15 ホワイトフィールドナイト(R15)
ほっこりさん「今回もR15っポイこり、要注意こり」
つまりエッチな描写があるのですね。
「今年もあっという間に三月じゃ。三月末から四月頭にかけてクラス別対抗戦が行われる。パーティー戦、個人戦、それぞれの出場者を決めねばならんのじゃが」
ロリィターニア先生はクラス内を見渡す。特に男子たちを。
「その前に、聖ヴァレンティナ祭でチョコをもらった男子はホワイトフィールドナイトにきちんとお返しをするのじゃぞ。定番はホワイトチョコマカロンじゃ」
男子たちの顔色が蒼白になる。
「まさかおぬしら、チョコをもらってセックスをしたらそれでお終いなどとは思ってはおらんじゃろうな?」
プルプルプル。男子たちは激しく首を横に振る。
「倍返しが基本じゃ。マカロンを贈った後にはお愉しみが待っておるぞよ。しっかりと励むのじゃぞ」
ブンブンブン! 首を力強く縦に振る男子たち。
* * *
ヴァレンティナの話には続きがある。戦いに赴く恋人に贈り物をして帰還を願ったヴァレンティナだったが、その願いが叶うことはなかった。そんなある日、ヴァレンティナはホワイトフィールドに迷い込む。そこには亡くなったはずの恋人がいてヴァレンティナに贈り物を授ける。
翌朝、夢から覚めたヴァレンティナは胸に抱きしめたある物に気がつく。
「それがホワイトチョコマカロンだったってわけ」
「スイーツ店の戦略っぽい気がしないでもないけれど、マカロンが食べられるのはよいことですわよねえ」
『ブレス・アウェイ』の女子たちが頷く中でフィリオンの表情は冴えない。
「男子がスイーツ店で買い物をするってのはハードル高すぎじゃね?」
「フィリオンはマカロンを贈る相手がいるの?」
「おう」
「てゆうことは、聖ヴァレンティナ祭でチョコをもらったってことよね?」
「まあな」
「相手は誰ですの? もしかしてロリーナ?」
ロリーナは首を横に振る。
「じゃあアントネッラ?」
アントネッラも首を横に振る。
「まさか……」
「あたちでしゅ!」
コーリス・ウィニーは席を立ち、フィリオンの膝の上に座る。
「それでヤったの?」
「スカーレット、質問が直截すぎますわよ」
顔を真っ赤にしたフィリオンは両手で顔を覆った。
「ヤっちまった!」
「あたちたちステディでしゅ」
「ロリコニアの女の子は積極的ですわねえ」
アントネッラは感心しきりだ。
「行き場のない恋心はニュー・ロリコニックに昇華したというわけね」
小さなため息をついてジョアンはそうこぼした。
* * *
そんなこんなで外出許可をもらってマカロンを買いにスイーツ店へ。
待ち合わせの校門でロリーナがちょっとした問題を起こす。
「なんて恰好をしているのよ、あなたは!」
珍しくジョアンに叱られているロリーナ。
「瓶底メガネと不織布マスクで、『ザ・モブスタイル』ですけど、なにか?」
「なにか、じゃなくってよ。こんなもの付けていたら不審者に間違われるでしょうが」
「そんなあ……。憧れだったのに、モブスタイル」
スカーレットは二人の間に割って入って説明する。
「ロリーナが言うには、外出の度にナンパが多くて鬱陶しいらしいのよ。なんてったって百億の美少女だもん。そりゃあ注目されるわよ。そこで閃いたのが『ザ・モブスタイル』というわけ」
「さすがにこれはないわー。もっとスタイリッシュでモダンな変装方法はないものかしら?」
「魔法で幼女化するというのは?」とアントネッラ。
「ニュー・ロリコニアンにあっという間に攫われちゃうわよ!」
コーリス・ウィニーが異議を唱える。
「ニュー・ロリコニアンはそんなことしないでしゅ!」
「ただのイメージよ。他意はないわ」
苦しい言い訳をするジョアン。ニュー・ロリコニアンが犯罪に走るという根拠は何もない。
「イメージだけで決めつけるのはよくないでしゅ!」
「悪かったわよ」
「オレがいいものを持ってるぜ」
フィリオンがバッグから何かを取り出す。
「ジャジャーン! 悪魔に憑りつかれた少女の仮面。錬成魔法で作ったオリジナルの仮面だぜ」
「げえっ」
ジョアンはどんびきだった。
「とりあえず、メガネとマスクをはずして、この仮面をつけてみな」
言われた通りにロリーナは仮面をつける。
「いいよいいよ、そのまま歩いて、っとそこで振り返って」
首を180度回して後ろを向くロリーナ、恐ろしいほど体が柔らかい。
「恐っ!」
「よしっ! これなら不埒な輩はよってこねえだろ」
