1話-1
中央大陸 多連ギルド都市
大小数多のギルドで構成され、人が賑わう大都会。その傭兵ギルドで門前払いをされた影が1つ
名をアンフェル、齢12の商人の子
彼は焦っていた。どうしようもなく焦りきり、瞳から涙を浮かべていた
それもそのはず、彼の親が率いるキャラバンが街道で怪物に襲われたからである。襲撃の最中、直ぐ様早馬に乗せられここまで来れたのは幸か不幸か。しかし現実は無情…彼に手を差し伸べる手は無し。傭兵ギルドやハンターギルド等の所謂冒険者ギルドは彼の手持ちの金銭では動いてくれなかった
大規模なキャラバンを襲う怪物の群れ…1体だけなら手練れの冒険者達なら問題無いが、幼い…まして商人の子のアンフェルにはそんなことは露と知れず一雫の希望に向かい走り出す。先ほどの傭兵ギルドで
『まぁ、あのギルドなら動くかもしれねぇな』
と言われ教えられた場所へ
到着するなりアンフェルは息も整えず叫びに近い声で吠えた
「お願いします!助けてください!!」
テーブルを囲う外見は剣士と屈強な戦士、それにローブ姿の幼女の女3人組。談笑していた3人はアンフェルの声にビクつき、その1人の女戦士目を丸くする。女戦士は数秒後に女剣士と目を合わせて苦笑いを浮かべて申し訳なさそうにこう答えた
「いや、ココ…開拓ギルドなんだけど?」