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残念美人さんはヤバい人でした ※挿絵

--双子--

残念美人さんが思った以上にすごい人だと判明したり、初めての街と、初めてのたくさんの人といろんなお店。

そこにやってきた。

門番っていう町を守る人が残念美人さんを見てなんか騒いでたけど。


そして今は、残念美人さんは残念ぶりをこれでもかと披露してる。


「あぁ・・どうしよう!服!?ご飯!?カード!?どれが先なの!?美容店で髪を整えたりしてもらうのが先!?かわいい服を着せてかわいい姿を見たい!いやいや、色んなおいしいものを食べさせて少しは緩んだ表情が見たい!いやいやいや、証明書を作るのが先!・・あぁでも、基本だと宿をとるのが先!?でも、他を後回しにしたくない・・いや、売るもの売ってお金の確保から!?でもある程度は持ってるから後回しでも良い!?でも欲しいものが高かったりたくさんあったりしたときにその間で換金してる間に取られたら困るし!あぁ、もーどうすればぁ!?分身すればいい!?だとしてもこの子たちは分身出来ないし私は分身出来ない!

じゃあ、この子たちを分身させる!?いや、無理だし!」

周りが微妙に距離をとった状態で何だこの人と言いたげな顔で見てるのも何のそのと言う感じでさっきからずっとこれ。

すごくきれいな人なのに、これでもかといろんなこと叫びながら百面相しつつ頭を抱えながら振り回しているせいで、それに合わせておっきなお胸も揺れてるから周りの人たちがすっごい見てるのに気づいてないし。

(残念美人さん、すごい表情豊かだよね。)

(見てて面白いよね。どうすればあんなに表情豊かになれるのかすごく不思議だけど)

(だよね。)

(でも、悩んでる原因私たちだよ?)

(正直どれを先にすればいいと聞かれても困る。)

(だよね。)


「あぁ・・あの美人の姉ちゃんは君たちの連れかい?」

こぎれいそうなおじいさんが苦笑いしながら私たちに声かけてきた。

((コクリ))

「そうかい・・何をどうすればあんな1人でリアクション祭りをしてるんだい・・。周りからものすごく注目されてるのも気づいてなさそうだし。」

とりあえず、自分たちの髪と服をピロピロと揺らして見せる。


「む?・・あぁ、君たちに案内したい場所がたくさんあるが、やるべきことも大事な用事もあるがゆえにどれからやればいいかわからずにあんな愉快なことになってるのかい。」

おぉ、このおじいさんすごい、一瞬で理解した。

((コクリ))

「そういうことかい・・しょうがない。」

そう言いながらおじいさんが残念美人さんの元に近づいていき、声をかけた。

「ほれ、こんなところで何を1人で騒いでおるか。」

「あ"ぁ?何!?」

ものすごくドスのきいた声でメンチ切りする残念美人さん。

「落ち着かんかい。お主の大事な連れが呆れておるだろうが。」

「はっ!」

凄い。

一言で落ち着かせた。

後、あのドスのきいた声で周りにいた人たちは全員恐れて、距離をとってたり、一部へっぴり腰になってる人すらいるのにおじいさんは全く気にしてない。

「とりあえず、近くのカフェにでも行くか。そこでお主は頭を冷やしてリスケせい。」

(りすけって言うのが何かわからないけど、落ち着けってことでよさそう?)

