1話-2
──開拓ギルド──
街路の整備や未開の地、山や森を切り開いて人が住める環境を整え、小さな町から大きな都市まで建設、修繕する工業ギルド
が、それは一昔前から伝わっている一般的な認識で、今では落ち着いているもののここ100年の竜との戦争では激戦区真っ只中での砦の建築や防衛拠点の建造に駆り出されるのは当たり前
他ギルドや商会に頼んでいた資材も戦時下では安定的に確保ができなくなってしまった為に、時には自分たちで資材調達する始末
その為、現在では冒険ギルドや他ギルドの手を借りた複合型ギルドになっている
時には最前線に送りこまれる過酷な現場故に必然的に構成員もそれ相応の強さを持つ者になるのだが、過激な噂が多すぎるのが有名か
樹海に観測所を建てる依頼が来たときに整地や拠点の建築で切り開くだけならまだしも
『木材もういらないし、面倒だから手っ取り早く全部燃やした方が速くね?』
とゆう理由で大炎上を起こし竜やエルフ等の多種族に喧嘩を売ったり、資材確保中に見つけたユニコーンを
『これ、乱獲したら幾らになるのかな?』
と、資材調達のついでに角目当てで根絶やしにするレベルで乱獲。挙げ句の果ては
『邪魔だったから』
という理由だけで荒らすならまだしも貴重な古代遺跡を木っ端微塵に粉砕
『奴等が動くと色々な意味で地図の形状が変わる』
等の眉唾物の噂が流れたりする程
あくまで噂なのは状況証拠しか無く、現場は同ギルドメンバーしかいなかった為。流石に苦情が多かった為に見兼ねたギルド都市の上層部 管理委員会の人間が過去に幾つか問い詰めにいったことがあるそうだが、ギルドマスターの
『私はこの都市から離れられないので、現場で起こった事は報告書程度にしか解らないし、例えば見た連中が誰もいなければ証拠も何もないですよね?』
と、嘲笑を浮かべ放ったこの一言で一蹴。これには非公認の暗殺ギルドも苦笑い。因みに問い詰めた管理委員の人間も吐血してぶっ倒れて死んだとか
とまぁ、そんな事は露と知れずアンフェルも勿論一般的に伝わっている部分しか知らないので一瞬思考が凍りついた。……が、相手の見てくれは冒険者で既にかなりの時間が経っている。迷っている時間はない
アンフェルは泣き叫ぶのをこらえ、自分がいたキャラバンが怪物に襲われたこと。傭兵ギルドの筋肉ダルマからここを教えられたうまを話した




