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2話-3

「と、買い物と一緒にアンちゃんの登録も済ませてきましょうか」

解散の意味を込めて手をパンと叩いてテールはそう言い立ち上がる

「………手伝えなくてすいません」

「頼んだのはこっちだから。とりあえず留守番よろしくね」

と、震えながら謝るイザベラにテールはニコリと笑ってアンフェルを連れて出ていく

「……さてと、回復するまで私ももう一眠り」

「…………仲直り…は…?」

イザベラが立ち上がって自室に向かう前に、キミィがジトーと見つめながら釘を刺した

「…悪いことしたらまず謝れってみんな言ってた…」

「……今じゃなきゃ駄目…かな?」

「………ダメ。後悔する前に自分の〜ひ?…は認めろって…いなくなったみんなも言ってた」

ギギギとイザベラは気まずそうにゆっくりと首を向けるも相変わらずのたどたどしい口調だがキミィの目には強い意思が宿っていた

「そっかぁー。みんな言ってたかぁ………………重いわぁ…」





「じゃあ、行きましょうか」

と、テールは言いながら大型の荷車を引いてきた。アンフェルは少しポカンとしたが慌てて横に並ぶ

「いつもソレ使うんですか?」

「んー、ある程度人数がいる時位かな?もうすぐ外行きの皆が帰ってくるから大量にご飯の材料とか買わないと〜ね?」

アンフェルは俯いて

「そうなんですか」

と答えた

「もう少し時間をかけて考えても良かったのよ?」

「はい……でも一度決めたら行動は早めの方が良い…って父さんに言われた事があるので…」

「そう……良いお父さんね」

「はい……」

どうしたものかとテールは少し困った顔をしたが、経験上こればかりは時間に任せるしかないか…と考えて話を振るのをやめた

 それから暫く2人の間には会話は無く、カラカラと音を立てていた荷車が質素な建物の前で止まる

「と、着いたわ。ちょっと待っててね?」

テールは荷車を邪魔にならない隅に寄せてすぐに建物前に戻る

「じゃあ、行きましょうか」

扉を開けるとカランカランと扉に設置されたドアベルが鳴りテールに続いてアンフェルも建物の中へ入って行く

中には窓口。ソコに眉間に皺を寄せて書類を読む青年に奥には忙しなくバタバタと動く3人、書類と分厚い本を睨む女性がいた。テールは他に人がいないのを確認するとアンフェルを連れて窓口に近づく

「はいはい、今日はどういったご用で〜…………ッ!?」

青年は一度チラリとテールを見て書類に目を戻すが二、三拍あけてガバッと向いた。テールはヤッホーと軽く手を振り挨拶するが、青年の表情はみるみる内に陰っていく

「厄介事ですか?厄介事ですよねぇ……ちょっと誰か変わってくれない?」

そう言いながら青年は振り向くも慌ただしく動いていた3人は姿を消し、女性は分厚い本で顔を隠した。青年は無言で舌打ちして向き直る

「出来れば振り返って来た道を戻って早々にお引き取り願いたいんですけど…」

「もう冗談キツいんだから〜」

「……都市内外大小合わせて先月で18件、今月始まったばかりで既に7件。前年は100件以上の苦情が殺到したこっちの方が冗談キツいんですけどねぇ」

青年はぶっきらぼうに言い放つもテールは表情を崩さない

「まあまあ、帰ったらファリアに言っとくから」

と、言いながらテールはアンフェルの両肩を掴んでズイと前に出した。先程のやり取りで気後れしていたのもあったが咄嗟の出来事だった為に

「ふぇ!?」

と、アンフェルが小さい叫びをあげる

「今日はこの子の仮登録をしにきたの♪」

「……その子も魔法使いか何かで?それとも北の賢者様そのもの…とか?」

テールはニコりと微笑んで言ったが、青年は怪訝な表情になり顔色は少し青くなっていた

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