第4話 静かな夜のティータイム2
「この手紙の事で…」
「ああ、分かってる。」
ニコラスの言葉は途中で遮られる。
「…まったく、お前は良くも悪くも真っ直ぐだな。本当は巻き込みたくなかったんだが…三日前に決心がついたんだ。教えよう、約束の子の事を。」
ジルはため息をつく。
五年前のあの日、ジルはニコラスに言った。約束の子は危険だ。私が責任を持って育てるので、どうかセルマを渡して欲しい、と。だが、奥様の遺志を継ぐといってニコラスは引かなかった。それどころか、知っている限りでいいので約束の子について教えてほしいと言った。
結局両者とも意見を引っ込める事はなく、病が眠りにつくとされる五年間、ニコラスが世話をし、ジルが通いで教育を施すという事でその場を収めた。五年間以降も二人でやればいいじゃないかと思う人もいるだろうが、考えが違うので、このままだとセルマにとってのストレスになりかねない…というのが両者の意見だ。こんなところだけは意見が合うので、根本的な考え方は似ているのだろう。
そして、病が目覚めるとされる五年後が来てしまった。
折れたのは、ジルの方だ。
セルマには悪いが、ニコラスのやらせたいようにやらせよう。もしかすると新たな発見もあるかもしれない…といったところか。…要は研究材料にするということだ。
「ありがとうございます…!」
ぱっと顔が明るくなるニコラス。
「だが、条件はつけさせてもらう。いいな。」
ジルは鋭く言う。万が一にでも周りに病が広まらないようにするためだ。
ニコラスは頷く。
「…簡単な事だ。手がつけられなくなる前に私を呼んでくれ。ある程度の事ならなんとかなるだろう。」
なんだかんだいってジルは過保護である。
そして、一拍おいて約束の子について、語りはじめた。
う…次回には説明回終わらせたらなと思います。
もうしばらくお付き合い下さいm(_ _)m