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第八話:玄武、砕け散る!?と、運命の丸い友(クリノジ)

【新キャラクター設定資料】

◆ クリノジ(Kurinoji)

キャラ: 『Z世代のコメディアン / ヘタレだけど義理堅い丸い友』風。

豊臣メガバンクの最下層、足軽(アール・ピー・ジーで言うところのレベル1の雑魚敵)として働く若者。

とにかく頭が丸くて光っている(クリ○ンリスペクト)。戦闘力は皆無で、常に「ひぇぇっ! 死にたくねぇ!」と逃げ回っているが、なぜか運だけは良く、強敵の攻撃をギリギリで躱し続ける。

口癖: 「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!」「俺、この戦いが終わったら田舎に帰って結婚するんだ(フラグ)」「宗次郎さん、マジ半端ないっす!」。

宗次郎の戦いに巻き込まれ、共に「修行」の旅に出ることになる、記念すべき「丸い友」第一号。


「ヒャーハッハッハ!! てめェの銃弾ビート、全然俺のソウルに響かねェなァ!!」

 街道の中央。グラムロック・スーパースター前田慶次が、愛槍『朱槍(エレキギター風)』を掻き鳴らしながら狂ったように笑った。

 彼の全身からは、グラムロックの闘気が真っ赤なオーラとなって立ち昇り、周囲の空間をビリビリと震わせている。それはまるで、偉大なる海を統べる海賊の王が纏う、万物を圧倒する覇気のようだった。

「……ッ、硬い。なんという、圧倒的な質量パワーだ」

 神堂宗次郎は、展開した絡繰大盾刀『玄武げんぶ』の後ろで、滝のような冷や汗を流していた。

 慶次の朱槍が放つ怒涛の連続突きを玄武の盾で受け止めているが、その一撃一撃が、宗次郎の全身の骨を打ち砕こうと軋ませている。何億という弾道を予測する『銃闘術』も、この圧倒的な物理の暴力の前では気休めに過ぎない。

「どうしたァ、夜叉!! 守ってばっかりじゃ、俺の松風のビートには乗れねェぜェッ!! 後がない絶望的な状況(XYZ)から、どうにかしてみろよォ!!」

 慶次は、松風の雅楽スピーカーを最大音量に鳴らし、朱槍を大きく振り上げた。

「俺の最強のアンコールを聴けッ!! 『グラムロック・ギロチン・アタック』ォォッ!!」

 慶次の巨体が空中高くへと跳ね上がった。

 夕日を背に、真っ赤な長髪と朱槍が地獄の業火のように燃え盛る。

「……綺羅!!」

 宗次郎は、駕籠の中で震える綺羅の姿を脳裏に浮かべ、玄武の盾に全身の体重を預けて迎撃の構えをとった。

 消えない悲しみも、かつての戦の綻びも、この小さな手と笑顔があれば、それでよかったねと笑える気がした。

 ……でも。誰かの居場所を奪い、あの笑顔を身代わりにするような理不尽な世界なら。

「私が……すべて撃ち落としますからァッ!!」

 宗次郎が吼え、玄武の大盾が夕日を浴びて神々しく輝いた。

 ――ズドォォォォォォォォォンッ!!!!!!!

 慶次の朱槍と、宗次郎の玄武が激突した瞬間。

 小田原の街道全体が激しく揺れ、爆発的な土煙が天高くへと舞い上がった。

「キャァァァッ!!」

 駕籠の中の綺羅が悲鳴を上げる。

 やがて土煙が晴れた、街道の中央。

「……え?」

 宗次郎は、呆然としながらも、自分の右手に握られていたものを見つめた。

 誰も傷つけずに戦いを終わらせる、絶対防御の象徴。络繰大盾刀『玄武』。

 その大盾の表面が、慶次の一撃によってガラスのように粉々に砕け散り、元の刀の形態すら維持できないほど、無残な鉄のクズへと変貌していたのだ。

「な……玄武が……砕けた……?」

 宗次郎の『絶対防御』が、豊臣の圧倒的なロックの前に、完全に敗北した瞬間だった。

「ギャハハハ! 所詮は田舎の絡繰刀だ! 俺のソウル(朱槍)の前では、ただの粗大ゴミだぜェッ!! 裏社会の凄腕スイーパーみたいには、どうにも(XYZ)ならなかったなァ!!」

