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神にだってバカはいるんだよ!  作者: YUME
五竜遺跡編
7/15

第二戦

  ★

「ま、当然ね」

「よかったです~」

「…………疲れた」

 まずは一勝。先手を取れたのは大きいと思う。

「三人とも、お疲れ」

 三人に労いの言葉をかける。

「さぁ、次の試合に注目しよう」

 次は二対二の試合だ。うちからは秀人と唯が出る。

「うし、行くか」

「だ、大丈夫かなぁ」

「大丈夫だ、やってきたことをそのままやればいい」

 秀人が唯の緊張をほぐす。

 なんだかこうやって見ているとあの二人親子みたいだな、と思う。

「それでは、第二試合の出場者は前に」

 あちらからも男女一人ずつが出てきた。そして―。

「二年C組所属、黒崎秀人だ」

「い、一年あみゃみやにゅい(雨宮唯)です。」

 ああ、すごく緊張してるな。誰が見ても分かるように唯は緊張していた。

二年A組所属岩井拓(いわいたく)

「同じく所属、三浦彩華(みうらあやか)です」

「ありゃ、マジかよ。相手さん二年の中でもトップクラスだぞ唯」

「え? そうなんですか⁉」

「こりゃヤバいかもな。トオル、もしもの時はよろしく頼むぞ」

 なぜだ、秀人には勝てると思わせるような雰囲気がないんだけど。まあ、パートナーの唯は初めての試合だからね。

「準備はするけどちゃんと勝ちに行ってよね」

「手は尽くすわ」

 今回の各チームの核所持者はこっちは秀人、相手は岩井君になっている。

「それでは準備をしてください」


 三分後…………。


「さて、それでは第二試合を始めます…………始め!」

 試合が開始された瞬間に両者の間が詰まる。

 マッチアップは秀人と三浦さん、唯と岩井君となっている。

 互いが互いにパンチやキックを繰り出す…………素手素足で。

「ちょ、ちょっと⁉ どうして具現化や憑依化をしないの?」


「「「「あっ、忘れてた」」」」


 どうして四人ともこの試合の基本を忘れているんだ。

 周りを見るとギャラリーも同じように唖然としていた。

「ああ、そんじゃま気を取り直して、イム」

『あいよ』

 そう言ってイムの体が光に包まれて姿を変えていく。

 光が弾かれた時にはイムの姿はなく秀人の手に一冊の本が納まっていた。

 隣に目を移すと、唯もすでにテトの具現化である短剣と拳銃を装備している。

 そして、相手も具現化を終えていた。岩井君は鉤爪、三浦さんは刀を装備していた。

『秀人、どれを装備をする?』

「そうだな、鉤爪にするか」

『OK!』

 すると、本の姿をしたイムが岩井君と同じ武器の鉤爪に変わる。

「なっ⁉」

「わりぃな、ちょっとパクらせてもらったわ」

 これがイムの能力、「無限複製(インフィニティコピー)」だ。一度見たものをすべて複製できる能力。ただし、使い手よりは強度と攻撃力は多少なりとも落ちるらしい。

「ちょっと、あんなのアリなの⁉」

「いいんじゃないですか。ルール上は何も問題もないですし、あれが秀人先輩の能力ですからね」

 唯と三浦さんの対戦もすでに再開されていた。唯も短剣と銃をうまく扱って相手より優位に試合を進めていた。

「どう、トオル。秀人達勝てそう?」

 休憩を終えた舞が隣にやってきた。

「うん、大丈夫だと思うよ」

 秀人と岩井君の対戦はよく分からないけど、秀人が負けると思わないし、唯と三浦さんの対戦も唯が完全に押しているから大丈夫だろう。

「そうですね~たぶん問題ないと思いますけど」

「………………ハプニングがなければ」

 緑とヒカルもいつの間にか隣にやってきた。

「そういえば唯の二つ名って何だろう?」

「また突拍子のない質問が出たわね」

「唯ちゃんの二つ名ですか」

「…………一刀一銃(ライドテイマー)

「え? そうなの?」

「…………(コクッ)」

「なんか」

「それって」

「「「「普通だね(ですね)」」」」

 そもそもヒカルはどうやってその情報を知ったのだろうか……。

「くっ! この娘強い!」

「助けを待っても無駄ですよ先輩。秀人先輩が止めていますから」

「うっ!」

「トドメです!」

 目を移した時には唯が三浦さんを倒していた。

 これで二対一になった。

「先輩、そっちに行きます!」

「おう、よろしく」

「くっ、まずい」

 唯が鍔迫り合いしている秀人と岩井君に向かう。良かった。何事もなくこっちが勝つことになりそうだ。

「どうやら大丈夫そうね」

「そうですね~」

 二人が岩井君を挟み込む。そして、


 バリィン!


 聞き覚えのある割れた金属音がする。

 そして目的の物を破壊したであろう唯の剣先を見る。

『えっ?』

 その場にいた全員が目を見張った。

 割れていたのは秀人の核だった。そして、二人の間には岩井君がしゃがみこんでいた。

 もちろん、割った唯も割られた秀人も驚いて全く動かないでいた。

「えっと、これは?」

「どうも恐怖心でしゃがみこんだらしいわ」

「うん、でもこれだと」

「秀人君と唯ちゃんの」

「…………負け」

 ということは……。

「……あっ、第二試合勝者『世界の頂点』!」

 …………………………。

「うそー!?」

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