「頭痛くなりそうですわ」
* * *
スイーツ店に入るとコーリス・ウィニーがあれがいいこれがいいとフィリオンにおねだりする。
フィリオンは鼻の下を長くしてうんうんと頷いている。
「仲がよろしくてけっこうですこと」
「ジョアン、あたしたちもマカロン買って帰りましょう」
「もちろんですわ。自分へのご褒美マカロンですわ」
「はいはい」
それぞれがお気に入りのスイーツを買って帰路に就く。
校門で別れサロンへの廊下を歩いていると、グイッと腕をひっぱられ人気のない教室に引っ張り込まれる。
「探したよ、スカーレット。外出していたのかい?」
背中には壁、目の前には壁に手をつくパーマー王子、いわゆる壁ドンというやつ。
「『ブレス・アウェイ』でお買い物に出かけていたのです」
「その中には男もいたのだろう? 妬けてしまうな」
「ただのお友達ですよ」
パーマーに顎をクイッと持ち上げられ、唇を奪われる。
「んん……」
舌を絡め合いパーマーの手が体中を這う。気持ちが昂りこのまま教室でセックスに及ぶのかと思いきやふいにキスと愛撫が終わる。
「君の前では自制が効かなくなりそうだ」
スカーレットの胸に白い箱を預けパーマーは教室から出て行く。
「では、また今夜」
「はい……」
教室にひとり取り残されたスカーレットは火照ったカラダを持て余す。
(あのままセックスをしてくれてもよかったのに。一般生徒とは違い殿下はお忙しい方だから時間が無かったのかしら)
カタン。
教室のドアが開き、男の子がひとり入ってくる。
「兄上が出て行くのを見かけたから来てみたのだが、やはりそなたがおったのか」
「ルイス殿下」
「おっ……!」
ルイス王子は目を瞠る。頬をピンク色に染め潤んだ瞳でルイス王子を見つめるスカーレット、制服から覗く手足にはうっすらと汗をかき、甘い香りが周囲に漂っていた。そして何より吐息交じりのかすれた声が色っぽかった。
「きょ……今日のそなたはフェロモンむんむんじゃな」
ルイス王子の股間がみるみる膨らんでいく。
「そのように朕を誘っておいて、よもやダメとは言わぬじゃろうな」
ズボンを脱いだルイス王子のペニスはSよりのXSサイズにまで成長していた。
「どうじゃ、朕の鍛錬の成果は」
「アーヴェは一日にして成らず、継続はXLなり、諦めずに努力し続ける殿下は素晴らしいと思います」
両腕を伸ばしスカーレットは殿下を抱きしめた。
ルイスはスカーレットの顎を持ち上げキスをする。耳から首筋へ舌を這わせ、はだけた制服の間からブラを取り外し胸を揉みしだきながら乳首を吸う。
「あっ……」
乳首を転がされ声が漏れる。
抱き合い、愛撫を続けているうちに、ルイスのペニスはMよりのSサイズにまで成長した。
「すごい……」
(既にXLとして完成しているパーマー様のペニスと違い、成長過程の真っ只中にあるルイス様のペニスは驚嘆に値するわ。パーマー様が天才型だとしたらルイス様は努力型と言えるのかもしれない)
ルイスはスカーレットのふとももを持ち上げ、既にぬれぬれになった膣口に成長したペニスを押し当てる。
「よいな?」
「どうぞお挿れ下さい」
ゆっくりと挿入するパーマーと違い、ルイスは一気に奥まで突き刺す。
「あうっ!」
ルイスの腕の中で反り返ったスカーレットの股間から大量の愛液が零れ落ちる。
「すごいのじゃ、こんなの初めてなのじゃ!」
何度も奥まで突き上げられ、スカーレットの声がかすれていく。
「だめです……ルイス様……もう逝きそうです……」
「逝くがよい。朕も一緒にゆくぞよ」
「あっ……ああああぁぁぁぁーーーーっ!」
【ルイス殿下の精液の量はパーマー殿下の半分にも満たないが、将来的にはそれを凌駕する可能性を秘めている】とこの後、護衛や侍従の間で噂になった。
セックスが終わり、ふらつくスカーレットを椅子に座らせ、ルイス王子は真紅の髪を手に取りキスをする。
「夢のようなひとときであった。朕はもうそなたなしでは生きられぬ」
そう言い残して白い箱をスカーレットに渡したルイス王子は二人の護衛とともに去っていった。
ちなみにセックスの間、教室に人が近づかないように二人の護衛がしっかり見張っていたのは言うまでもない。
寮に戻り二つの白い箱を開けてみると、中身はどちらも最高級のホワイトチョコマカロンだった。
もういっそのことR15推奨にしちゃったらいいのでは?
ほっこりさん「それをやるとほっこり学園じゃなくせっくす学園になってしまうこり」