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第十三話:絶景のサイバー忍者と、すべてを吹き飛ばす黄金

【新キャラクター設定資料】

石川いしかわ 五右衛門ごえもん

キャラ: 『大泥棒にして天才ハッカー / サイバー忍者』風。

豊臣メガバンクの裏稼業(データ盗難や幻術による足止め)を請け負う、フリーランスのサイバー忍者。歌舞伎役者のような隈取くまどりメイクに、発光するネオン管が仕込まれたサイバーパンクな忍び装束を纏う。

愛機(武器): 『絶景ホログラム発生器』と『レーザー煙管きせる』。

口癖: 「絶景かな、絶景かな!」「お前のデータ(記憶)、頂いていくぜ!」「幻術ホログラムの迷宮に沈みな!」。


東海道・三河みかわの国。

 無傷の超戦国人・本多忠勝を退けた神堂宗次郎たち一行は、鬱蒼と茂る不気味な森の中を歩いていた。

「オーホッホッホ! なんですの、このジメジメした森は! わたくしの美しい縦ロール(ドリル)が湿気で崩れてしまいますわ!」

「兄貴ィ、ここ絶対ヤバいっすよ。俺の社畜の勘が『この先、サービス残業の匂い』って警告してます。引き返して、温泉宿でスローライフしませんか?」

「ひぇっ! 宗次郎さん、なんか周囲が急に白く霞んできたっす! まさか、また豊臣のヤバい刺客っすか!?」

 文句を言うカトリーヌ、震えるタナカ、丸い頭を光らせて怯えるクリノジ。

 カオスなパーティーの三人が騒ぎ立てる中、宗次郎は一人、ポカポカとした笑顔のまま、腰の『真・玄武』の柄に手を置いていた。

「……ええ。お迎えが来ているようですね」

 宗次郎が呟いた瞬間。

 辺りを覆っていた白い霧が、突如としてチカチカと不自然な『ノイズ』を放ち始めた。

 木々が歪み、空の色が極彩色に反転し、森全体がまるで巨大な万華鏡の中に放り込まれたかのような、サイバーパンクな異空間へと変貌したのだ。

「絶景かな、絶景かなァ!!」

 極彩色の空間の上空、ホログラムで投影された巨大な南禅寺の三門(のようなサイバー建築)の屋根の上に、一人の男が立っていた。

 隈取メイクに、発光する忍び装束。手には煙を上げるレーザー煙管。

 大泥棒にして天才ハッカー忍者、石川五右衛門である。

「豊臣メガバンクが誇る最凶のファイヤーウォール! この石川五右衛門の『絶景ホログラム迷宮』へようこそ、千銃の夜叉と、ゆかいな仲間たちよォ!」

「ほ、ホログラム!? 戦国時代にそんなオーバーテクノロジー、ありかよ!?」

 タナカが現代の知識で的確にツッコミを入れる。

「ギャハハ! ここは俺がプログラムした幻の世界! てめェらの方向感覚も、五感も、すべて俺がハッキング(支配)したぜ! さあ、大坂へ行きたきゃ、この迷宮から抜け出してみなァ!」

 五右衛門がレーザー煙管を振るうと、空間がグニャリと歪み、無数の『偽物の五右衛門(分身ホログラム)』が宗次郎たちを取り囲んだ。

「きゃあっ! なんですのこの無作法な忍びは! 早く最高級の紅茶を出しなさい!」

「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ! 分身の術とかマジで無理っす! XYZどうにかしてぇッ!」

 パニックに陥るカトリーヌたちを背に、宗次郎は静かに息を吐いた。

「……なるほど。視覚や聴覚を完全に狂わせる、大掛かりな幻術ですね」

「おうよ! 夜叉、てめェのそのチート級のオーラも、当たらなきゃ意味がねェんだよ! 幻影に怯えながら、一生この森を彷徨い歩きなァ!!」

 無数の五右衛門たちが、一斉にクナイ型のレーザーを投擲してくる。

「……当たらなければ、ですか。それなら、簡単なことです」

 宗次郎は、迫り来るレーザーの雨を避けることすらしない。

「……はぁぁぁぁッ!!」

 宗次郎が気合いを入れると、全身を包む金色の闘気が爆発的に膨れ上がった。

 スーパー戦国人の、限界を超えたプレッシャー。

 それは、一点の敵を狙う「銃弾」ではない。森全体を飲み込むような、圧倒的な「黄金の暴風」だった。

「なっ……!?」

 五右衛門が目を見開いた。

 ゴォォォォォォォォォォォォッ!!!!!

 宗次郎の体から放たれた凄まじい黄金のオーラが、物理的な衝撃波となって森全体を吹き飛ばしたのだ。

 ホログラムを投影していた不可視の絡繰プロジェクターも、幻術の霧も、極彩色の偽りの空間も。

 すべてが、宗次郎の黄金の光の前に『力業(物理)』で一掃され、元の鬱蒼とした三河の森へと一瞬で戻ってしまった。

「バ、バカなァァッ!? 俺の最高傑作のホログラム迷宮プログラムが、オーラの風圧だけでデリートされただとォ!?」

 屋根ホログラムを失い、木の上から無様に転げ落ちる五右衛門。

「……幻を追う必要はありません。すべてを吹き飛ばせば、真実はそこにあるのですから」

 宗次郎は、ポカポカとした笑顔のまま、尻餅をついている五右衛門の前に歩み寄った。

「ひぃっ! 待て、待ってくれ! データは渡す! パスワードも教えるからァッ!」

「……お引き取りください」

 宗次郎は、指先から放つ見えない気弾オーラ・バレットを、五右衛門の腹部にポンッと軽く当てた。

 ズドォォォォォンッ!!!

「絶景かなァァァァァッ!!?」

 五右衛門は、自らの決め台詞と共に、遠く三河の空の彼方(星)へと吹き飛ばされていった。もちろん、命を奪わない峰打ち(気弾)である。

「す、すげぇ……! 迷路を解かずに、迷路ごと吹き飛ばすなんて! 兄貴の脳筋チート、マジで最高っす!!」

「オーホッホッホ! 当然ですわ! わたくしの見込んだ殿方ですもの!」

「宗次郎さん、一生ついていくっす! チェキラー!」

 タナカ、カトリーヌ、クリノジの三人が、黄金のオーラを収めた宗次郎に駆け寄る。

「……行きましょう、皆さん。どんな迷宮や幻が立ち塞がろうとも、私の想いは揺らぎません。あの大坂の城へ、一直線に向かいます」

 愛する姫を救うため、幻術をも物理で粉砕するスーパー戦国人の無双ロード。

 カオスな四人の足取りは、ますます力強く、西へと進んでいくのだった。

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