革命第6話
「ほら恥ずかしがらないで一緒に入ろうよ!!」
もうすっかり服を脱ぎ捨てお湯につかっている心晴が俺を呼ぶ。
いや、本当に勘弁してもらいたい。
体は残念ながら女の子だが精神的には男の子なんだ。
俺にはないがあの部分が反応しているのか理性が無くなりそうだ。
「そういえばさっきお風呂にはいったからいいや」
「行かせないよ?さっきお風呂入れたばっかだから入ってるはずは無いし」
俺は脱衣所から逃げようとしたが心晴に腕を掴まれ逃げられなかった。
「脱がないんだったら私がぬぎぬぎさせてあげるね♪」
「ちょっ!?やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ」
「いやぁ~本当についてないんだね」
心晴に全てを脱がされすっかり一糸纏わぬ姿になった俺は心晴の裸を見てしまったことと心晴に胸を触られて変な声を出してしまったせいでエリア『部屋のすみ』で意気消沈していた。
ついてないとか言われるとさらに凹むからやめて欲しい。
「そんなに落ち込まないでよ。私だって触られたらあんな声でるから大丈夫!!」
「……もう死にたい」
「もう…悪かったから許してよ!!なんなら触ってもいいから!!」
心晴が無い胸を「ほら」といいながら『部屋のすみ』で体育座りしている俺にはって見せた。
「……結構です」
「なんで私の胸をみて憐れみながら言うの!?」
だってなんか俺のより小さいんだもん。
なんて言ったら心晴に殺されるから言わないが。
「いい湯だね~」
「あぁ」
心晴のあのセリフのお陰かすっかり落ち着いた俺は心晴と一緒にお風呂で和んでいた。
「あのね、お兄ちゃん。大事な話があるんだけどいい?」
「あぁなんだ?」
珍しく真面目な顔で言うものだからつい俺まで真面目になってしまう。
「私、学校で青春革命って言ったじゃん?あれってみんなでリア充って意味じゃなくってお兄ちゃんを中心にしたハーレムを作ろうって意味なんだ」
「へぇ~……ってはぁ!?」
「だからお兄ちゃんに素敵な彼氏が出来るようにって」
「要らんお世話だっ!!」
心晴が真面目に言うもんだから真面目に大事な話かと思ったらそんな話かよ!?
「あれ?もしかして彼氏いらないの?」
「当たり前だ!!俺は魅月みたいに体を変える力を得て男の子として生きるんだ!!」
「なら青春革命は内容を変えないとね。彼女だったら私がなるから」
「は?」
ポカーンと口を開けて思考停止してしまった俺の口を心晴の口が塞いだ。
最後に微笑んだ心晴の顔を見送るとそこで目の前が真っ暗になった。