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ザコのオーク退治

 宿屋で出された朝飯はパンとジャガ芋のスープだった。

 日本人の俺からしたら泣きたくなる位に質素である。

 しかし、ここはオーディヌス、郷に入っては郷に従え…次いでに、すれるゴマはすっておけ。

 

「凄いっすね。こんな贅沢な朝飯は初めて食べたっす」

 

「そうだろ、晩はもっと美味い物を食わせてやるぞ」

 第一印象が悪めなブサメンにとって円滑な人間関係は大事なのだ。


「期待してるっす…そう言えば冒険者ギルドはどこにあるんすか?」

 ここで重要なのは偶然に思いだしかの様な演義をする事。


「冒険者ギルドならお前を連れてきたパン屋の3軒隣にあるぞ」

 まかさ、異世界初日で迂回ルートを選んでいたとは。

 ヤバい、凄く現実逃避したくなってきた。

 確かに、冒険者ギルドはパン屋の3軒隣にあった。

 ギルドはレンガで作られた平屋の建物で、冒険者ギルドと書かれた看板が掲げられている。

 そして、ギルドの前に堅気には見えない方々がたむろしています。

 その迫力はコンビニ前にたむろするヤンキーが優等生に見えてくるレベル。

 しかし、どこの世界でも先輩は敬わなきゃいけない。

 目指せ、可愛がられる新人冒険者。

 先輩方と目を合わせない様にしながらギルドに入る。

 うん…、犬耳やエルフの冒険者がいるなんてお約束も消えた。

 ギルドの中は、男子校並みの汗臭さ。

 受付にいるのも、確実に元冒険者なゴツいオッサンだし。


「そこにある初心者用の依頼をこなせばギルドへの加入を認めてやる」

 受付のおじ様が指差す先には木製の掲示板が置かれていた。


初心者用の掲示板に張られている依頼状をチェック。

 張られていた依頼状は3枚。


ゴブリン退治1匹800デュクセン。

(ただし、5匹以上を倒さなければ依頼達成となりません)

 これはなしだな。

 いくらゴブリンが小学校低学年並みの強さしかなくても、複数を相手にして勝つ自信はない。


薬草採集 100ガン3千デュクセン

 ちなみに1ガンは1グラムに相当するらしい。

 これもなしだ。

 薬草100グラムは結構な量になると思うし、集めているうちに薬草が萎れてしまえば更に軽くなってしまう。

 何より、薬草が生えているのは森の奥らしい。

 つまり、魔物と鉢合わせる危険がある。

 最後はオーク退治は、1匹3万デュクセン。

 ゴブリンは集団行動を常としているけど、オークは単独行動が多いらしい。


データボール参照 オーク

 功才君、オークは猪から進化した魔物で二足歩行で移動します。

 当然、フリーハンドですので、素手の他に棍棒とかも使いますから気を付け下さいね。

 知能はゴブリンより、少し高めですけど決して高くはありません。

オークは単独行動を好む魔物ですから、この依頼をお勧めします。

 ちなみに他の2つを選んだら、私があからさまに邪魔をするので気を付けて下さいね。


 データボールは、便利なんだけども師匠の声が頭に響いてくるのが辛いんだよな。

 オークは、猪に近い性質をもっているらしい。

 夜中に畑を荒らしに来るから、農家から退治依頼が多いとの事。

 オークは、体がでかい分1回の被害も半端じゃないらしい 。

 夜中に畑を荒らしに来るとは、流石猪から進化した魔物だよな。

 とりあえず猪を基本にオークへの対策を考えてみた。


オーク対策 1

 猪は犬並みに鼻がきく

 つまり背後からの攻撃は無理、つーか先に気付かれる可能性が高い。


対策 2

 猪突猛進は嘘。

  まぁ、二足歩行まで進化している時点で、その可能性は薄いんだし。

 つまり俺が奇襲に成功する可能性は、限りなく低い。

  それなら逆に向こうに気付かれる前提で作戦を建てた方が現実的。


 … よっし! これなら、他の魔物にも使えるかもしれない。

―武器屋で、中古の銅の槍を2万デュクセンで購入。

 中古なだけに、槍の頭はあまり尖ってないけど。

 準備よし。

 後は絶対結界を張って畑で、夜とオークを待つだけ。

 ちなみに宿屋の自称豪華な晩飯は食えなかった。

 …暇だ…

 夜の畑に1人ぼっち、当然話し相手なんかいる訳がない。

 まぁ、相手がいても話し声がしていたら、オークが警戒して出て来ないから喋れないんだけど。


(久しぶりにスマホでもチェックするか。オーディヌスには 電波はないだろうけど、ここに来る前にきたメールなら見れるだろうし)