(たぶん)

「・・はい」

「ほれ、お主らも行くぞ。じいちゃんがおいしいモノをごちそうしよう。」

((コクリ))

このおじいさんは、信用出来るから素直に従う。





で、私たちはおじいさんに連れられてカフェ?ってところでプリンと呼ばれるプルプルして甘い物体と、

クッキー?とか、フィナンシェ?とかの焼き菓子?とかいういろんなのが詰め込められた大皿と

いろんな果物を絞ったミックスジュース?とか言うのをごちそうしてもらって食べてる。

その間に、紅茶とブラックコーヒーとか言う飲み物をそれぞれ頼んだおじいさんと残念美人さんは会話してるのを聞いてる。

「つまりは、この子らを着飾ることを優先するべきか、ギルドカードの作成や宿の確保や換金して資金の確保を優先すべきか、食事を先にするか悩んでいたと?」

「・・はい」

「はぁ・・気持ちはわかるが、まずはこの子らの様子を見てからこの子らが興味を持ったモノから順でよいじゃろうが。この子らに聞いても困るだろうしなぁ。」

「ごもっともです。」

「まぁ、ワシならギルドに先に行くぞ。」

「冒険者登録を先にすると言うことですか?」

「それもあるが、宿も行きたい店もやりたいこともそこで評判のよい場所にすれば良いだろうが。」

「ハッ・・!」

「そもそもここに来たばかりでどこに何があるか知らぬ状態で無駄に彷徨いてこの子らを疲れさせる気か?」

「・・そうでした。」

(凄いね。このおじいさん)

(ね。残念美人さんが悩んでたのが全部解決しちゃった。)

(それに、これどれもおいしいね。)

(ね。やっぱり私たちってこれまでが酷すぎたのかな?残念美人さんの反応からして)

(同感。)


「そもそも、この子らの様子を見た限りどう見ても訳あり。それなら事情の説明をして安全確保もそのままギルドですれば良いだろうに。」

「確かに・・。そうでした。」

舞踏爆弾魔ダンシングボマーで、虹の公爵令嬢で、ギルドの懐刀が情けない。」

(残念美人さん、どれだけ呼び名があるんだろう?)

(思った以上にすごい人なのは確かだけど、後で全部喋らせようね。)

(だね。面白そうだし。)

((コクリ))

ちなみに、シレッとごちそうしてもらったモノを全て完食してたらなぜか近くにいた残念美人さんと同じくらいの年のカップルさんたちから追加で果物が埋め込められてるカラフルなゼリーをごちそうしてもらった。(なぜか幸せそうだったけど)

「ちょっ!なんで知ってるんですか!?それも全部!」

「はっはっは!ワシを舐めるな。これでも商会長だ。そのくらいの情報など造作でもないわ!」

「商会長!?・・あ!」

(このおじいさんもすごい人?)

(そんな感じだよね。私たちのことをほとんど喋ってないのにかなりわかってるっぽいし。)

「何だ。気付いておらんかったのか。」

「いや・・ギルドの仕事とギルマスを裏で操るのに忙しくて・・」

「操るてお主な・・」

もらったゼリーも完食して呆れた表情になってたおじいさんの裾をクイクイと引っ張り、紹介しろと催促。

「む?あぁ、そうだったな。自己紹介がまだだったな。ワシは、マルシャン。マルシャン商会の商会長というあらゆるモノを売っている店の一番偉いじじいだ。」

(ほほう。)

(欲しいものは、このおじいさんのお店で探せば全部ありそう?)

(それっぽい。残念美人さんが言ってたみたいに武器とか服とかのそれぞれお店をあちこち行かなくても良さそう。)

(便利だね。)

(残念美人さんの反応的にかなり凄いところみたいだね。)

(ね)

「まさか・・あのどの大陸のどの国でも見かけるほどの大規模商会・・マルシャン商会の商会長さんだったなんて・・。なんでそんな偉い人がこんなところに1人で・・。」

「お主に言われたくないわ。アルカンシエル国のイーリス公爵家の次期当主。」

「・・ホントによくご存じですね。」

「当然じゃ。あのアルカンシエル国の中でも、ずば抜けた者たちが集うイーリス公爵家の中で史上最年少で次期当主と太鼓判を押されたお主のことを知らぬはずがないだろうが。」

「うぅ・・・。」

おじいさんに詳細を教えてもらうように裾をクイクイ。

「ん?あぁ、お主らはしらんかったのか?」

((コクリ))

