべきことの為に移動したのだった。

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