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擬人化は世界を救うのさ  作者: 山風
1/1

擬人化は世界を救う

 はじまり、


アレース連邦、、、


中国大陸から、離れた列島にあるこの国は、擬人化の技術が発達した国である。


メモリーカードなどの、小さなものから旅客機、客船などの大型なものまで


あらゆるものを、少女の姿、つまりは擬人化してきたのである。


アレース連邦が、擬人化の技術を確立したのは、大正2年で


まだアレース帝國の時、一人の海軍将校が、圧倒的火力を有する戦艦を人の姿にさせる事により


戦場における、被弾率や、敵に見つかる可能性も減るのでは?という発想から、始まったのが、


擬人化技術の発端である。


 そして、建造された擬人化兵器は、兵器少女と呼ばれアレース軍の主力兵器になったのである。


また、一番初めに建造された兵器少女は金剛型戦艦のネームシップ「金剛」であった。


身長は180センチと女性なのに背が高い出来となったが、想像を絶する成果を挙げた。


 レーダーが登場した、第二次世界大戦では、小さすぎてレーダーには映らないため敵に発見されずに接近でき


目視で見つけた頃には砲撃を開始、敵艦に大打撃を与える事ができたのである。


 その後も多くの兵器少女は建造されては数多の戦場へ送られその度勝利を納めていったのである。


快進撃を続けるアレース帝國の兵器少女にアメリカ軍将兵は口々に「アレスの微笑が見えた」と告げた。


そして、時は進み1945年アレース帝國がアメリカに講和を推奨し、アメリカが承諾した事により


戦争は幕を閉じた。


その一年後にアレース帝國は、アレース連邦へと名前を変えた。


 今現在、アレース連邦陸、海、空軍及び海兵隊にあらゆる兵器少女が配備され、その技術は世界中の軍隊にも広められたのである。






  トウキョウ、アキバ区


「待ちなさい!、、」


北神雅人きたかみまさとは朝から二人の警察官に追いかけられていた。


マンチカンの擬人化少女であるペルシャも北神の手を握り一緒に逃げていた。


小型な猫の擬人化だけに、その容姿は小学中学年の少女で、警察に幼女誘拐と勘違いされ


追われていたのである。


 「ペルシャ大丈夫か?、、、」


 「大丈夫にゃ、、、私達猫はスタミナはたくさんあるんにゃぞ~♪」


 「ははは、そうだな、、よし、あそこの路地に逃げるぞ!」


ペルシャの手を引き路地裏へと、逃げ込んだ。


薄暗い中をひたすら走り、十字路のようになったところで立ち止まり周囲を見渡した。


幸いにも警察官は、ここまでは追いかけてこなかったようだった。


 「うぅ、、、お腹空いたにゃー、、、はむはむ」


 「おい、、お腹空いたからって俺の腕を甘噛みするんじゃない汗」


単なる猫の甘噛みなら、いいにしても、擬人化の猫の甘噛みは他人からみれば


ただの変質者になってしまう。


だからか、北神は顔を赤らめながら、立ち上がった。


 「どこから、逃げるかだな、、、判断をしくじったら、、間違いなく冤罪で務所逝きだよ、、」


すると、ペルシャは北神の手に自分の手を当て爪を立てた。


 「痛っ!、、全く何するんだ~ペルシャ、、」


 「大丈夫にゃ、ペルシャがご主人様を守るにゃよ、、、、ふー」 


北神は、ペルシャの手を撫で、微笑む。


ペルシャも、無邪気に笑みを浮かべゴロゴロと喉を鳴らしていた。


 「ペルシャ、、、」


北神が、ペルシャに抱きつこうとしたとき、


突如反対側の通路からスーツ姿の黒髪長髪な女性が姿を現した。


 一目見て刑事と思った北神はペルシャの手を握り逃げようとしたが


木の板に躓き転んだ。


 「イテテ、、、」


 「だ、大丈夫!?、、、あ~、驚かせるつもりはなかったんだけど、、あ~どうしよう、血が


とりあえず、この絆創膏で、、、、って、これはセロハンテープやないかーい、、、あ、、かぁぁこんな時にボケかましてる場合じゃなかった、、」


 そのスーツ女性はクールビューティーな見た目によらず、かなりつまらないボケをはさみ駆け寄ってきた。


 「なんなんっすか汗、、、刑事さんとか?」


絆創膏を傷に貼り付ける女性に、ジト目を向けながら聞いた。


すると、スーツ女性は貼り終えた絆創膏を軽く叩き立ち上がると


長い髪を靡かせがら微笑んだ。


 「いいえ、、私は海兵隊第2戦闘団長武山奈美中佐よ、、、オオサカ出身なものだからつい、、


まぁ、それはいいとして、君は北神雅人君だね?」


 「にしては、滑ってましたけどね、、まぁそうですが?」


 「うっさいなあほぉ!」


武山奈美たけやまなみと名乗った女性軍人は、頬を赤らめつつ北神の傷を叩いた。


 「痛っ!」


 「ふん!、、女性を馬鹿にした罰よ」