「じゃあ、ワシが教えよう。」

「ちょっ・・」

お姉さんのやめてくれと言う視線なんてなんのそのという感じでおじいさんは教えてくれた。


まず、アルカンシエル国とは、この世界に大きく4つ

春・夏・秋・冬の大陸があり、

それぞれ

春:薬草や花などが良く採れる暖かくて穏やかな気候の大陸

夏:火山が活発で非常に暑いが鉱石がたくさん採れる大陸

秋:木の実や山菜、野菜に果物など、食べ物が非常に良く採れる春の大陸よりやや涼しげで穏やかな気候の大陸

冬:雪と氷に覆われた極寒の大陸だが宝石がたくさん採れる大陸

このような特徴を持つ。


その中で、今いる春の大陸の端っこではなく、

秋の大陸にある大きな国の1つがアルカンシエル国。

この国は、料理や絵画、歌に演奏など、幅広い範囲の芸術や技術を高め合う者たちが集まる国。

その中でも、その国の王族は初代から歴代続いて多くの天才を輩出してきた世界中でも大変有名。

その才能は、武術から芸術、知識から技術までそれぞれの分野で特化してきた者たちがいる。

どの方面の才能になるかはその本人が興味を持ち始めるまではわからず、初代から代々かなりの広範囲で手をつけた者たちがいるため、どの方面の才能持ちなのかは推測で決めるのはほぼ不可能と言われている。


そんな中、国である以上、政治方面でも優秀でなければ国としては生きていけない。

その国を大きく支えており、初代から実力のみで先祖代々、王族を支える宰相として国を支え続けてきたのが初代国王の弟で自ら王族の地位を降り、生涯国を支え続けてきた者の子孫であるイーリス公爵家。


貴族はそれぞれ一番下から、男爵・子爵・伯爵・侯爵・公爵となっている。

平民がファミリーネームを持つことを許された時点で、男爵になる。

そこから様々な功績を残すことで、順に階級が上がっていくのだが、公爵家だけは別。

この階級は、王族の血筋の者が王族から外れ、貴族として国を支える際に捧げられる階級のため、他の貴族階級とは全く異なる。

その中で、現代のイーリス公爵家は、その国の中でも最も有名だ。


まず、現公爵家当主は様々な楽器を使いこなす吟遊詩人としても有名だが、武人としても非常に有名なその国トップレベルの武闘派で、武闘派な者たちから非常に大人気。

公爵家夫人は、オペラ歌手としても有名だが、魔法の扱いが非常に優れた実力者で国内の魔法使いであればあこがれの的。

そして、その当主と婦人は揃って宰相としても、公爵家としても、知識・頭脳共に王族が全面的に認めており、困ったときはとりあえずイーリス公爵家に頼れと王族が堂々と言い放っているのは非常に有名な話だ。

そして最後に、そんな当主と夫人が溺愛している愛娘であり一人娘でもある、男性から女性まで幅広い声音で圧倒的な歌唱力を持つこととその美貌から”虹の公爵令嬢”と呼ばれ、

その国の隣国のトロータ国のギルドでギルドマスターよりも最も恐れられ、圧倒的な情報収集能力とわずかな情報から真実を見抜く解析能力から”トロータ国ギルドの懐刀”と呼ばれ、

トロータ国を3年前に襲った大規模スタンピートをたった1人で当時Sランクに上がったばかりにも関わらず、300を超える数のAランクの魔物を殲滅し、Bランク以下の魔物の大半すらも壊滅させたその魔法の圧倒的な火力と魔力を尽きても華麗に戦い続けたことから”舞踏爆弾魔ダンシングボマー”と呼ばれた。


「で、そんな3名を慕い、集まったメイドや執事、騎士達はその国トップレベルの実力者揃いであり、個々人の情報収集能力も優れているんだ。と言うわけで、簡単に言えば、この嬢ちゃんを敵に回せば滅ぶのは必須と言われてるのさ。」

