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政治経済エッセイ

「経験と安定感」で代表に選ばれた野田佳彦氏について

作者: 中将

筆者:

 本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。


 今回は23日の立憲民主党臨時党大会で代表に選ばれた野田佳彦氏について語っていこうと思います。



質問者:

 野田さんは早稲田大学政治経済学部を卒業し松下政経塾1期生、1993年に初当選を果たして通算9期当選、財務大臣を経て2011年から1年3カ月は内閣総理大臣を勤められました。



筆者:

 なお、今回の公約については野田氏が直接話されている9月6日の党代表立候補時のお話(読売新聞)と23日に代表就任時のお話(日本経済新聞)を踏まえて話していこうと思います。



◇政治改革

 政治改革を「一丁目一番地」と位置付けた。


 具体的には、企業・団体による献金、政治資金パーティー券の購入を禁止するほか、国会議員の世襲制限や議員定数削減、自民に裏金事件の再調査、企業・団体献金の禁止や政策活動費の廃止、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開といった抜本改革を行う。


 また、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党との親密な関係に関しても、「組織的な関係があったと見なさざるを得ない」と再調査を厳しく求めていく。


 官房機密費についてはありませんが、おおよそ盛り込まれており実行できれば85点の内容と言えるでしょう。

 

 ただし立憲民主党自身でも党全体で実行できていないことが多く、大風呂敷を広げていると言えます。

 

 まずは自身の党から着手することで「実効性がある」と国民が評価することになると思います。



質問者:

 確かに内容が良くても実行できなくては意味が無いですよね……。



筆者:


◇外交・安全保障政策

 日米同盟を基軸に従来の政策の基本を踏襲するとした。


 ただ、集団的自衛権の限定的な行使を容認する安全保障関連法に関し、立民の従来の立場を踏まえ「違憲だ」と強調した。同時に「一気に180度転換するようなことはできない」とも述べ、日米同盟への影響なども考慮した上で慎重に対応する考えも示した。


 また、岸田政権で決定した防衛力強化のための増税は否定した。


⇒ 

 可もなく不可も無く50点と言うところです。党是を踏襲しつつ転換できないという「ゼロ回答」に近い内容と言えますが、極端に酷くならないとも言えます。


 ただし、今の自民党政権の広い意味での防衛も中国に忖度していることが多く、引き継ぐことは「弱腰」という事も意味します。



質問者:

 野田さんは尖閣諸島を国有化したことは良いことだと思うので、折角なら更に防衛強化して欲しいところですよね……。



筆者:


◇他の党との連携・候補者調整

 基本的に世論調査で、われわれの候補者の方が支持率が高い。自分たちの候補者が当選できるよう後押しする。自民派閥裏金事件に絡み、大物議員、安倍派、二階派の幹部の選挙区で有力候補を当てていないところがある。まずそこを埋める。有権者に選択肢を与え、自民にペナルティーを与える環境をつくる。


 問題外と言うか認識が違います。野田氏が根本的に勘違いされていることがあるのですが、候補者を立てることは「ペナルティー」ではなく民主主義の政権交代を狙っている政党においては「当り前」ということです。


 11月総選挙もささやかれる中、今から突然立候補を表明してもかなり厳しいでしょう。

 かねてから候補者を用意して来なかったしっぺ返しが今、立憲民主党に対して来ているという事です。



質問者:

 そもそも政治資金の問題が起きても「野党第一党」を狙っていたような政党ですからね……。選挙がいよいよ切羽詰まってきてからそんなことを言われても困りますよね……。



筆者:


◇経済対策(なんと経済対策についてはほとんど無かったので今年中にあった野田氏の発言を他の記事からも引用しています)


・予算編成―予備費や基金の乱用はやめさせる。財政民主主義に反する。(9月6日)

 

・日銀の利率―利上げについては遅すぎる判断だった。2%の物価安定の目標を超える物価上昇は22年4月以降、続いていたので直後からYCCの歪みを正すことくらいはできたのではないか。(4月25日)


 ・消費税―安易な消費減税しない。(8月29日)経済が厳しい時には下げる議論があってもいい。(9月23日)給付付き税額控除の導入を行う(9月6日)。


 0点――いや、マイナス100点ぐらいです。財務大臣だったのに(だからこそ洗脳されたと言う見方もありますが)も関わらず全く何も見えていないと言えます。

 まず、予備費は別に乱発するためにあるのではなく地震などの災害に備えているんです。

 

