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白鳥が空を駆けるとき  作者: カイ・華月
第一章 とある吟遊詩人のお話
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第一話 白鳥が空を駆ける


その少女はとても幸せでした。


「お母さま!!みてみて!リョートをね!うまく弾けるようになったの!!」

「あらまあ、上手ねぇ...いつか、お父さんを抜いちゃうんじゃないの?」

「えへへ!絶対にお父様を抜いてやるんだから!」


少女の家は王都の中にある小さなファミリーで、周りよりの家よりは裕福で、ぜいたくな暮らしをしていたほうでした。


「叔母様!今日もね!魔術の試験で満点もらったの!」


少女は学業・芸術・武術・魔術で優れ、家族みなにとっては自慢の娘でした。


王都の中のファミリーの主が一斉に集い、会合する日がありました。


このファミリーはその中でも勢力は小さく、発言力がありませんでした。その少女はとても幸せでした。


「お母さま!!みてみて!リョートをね!うまく弾けるようになったの!!」

「あらまあ、上手ねぇ...いつか、お父さんを抜いちゃうんじゃないの?」

「えへへ!絶対にお父様を抜いてやるんだから!」


少女の家は王都の中にある小さなファミリーで、周りよりの家よりは裕福で、ぜいたくな暮らしをしていたほうでした。


「叔母様!今日もね!魔術の試験で満点もらったの!」


少女は学業・芸術・武術・魔術で優れ、家族みなにとっては自慢の娘でした。


王都の中のファミリーの当主が一斉に集い、会合する日がありました。


このファミリーはその中でも勢力は小さく、発言力がありませんでした。


「やはり、少し収入を増やさないと..皆様の協力も必要なのです。なんとか、協力していただけませんか...?」

「立場をわきまえたまえ。まず納めるものしっかり納めてから発言しろ。貴様わかってるのか?この場にいるファミリーの中では一番小さい。つまり、一番大きいものが権力があるのは当たり前だろう。」


少女のお父さんは収入の少なさに喘ぎ、ほかのファミリーにも助けを求めましたが、一蹴される始末。


暗い気持ちで帰りますが、決して娘の前ではこんな姿を見せたくなく、市場にあった娘の大好きなシャインマスカットをひと房買って帰ります。


「ただいま、お前の好きなシャインマスカット買ってきたよ」

「おかえり!ありがとう!お父様!!」


少女はおいしそうにシャインマスカットをほおばります。それを見たお父さんは心がほぐれ、涙があふれるところでした。


「そうそう!今日ね!また先生に褒められたの!あなたの魔術は日々成長していますねって!!」

「そうか、お前は俺たちの宝物だ!」


お父さんは少女を抱きしめ、静かに涙を流します。少女はそれに気づいていましたが、気づいていないふりをします。


少女は幸せな日々を過ごしました。


大好きな家族に囲まれて....


大好きな本に囲まれて....


大好きなリョートを抱いて....


しかし....その幸せな日々は



突如として終わりを迎えました。



「失礼、教団のものです。集金をお願いしに参りました。」


少女たちの家に教団関係者が訪れ、集金をお願いしに来ました。


「いつまであの神を信仰しているおつもりですか。もう、あの神はいない。私たちが教団に払う金はない。」


少女のお父さんは教団関係者をそう言って一蹴しました。


「あぁ...なんたる冒涜...!!我らが神ヨルムンガンド様!!この無礼な者たちをお許しください!!」

「ご心配ならず、今から信仰すれば、あなた方は神に許しをもらえますよ」


「神はいない!!!」


少女のお父さんの声がこだまします。


「神の許しにも背くとは....!こいつらは反逆者だ!捕まえろ!」


教団関係者が少女の家になだれ込みます。


「お父様!お母様!叔母様!叔父様!」


「お前だけは生きろ....!ヴィオ....」


少女の父親は最後に何か叫んでいましたが、少女の耳には届きませんでした。


「こいつもだ!!連れていけ!」


信者は少女に迫ります。少女は信者の間を縫い、逃げ出すことに成功しました。



少女は一人でした。これから何していこうか...家族を失い、名前も失い...行く当てがありませんでした。


「ねね!私の歌を聞いて!ラララララ~~~♪」


少女は必死に歌いました。しかし、誰一人として耳を傾けてくれる人なんていませんでした。

少女はどうしたらいいかわからず、路地裏に入ります。路地裏には野良犬がごみをあさり、飢えをしのいでいました。少女は食べるものがなく、野良犬から生ごみを分けてもらいました。


「ありがとう...ワンちゃん」


少女は野良犬の隣で生ごみをむさぼります。


しかし...


「ケホ..!?ケホ...ケホ...!!」


到底、食べられたものではありませんでした。鼻を衝く異臭、口に入れると泥と吐しゃ物を混ぜたような味と何とも言えない食感。少女は吐き戻しました。

つい最近まで飽食の身だった少女からしたら地獄そのものでした.....


少女は、このまま野垂れ死ぬことを覚悟しました。


しかし、神は少女を見捨てませんでした。少女に、人間の温みをあげたのです


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「お姉ちゃん!お姉ちゃんのお歌、すごく上手だね!」

「え?そうかい?ありがとう、必死に歌ったかいがあったよ!」

「ねえねえ、お姉ちゃん、その少女って今何してるの?死んじゃったの...?」

「いや、少女は死んでないよ?神は本当にいたんだ。神は少女を見捨てていなかったんだ!今も少女はどこかで歌を歌いながらリョートを奏でているはずさ。」


ポロロン♪と彼女は手にした楽器を奏でる。


「お姉ちゃん、りょーとって何?」

「リョートは素晴らしい楽器だよ、キレな音色を奏でてくれるからね」

「私もリョート奏でてみたいな!」

「あっはは、そのためには練習が必要だよ?」

「最後に教えて!お姉ちゃんの名前、なんていうの?」

「ただの詩人だよ」

「しじん?変な名前だね?」

「あっはは、そうだろ?」


彼女は楽器を抱き、シャインマスカットを片手に食べながら少女に軽く手を振り、静かにその場を去る。

一話目です!ペースが一週間に一話程度になりそうですが許してください!現在他の新作を作成中で、そっちと並行してやっていこうと思っています!!もし気に入ってくださったら感想・ブックマークをよろしくお願いします!

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