私は今世紀最大の悲劇のヒロイン
これは実話ではありません。
「うわぁぁぁぁああああああ私死ぬやん?!死亡フラグやん!?」
朝一番に響き渡る私の声
ただでさえ音量の大きいくせに
なにを狙ってかその上にバカでかい声で叫ぶ。
いや、なにを狙ったかとかわかってるよ?ほんとはね。
・・・・聞いてほしかったんでしょ?
前の席のあいつにさぁ。
全く自分の単純な性格には頭が上がらない。
後先考えないとも言うんだけどね。
まぁ生まれてこの方自分を好きになったことがないからね、
むちゃくちゃだって何だって言えるわけで。
容姿、性格、体型、声
どれをとっても人よりすぐれるモノはない。
あるとしたら積み重ねられたこの総合した国語力だけか。
そんな私だって恋をする。
いやむしろ恋中心で世界を廻してるような奴なのだ。私は。
そんな私の生きてる人生はなんてドラマチック。
なんて悲劇。
おとぎ話にでも御伽草子にでもでてきそうな作り上げられたシナリオ。
現実的で平凡で平穏な日常などありはしない。
裏切られては、捨てられて、何千キロの距離を超えて、
自殺未遂を起こし、挙句の果てにはケロッと忘れて逆ハーレムに。
年上だろうが年下だろうが、私の許容範囲は無限大。
先生だろうが従兄だろうが、目に映る男はすべて私の獲物(恋愛対象者)。
一度好きになれば死ぬまで追いかけて、
叶わなければそのまま心中を提案する。
信じてたのに、信じてたのにと涙を流せば
自分ははたしてどこまで相手を信じていたのかと。
死にたがりで生きたがり。
寂しがりやで強がりたがり。
涙は流さず血を流す。
ジュリエット顔負けのおあつらえ向きの悲劇のヒロイン。
これは私の人生のほんの一部でしかない。
一巻にも満たない。
だけどちょっと覗いてみない?
自分のことを嘲笑うことしかできなかった、悲劇のヒロインの自作ストーリーの一部をさ。
気に入らなかったら破り捨てていいんだよ。
シャットダウンしていいんだよ。
ただ、悲劇のヒロインのストーリーの一節には
自分の悲しい身の上話を、小説にするとかいうそんな節があるわけで。
だからそれに素直に従ってみる。
あらかじめ言っとくよ。
これは今世紀最大の悲劇のヒロインの話。
波乱万丈なんて言い表せないと、そう大げさに仕組まれたストーリー。
結末だってきっとバッドエンドだよ?
覚悟はできた?
じゃぁそろそろ気を取り直して彼女の人生を覗こうか。
「うわぁぁぁぁああああああ私死ぬやん?!死亡フラグやん!?」
朝一番に響き渡る私の声
ただでさえ音量の大きいくせに
なにを狙ってかその上にバカでかい声で叫ぶ。