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第十七話:真紅のエリート戦士と、交差する黄金の気

井伊いい 直政なおまさ

キャラ: 『誇り高き真紅のエリート戦士 / 豊臣メガバンクの誇る”赤鬼”』

豊臣メガバンクの関連会社から出向してきた、超エリート階級の戦士。宗次郎と同じく己の「気」を極限まで高める能力を持つ。自分の実力とエリートであることに絶対の誇りを持っており、卑怯な手や横槍は絶対に許さない武人肌。

愛機(武器): 『朱槍しゅやり』と、真紅に燃え上がる闘気。

口癖: 「フン、下級戦士が」「エリートの壁を教えてやる」「俺のプライドが許さん」。


 石田三成の戦国力測定器を爆発させ、巨大な黄金の門を物理で吹き飛ばした神堂宗次郎たち一行。

 大坂の黄金の城、その広大な一階エントランス・ホールへと足を踏み入れた四人を待ち受けていたのは、静寂だった。

「誰もいないっすね……。警備員とか、顧問弁護士とかウジャウジャいると思ったのに」

「オーホッホッホ! わたくしたちの圧倒的な力に恐れをなして、逃げ出しましたのね!」

 クリノジとカトリーヌが周囲を見渡す中、宗次郎は一人、ポカポカとした笑顔を消し、ホールの奥の「巨大な大階段」を見上げていた。

「……いえ。一人、とてつもない『気』を持った方がお待ちです」

 カツン、カツン……。

 大階段の上から、足音が響く。

 現れたのは、巨大な角のついた兜に真紅の甲冑を纏い、鋭い眼光を放つ男だった。豊臣メガバンクが誇る”赤鬼”にしてエリート戦士、井伊直政である。

「フン。きわみを倒し、三成のシステムを壊したというから見に来てみれば……。どこにでもいるような、下級の侍ではないか」

 直政は、腕を組みながら、冷たく見下ろした。

「……おや。あなたも、私と同じように『気』を練り上げているようですね」

 宗次郎が静かに応える。

「俺と一緒にすんなよ。俺は選ばれた超エリート戦士だ。……見せてやる、エリートの壁というやつをな!!」

 直政が気合いを入れた瞬間。

 ゴアァァァァァァッ!!

 直政の全身から、宗次郎の黄金のオーラと対をなすような、凄まじい『真紅のオーラ』が爆発的に噴き出した。

 エントランス・ホールのシャンデリアが吹き飛び、大理石の床がひび割れる。

「ひぃぃっ! 宗次郎さんと同じように、髪の毛がオーラで逆立ってるっす!!」

「完全に同タイプのライバルキャラじゃないですか!!」

 クリノジとタナカが悲鳴を上げて後ずさる。

「……行くぞ、下級戦士ッ!」

 直政の姿が、真紅の閃光となって消えた。

 次の瞬間、宗次郎の目の前に現れ、真紅の闘気を纏った強烈な蹴りを放つ。

 ――ガァァァァンッ!!

 宗次郎は、展開した『真・玄武』の光の盾で辛うじて防ぐが、その威力の重さに数メートル後退した。

「ほう。俺の蹴りを防ぐか。ならば、これならどうだ!」

 直政は空中に飛び上がり、両手から無数の『真紅の気弾』をマシンガンのように連射した。

 それは、宗次郎の百裂気弾と全く同じ技だった。

「連続・真紅気弾ッ!!」

「……黄金・百裂気弾ッ!!」

 宗次郎も黄金のオーラを解放し、空へ向かって無数の気弾を撃ち返す。

 黄金と真紅の光弾が空中で激突し、花火のような爆発がホールを包み込んだ。

「す、すげぇ……! 完全に互角っす! 宗次郎さんの技が、全部相殺されてるっす!!」

「ハァァァッ!!」

 爆炎の中から直政が飛び出し、宗次郎と空中で激しく拳と気をぶつけ合う。

 黄金と真紅の光が、まるで二つの流星のようにエントランスを飛び交った。

 ドゴォォォンッ!!

 激しい衝突の末、二人は距離を取り、互いに息を切らして着地した。

「……ハァ、ハァ……。やるな、下級戦士。まさかこの俺と、ここまで打ち合うとはな」

 直政は、口元の血を拭いながら、不敵な笑みを浮かべた。

「……あなたも。素晴らしい『気』のコントロールです。豊臣には、まだこんな武将がいたのですね」

 宗次郎も、ポカポカとした笑顔を浮かべながら構えを解かない。

 その時、直政の懐の通信機が鳴った。

『……直政。エントランスの防衛システムを切り替える。貴様は上の階へ退避しろ。これは秀吉様ドンの命令だ』

「チッ……。三成の野郎、余計な横槍を入れやがって」

 直政は通信機を切ると、真紅のオーラをスッと収めた。

「どうやら、俺の仕事はここまでのようだ。……だが勘違いするなよ、夜叉。俺の誇り(プライド)が、横槍の入った戦いをよしとしなかっただけだ」

 直政は大階段を登りながら、一度だけ振り返った。

「神堂宗次郎。お前の顔は覚えた。……次に会う時は、この俺が必ずデリートしてやる。這い上がってこい!」

 真紅のエリート戦士は、そう言い残し、城の上層階へと消えていった。

「……助かったっす。あのまま戦ってたら、どうなってたか分からないっすよ」

「ええ。ですが……なんだか、とても不器用で、まっすぐな方でしたね」

 最強のライバルとの熱い初戦を経て、宗次郎の闘志はさらに燃え上がっていた。

 大坂城の攻略は、まだ始まったばかりである。

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