 塔にいた頃は、修行が終わると疲れて速攻爆睡していたから、スマホを見るのはオーディヌスにきて始めだったりする 。

 メールは結から1通だけ来ていた。


「功才、怪我は大丈夫?あんなの相手に功才が勝てる訳ないから怪我だけが、心配だよ」


 怪我は確定なのね。

 絵文字もついてないし。

  でも、これから命懸けの戦いが待っているから、下手したら怪我じゃ済まないかもしれない。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 闇夜に光る紅い目、荒い息づかい。 オークさんのご登場です。

 想像はしてたけど、2m超えの直立で立つ猪はかなり恐い。

 フゴーフゴーって荒い鼻音が聞こえてるし。

 特別賞結界を解除した途端に、俺に気付いたらしく、オー クさんが振り向いてくれた。

 真っ赤なお目目でガン見されています。

 オークさんは、人間=敵とばかり、殺気全開。

 そんなオークさんは、棍棒と言う名の俺を丸太で殴りつけてきた。


「し、シールドボール」

 お、遅せー。

 シールドボールは開閉式ドーム並みのスピードで俺を包んでいく。

  そしてガンッっと、鈍い音が周囲に響いた。

 ギリギリッ、本当にギリギリのところで間にあってくれた 。

  棍棒は、俺の頭数十㎝の所で止まっている。


(1回試しておけば良かった…今度からシールドボールを使う時は、早め早めに唱えないとヤベえよな)

 オークさんは、俺に棍棒が当たらなかったのが不思議な様で狂った様に棍棒で殴りつけてきた。

 ここからはオークの体力が尽きるか、俺が酸欠になるかの我慢比べ。

 意識が朦朧として、お花畑が見えかけた頃ようやくオ ークも疲れた様で殴るのを止めた。

  深呼吸をして、先ずは


「マジックキャンセル」

 シールドボールが中からも壊さないなら、マジックキャンセルで消去する。


そして

「シャープネス」

 鋭さを増した銅の槍で、オークの胸を突く。

  予想通り銅の槍は、オークの分厚い胸筋に阻まれて致命傷には程遠い。


「アイスハンド」

 槍が十分に冷えるまでアイスハンドを維持する。


「プチサンダー」

 プチサンダーで俺が狙ったのは、銅の槍。

 銅は、他の金属に比べて電気抵抗が少ない。

 そして冷やされた銅の電気抵抗はさらに少なくる。

 いくら軽く痺れる程度の電撃でも、心臓間近で喰らえばダメ ージは計り知れない。

 オークは、胸を掻きむしりながら畑に倒れ込んだ。

ついでに、俺も安堵から畑に倒れ込む。

 翌朝、依頼主の農家にオークの死体を確認してもらう。

 銅の槍の値段を差し引くと、一晩かけて7千デュクセンの稼ぎ。

 宿屋に泊まって飯を食べたら、殆ど無くなってしまう金額だけど。


「やった、やったー。誰の力でもねぇ。俺がオークを倒し て依頼をこなしたんだ」


朝日が溢れる畑の中で、日本にいた時には、味わう事ができなかった充実感を感じていた。

 初依頼という事もあり、ギルドのおっちゃんが、オークの死体を確認にきた。


「きちんと倒したみたいだな。ふむ、このオークを3万デュクセンで買い取らせてもらおう。そして、今日からお前も冒険者だ」


「マジ。マジでそんなに高く買ってくれるんすか?」


「ああ、このオークには、大きな傷が殆どねえ。オークの 毛皮は、防寒具から防具まで色々と用途が広いからな。む しろギルドとしては大歓迎さ」


(依頼料と合わせると、6万デュクセン?!ゴブリン75匹 分だぜ。これからはオーク退治を中心に依頼を受けていこ )

 それとシールドボールの熟練土を上げておこう。

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