 次に「インフレ物価目標2%」というのは経済学上達成できていません。本来であればまだ利上げをしてはいけない段階です。行き過ぎた円安対策は減税であり、利上げで行うものではありません。

 

 最後に消費税については低所得者ほど厳しい状況にも関わらず下げる・廃止の議論をしないのは異常と言えます。給付付き税額控除は所得の認識に手間がかかるために非常に問題があると感じています。


 そもそも、世界的に見ると日本は4指標を総合すると財政的にはいい国であり、もっと財政出動をしてもいいという状況であることが全く見えていません。



質問者:

 野田さんこそ消費増税の旗振り役でしたからここは絶対に守りたいという事なんでしょうかね……。



筆者:

 いわゆる、民主党政権末期12年6月15日にあった、民主党・自民党・公明党においてなされた「三党合意」というやつですね。


 正式には「社会保障と税の一体改革に関する合意」と言われているものです。


 この一件に関しては「社会保障の充実」が謳われていたわけですが、

 これ以降も年金は下がり、一体改革の中にあった子育て支援は大したことなく、出生率は低下し、最近新たに実質的な増税が決まりました。


 消費税は目的税では無いために一概に使途についていう事はできませんが、直後にあった法人減税とほぼ同額だったために「法人減税の穴埋めに使われた」と言うのが事実としてあります。

 

 更なる失われた10年を作り出した張本人と言えると思います。


 それも民主党が政権を奪取するときには増税はしないとあったにもかかわらず行ったために「公約違反の最大の立役者」とも言えます。


 未来のことについては分かりませんが、

 良さそうに見えることすら何かにつけて言い訳をし、大きく改悪したり実行しなかったりする可能性が大いにある人物であると思ってしまいます。



◇「安定感」の恐ろしさ



質問者:

 しかもその後の選挙では大敗しましたよね……。よくそう言う人をまた選ぶなって思います。



筆者:

 どの記事でもあるのは「経験」や「安定感」と言ったワードです。


 野田氏や23日の代表選の日の演説では、


『朝顔は、早朝にかれんな花を咲かせるが、日が当たる前の夜の闇と、夜の冷たさこそが一番大事だ。立憲民主党は、強い自民党・公明党と戦って、勝ち続けている人はほとんどいない。われわれは、夜の闇と夜の冷たさを知っているから、ほのかな明かりとぬくもりがありがたいと思っている。』


 と、ご立派な文学的表現をしていますが、夜の冷たさを知っていてもそれが日本にとって良い結果として反映されなければ何ら意味もありません。


 「とんでもない経験の再来」や「安定的に日本を没落」させては意味が無いからです。



質問者:

 特に今最大の課題と言える経済対策について大きな不安があるのは懸念点として大きいですよね……。


 しかし手厳しい指摘ですね……。



筆者:

 僕が立憲民主党に厳しいエッセイを多数公開しているのはこれでもある程度は期待しているからです。

 政権交代に見込みが無い政党に関してはほとんど言及しませんからね。


 政権交代に向けて大事なのは今の日本の閉塞感を打破するような革命的な政策とそれに対する実効性の担保です。


 野田氏は例え首相になったとしても、実効性担保に疑問があり、「財務省の犬」として再び増税する可能性が高いことを本当に懸念しています。


 僕としては野田氏より消費減税を訴えていた吉田氏の方が政権交代できる可能性があった気がしましたけどね……。



質問者:

 兎に角誰でもいいので日本を良くしてほしいですよね……。



筆者:

 現状では現役政治家全員が雷が打たれて頭の中にパラダイムシフトが起きてくれるぐらいしか可能性はない気がしますがね……。


 取り敢えずは僕は言論で変えていこうと日々マメに成果が出なくても地道にやろうと思いますけどね。


 ということで今回はここまでご覧いただきありがとうございました。


 今回は野田氏の公約分析と「財務省の犬」になってしまう可能性について考察してみました今後もこのような政治・経済、マスコミの問題点について個人的な解説をしていますのでどうぞご覧ください。

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