 慶次は、松風に乗って宗次郎を見下ろし、黄金のVIP駕籠(綺羅)を牽引して猛スピードで走り出した。

「待て……綺羅ァッ!!」

 宗次郎は砕け散った玄武を手に後を追おうとしたが、全身の筋肉が断裂し、一歩も動くことができない。視界が真っ白になり、意識が薄れていく。

(……绮羅。ごめんなさい。あたし、あなたを……守れなかった……)

 宗次郎が街道に倒れ伏そうとした、その時だった。

「ひ、ひぇぇっ! 助けてくれェッ! 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ! 豊臣のメガバンクグループなんて、もう辞めてやるゥッ!!」

 街道の脇の草むらから、真っ白に光る丸い物体が、凄いスピードで転がり出てきた。

 豊臣軍の足軽、クリノジである。

 彼は慶次と宗次郎の激闘の余波(土砂崩れ)に巻き込まれ、慌てて逃げ出してきたらしい。

「あァ? 雑魚足軽が。俺の松風の走行ライブの邪魔だ、スクラップになりなッ!!」

 慶次が走りながら、松風の巨大な前足でクリノジを蹴り潰そうとした。

「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ! マジ勘弁っす慶次サン! 俺、この戦いが終わったら田舎に帰って、おはぎ屋の看板娘と結婚するんだ!! どうにかしてぇ!!」

 クリノジは、涙と鼻水を流しながら、**江戸のかぶき町で万事屋を営む銀髪の侍が発動しそうな「理不尽なギャグ補正」**のごときヘタレ・ムーブで、松風の必殺の踏みつけをミリ単位で躱し続けた。

「チィッ、悪運の強いヘタレが。……夜叉、てめェのその細っこいソウルじゃ、あの娘は守れねェ。もっとロックなソウルを磨いてから、大坂に来なァ! アディオス、ベイビー!!」

 慶次はクリノジを諦め、爆音を鳴らしながら綺羅を乗せて関東への街道を駆け抜けていった。

 宗次郎の視界から、綺羅の桜色の小袖が完全に消え去った。

***

 夜。小田原の街道。

 宗次郎は、砕け散った玄武を握りしめたまま、意識を失いかけていた。

「……绮羅」

「あ、あの……宗次郎さん、っすよね? 伊達家の。マジ半端ない戦い、草むらから拝見してましたっす!」

 クリノジが、宗次郎の顔を心配そうに覗き込んできた。

「お前は……豊臣の……」

「ひぇっ! 殺さないでっす! 俺、もう豊臣メガバンクは辞めたっす! だから宗次郎さんの弟子にしてほしいっす!」

「……私は、負けました。綺羅を守れなかった。……もう二度と、攻撃しないと誓ったのに……」

 宗次郎は、自分のゴツゴツとした手を見つめた。

 誰も傷つけずに戦いを終わらせる刀、玄武が砕け散った今。自分の中の「夜叉」の血が、静かに、しかし熱く沸騰している。

(誰かの居場所を奪い、綺羅を身代わりにするような理不尽な世界なら。……私が、その黄金の城ごと、すべて撃ち落としますからァッ!!)

 怒りと無力感。宗次郎の内に眠る、髪の毛が金色に逆立つほどの最強の戦士の血が、静かに目覚めようとしていた。

「……宗次郎さん。その砕けた刀を直して、さらに強くなる方法、俺、知ってるかもしれないっす」

「え……?」

「この先の東海道を少し逸れた山奥に、謎の強い『重い甲羅を背負った老人』が住んでるっていう噂っす。……そのじいさんの修行を受ければ、きっとどうにかなるっすよ!」

 宗次郎は、クリノジを見つめた。

 ヘタレで丸い、運だけの足軽。でも。

(あたしは、あなたが石ころだなんて思いません)

 宗次郎は、クリノジの丸い頭を優しく撫でた。

「……ありがとう。クリノジ。強くなるために。一緒に、行きましょうか」

「ひぇっ! 宗次郎さんと一緒に修行!? がが、がんばるっす! チェキラー!」

 消えない悲しみも、かつての戦の綻びも、この小さな手と笑顔があれば、それでよかったねと笑える気がした……囚われの姫君の救出、そして、**七つの不思議な玉を集める大冒険のような「修行・武器強化イベント」**が、今、ここに幕を開ける!!

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