《Life:04》ようこそステイシアへ
「さて、奇抜なスタイルとは言ったもののどーすっかね…とりあえずはスキルリスト見てみるか」
ウインドウのスキルリストをスクロールしていくとあるスキルが目に止まった。
《木材加工》木を加工できるようになる。スキルレベルが上がるにつれ家具や家を作ることが出来る。
「家具はともかく家まで作れんのかよ!?」
「ええ、家くらいは職人になれれば作れるわね。でも条件がかなり難しいわよ?」
「条件とは」
「まず建てたい立地を保有する国に許可を貰う」
「この時点でもう無理だろ…」
「クエストを受け続けてギルドマスターから信用を得られればその内所属する国の方にも知られるようになるわよ。二つ目はその土地を買うためのsを集めるのよ」
「意外と楽そうなんだが」
「ステイシアという国では安い所でも1000000sはするんじゃないかしら」
「前言撤回、絶対家作らせる気ないだろ…」
「というわけで誰も《木工加工》は取りたがらないのよ」
「そりゃそうだよな……」
考える…むしろ誰も取っていないならこれは好都合かも知れないな。スキルの全容も把握出来てなさそうだし。よし、《木材加工》習得っと。
「でもその家建てる材料とかはどうするんだ?」
「そんなの建てるやつが用意するに決まってるじゃない」
よし、《伐採》習得。準備しとくに限るな。
「よし、ちょっとスキルとステータス振り考えるわ。決まったらロゼに言いに行くな?」
「分かったわ。スキルは後からでも習得できるけど中には入手条件が厳しいものもあるから慎重にね?それとステータス振りは間違っても振り直しできないからね」
「おう、じゃあまた」
木材を取りに行くにはフィールドに出なきゃ行けないしそう思うとある程度戦えるようにならなきゃ行けない、ましてやこんな奇抜なスタイルを貫いていくからソロでありたい………よし、こいつら組み合わせたら戦えなくはないな。あとはステータスポイント振るか。これが初期値だから…
クロウ 性別:male
HP:30/30 MP:10/10
STR:10 VIT:10
INT:10 MIND:10
AGI:10 DEX:10
LUC:10
ボーナスポイント残り50
でスキルに合わせて…
クロウ 性別:male
HP:30/30 MP:30/30
STR:10 VIT:20
INT:10 MIND:10
AGI:10 DEX:30
LUC:10
よし、これでいいな。
「おーいロゼ!スキル決め終わった!」
「はいはい…ってナニコレ?!」
「ナニって俺のスキル構成とステータスだよ」
「アンタ何考えてんの?!」
ナニってね…
無垢 性別:male
HP:30/30 MP:30/30
STR:10 VIT:20
INT:10 MIND:10
AGI:10 DEX:30
LUC:10
《スキル》
《片手槍》
《観察》
《鑑定》
《木材加工》
《伐採》
《植物鑑定》
《投擲》
《空間収納》
「クロウ…あなた何を目指してるの?」
「何も目指してないぞ?ただ人と違うことがしたいだけだぜ」
「本当にこれでいいのね?」
「ああ、問題ない」
問題なんてあるはずない、俺が俺自身のためにここまでやったんだ。何もかも慣れが重要だ。
「…では、良い《Life》をクロウ様」
最後に微笑みながらロゼは俺を送り出した────。
「…ここはどこだ?」
目覚めるとそこには建物がいくつもあり、目の前には大きな噴水がある。ここは街みたいだな…
「やー、お兄さんどうしたの、こんな所で?」
周りを見ていると後ろから女の子の声が聞こえてきた。
「あー今ここに来たばっかでな、ちょっと休憩」
「てことはお兄さんも来訪者なんだね」
「来訪者?」
「うん、私もそうだからねー。私はリリ。お兄さんは?」
「クロウだ」
「こっちに来たばっかってことは何かと情報欲しくない?」
「ああ、情報が欲しい。でもタダでくれる訳は無いだろ?……何が目的だ?」
「それはそうだよ!目的っていうか何というか…情報屋として自由に情報が掴めるパートナーがいるってのはかなり違うからね、お兄さんにはパートナーになって欲しいんだけど?」
「それこそ上位プレイヤーを募集した方がいいと思うけどな。じゃあな、俺はパーティは組まないんだ」
「情報はいらないの?!」
「その気になれば集められそうなものに興味はないな。それこそ、折角ここに来た来訪者なんだ、初心者に歓迎くらいはあってもいいと思うんだけどな?」
「分かりましたよ、やればいいんでしょうやれば!?でも私諦めた訳じゃないですからね!!」
「────ようこそ、辺境ステイシアへ」
ゲームの…《Life》の…始まりだ────。
《スキル》について
《片手槍》:片手槍を装備できるようになる。レベルを上げる事に威力や命中率を上がる。また片手槍の《アーツ》を放つことができる。
《観察》:対象の動きなどを見る時に使う。レベルが上がると精度があがる。
《鑑定》:武器や防具を見る時、何か未知のアイテムを鑑定する時に使う。
《木材加工》:木を加工できるようになる。
《伐採》:斧を使わなくても木を上手く切れるようになる。
《植物鑑定》:《鑑定》と《植物知識》を得たことによる複合スキル。武器だけでなく植物を見分けることが出来るようになる。
《投擲》:手に持ったものを投げた時、威力が高くなる。
《空間収納》魔力によるゲートを作り、その中にものを入れこむ事ができる
とりあえずはこれだけ。