武山は、悪びれる様子もなく、かばんの中を漁りはじめた。


不信感しかない北神はというと、ため息をつき、ペルシャへ目を向ける。


ペルシャは、興味深そうに武山のかばんの中身を見つめていた。


 「それで、俺になんのようっすか、、警察に追われてたことなら予め言っておきますけど


ペルシャは、この見た目でも立派な大人なんで、、幼女誘拐ではないですよ」


 「ん?、、警察に追われているの?、、幼女誘拐って、、北神君にはそんな趣味が、なるほど、なるほど」


 「そうそう趣味がー、、って違うし、、話聞いてました?ペルシャは


マンチカンの擬人化なので、この容姿でも年齢は、俺と同じ年なんです、だからこれは


幼女誘拐じゃないんです」


 「ふーん、、まぁ、私達が北神君たちの所に来た理由はそれじゃないんだよね~、、そもそも私らに警察権なんてないし、、」


 「じゃあ何用で?」


北神のその言葉に武山は獲物を見つけた時の蛇のような目で、近づき一枚の紙を提示した。


 「今日はさ、、北神君をスカウトしに来たんだよ」


北神は、いきなりの事に理解できず、スカウトっと聞きなおし首を傾げた。


 「そうスカウト、、北神君さ、、やいづ水産高校外洋科学科卒業だったよね、、


実習船での教育実習に、部活は水泳部キャプテン、、卒業後はシズオカ・ハママツ区にある実家の紅茶専門店を受け継ぎ社員や従業員の指揮統制が優秀が故に、その経営実績は優秀と、、北神君の人を束ねる指揮統制能力を我が戦闘団では買いたいのよ、、」


 「、、、お断りします、、俺に軍隊なんてところ似合わないし、、なにより俺にはペルシャがいるからな」


 「にゃ♪、ご主人様~♪」


北神とペルシャとの間にできた絆を見た武山は目を点にし、少し沈黙をしたが、


何を企んでいるのだろうかと不信感を煽るような、笑みを浮かべ


かばんに手を入れた。


 「本当にいいの?、、引き受けてくれたら、警察に冤罪を証明してあげるし、ペルシャと一緒に来てもらっても構わないわ」


武山のその言葉に、動きを止めた北神は、ジト目を向けながら「本当に?」と聞きなおした。


 「もちのロンよ♪、、、」


 「そ、、そういうことなら、、、というか、海兵隊って志願制じゃぁありませんでしたか?、、


スカウトって、、」


海兵隊とは、上陸作戦や、即応展開を任務とする組織で、アレース連邦海兵隊ではアメリカのように


陸軍、海軍、空軍とは別に組織された軍事組織である。


配備されている兵器も、戦闘機などの航空機や、戦車、アレース連邦では艦船すらも配備する他、


陸上、海上、航空全ての兵器少女を配備された組織で海兵隊に所属する軍人は


皆エリートと呼ばれるようなところである。


 「大丈夫よ、、このスカウトは、何を隠そう、海軍省長官からの指示なんだからね♪


北神君の過去のデーターを見てお気に召したみたいでね、、本来ならこんなことありえないのよ?


北神君だから実現したのよ」


 「そうなんですか、、じゃあ試験とかも免除ということですか?」


 「ううん、、ちょっとした身体検査は受けてもらうよ」


 「身体検査くらいなら問題はないですよ」


北神は、自分の体を触って確認し、丈夫なことを示した。


 「じゃあ、早速アツギ基地へ行くわよ♪、、、凪田!至急ヘリをこっちに回しなさい」


武山が現れた通路から、軍服を着用した大柄な男が歩いてきた。


その男は、武山に向けて敬礼すると、背負っている機械から無線を手にし、ヘリコプターを呼び始めた。


 「クリーチャー1、、こちらサンダー第三小学校のグランドにヘリを回せ、、そこで合流する」


 「クリーチャー1了解、、ヘリを回します、、、」


 「中佐シードラゴンがこっちに向かっています」


 「えぇありがとう、、北神君行きましょ」


武山はそう言って先々に行ってしまった。


遅れてはいけないと、北神もペルシャの手を引きあとを追った。


路地を出て、南へ歩くこと30分着いた第三小学校には、すでにMH53E掃海・輸送ヘリコプターシードラゴンが轟音を響かせ待機していた。


 「大きなヘリコプターにゃーー!!」


大きなヘリコプターに興奮気味のペルシァは我先にと走っていった。


 後部ハッチを開き、武山たちを迎えるための準備をしている、軍人の後ろで、尻尾を振り眺めるペルシァに追いついた、北神は、武山に続いて機内へ乗り込む。


 「ペルシァ、、外見だけじゃなく機内も楽しもうぜ」


 「当たり前にゃー」


ペルシャは、機内の壁に沿って設置された座席に座るとシートベルトを装着した。


そして、後部ハッチが閉まると、すぐさま離陸し、アツギへと向かっていったのである。

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