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ハルチ  作者: あみるニウム
05「日常からの脱却」
19/53

05−1

「ナギさま」

 男はようやく落ち着いた僕に、優しく語りかけてきた。

「ミナカさまより、幾つか伝言を預かっております」

 伝言というより、遺言だよな。

「まず、あの日言ったように、必ず学校には行くように、とのことでございます」

 わかってるよ、ちゃんと行ってる。

「次に、その前の日の晩、話したことを必ず実行するように、とのことでございます」

 ああ、わかってる、わかってる、ちゃんとやっている。

 約束した通りに、ちゃんと実行してる。

 ていうか、あんなくだらない約束を遺言にするなよ。

「そして、最後に、────────とのことでございました」

 ごめん、よく意味がわからない。

 でもたぶん、それだけは守れていない。

 本当にごめん……、兄さん…………。

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