ほほう。

「あぁ・・・ホントに全部知ってるじゃないですかぁ・・」

残念美人さんは頭を抱えて顔を真っ赤にしてのたうち回ってます。

「有名だからなぁ。故に、お主が冤罪でトロータ国から追い出され、財産を全没収されたことは既にお主の実家は把握済みで家族総出でトロータ国を滅ぼそうとしておるぞ。」

「!?」

「聞いた話によると、トロータ国の方から簡単に情報が集まったとか、国内から切り崩すのは余裕とかなんとか。」

「・・・ギルマスぅぅ!!」

「あぁ・・トロータ国のギルマスか。確かお主を妹のように溺愛しながらかなり頼られていたと聞いておったが。」

「はい・・何度、この人って実の兄だったっけ?と思ったことか・・。あの国を追い出された時も、死にそうな顔してましたし。」

「あぁ・・なるほど。後、トロータ国の公爵が相当の屑だったとか?」

「はい・・国を出た後、性奴隷として捕まりそうになりました。」

「ブフッ!・・は!?そこまでやらかしていたのか!」

「やらかしましたよ!しかも、ギルドでふざけた依頼を出したのはあの屑公爵だったから我慢せずにオブラートに包まずに暴言吐きまくったら暴言吐いた私が悪いってことになった挙げ句、私の無実を証明しようとしてくれた他のギルド職員達に対してギルドごと潰そうとするし、あの国の国王が兄弟で贔屓してる有様で、話にならないし!!

だから、私は全財産を捨てて、自ら国外追放されることで他のみんなを守ったんですよ!!

・・・嫌がらせで城と屋敷と城壁を半壊させて、エロ親父が私に言ってきた依頼内容を録音してた魔道具を複製しまくって国中にばらまいたり、宝物庫と食料庫を消し炭にしたけど。

だと言うのに!!あのくそじじぃ!!!

文字通り私兵諸共消し炭にするために大暴れしてやったら途中でドラゴンがやってきて代わりに消し炭にしてくれました。そしたら、私をなぜかかわいそうなモノを見るような目で見たかと思ったらそのまま咥えて連れられて、途中の森に投げ捨てられました。」

「・・・お主はお主で愉快なことになっているし、それなりに仕返しをしているな・・公爵令嬢とはいえ身分無視か。それにドラゴンにそんな目で見られたとは・・どれだけ可哀想なことになっていたんだ。」

「・・わかりません。なぜか私を殺さず、食べもせずにそんな風に見える目でジッと見てましたし。」

「まぁ、話は逸れたが。今、トロータ国は荒れに荒れまくってるぞ。王族は風前の灯火、それに付随してた公爵を始め貴族の大半が国諸共滅ぶ寸前で、かろうじて敵認定されてない一部の貴族が頑張ってお主の実家のターゲットをトロータ国そのものから一部の王族と貴族だけでダメージを減らそうと頑張っておるよ。」

「うわぁ・・まぁ、いいや。とりあえず、実家には立ち寄ろうと思ってたのでのんびりと目指すことにします。とはいえ、この子達が最優先ですけど。」

「それだ。この子ら・・一体何があった。」

「この子達しゃべれないので、私の推測も混ざりますが。」

「・・構わん。軽く見ただけで最悪の状況しか思い浮かばんからな。」







「はぁ・・・。かなりヤバいではないか。」

お姉さんによる私たちの状況の推測(ほぼほぼ正解)を聞いておじいさんが頭をなぜか抱えている、もぐもぐ。

「そうなんです。・・だから、そいつらを見つけたら消し炭にする予定です。」

お姉さんは、敵に攻撃すると決意したらいつも消し炭にすると言ってるので、お姉さんの決め台詞なんだと思う、もぐもぐ。

「消し炭にするのは、徹底的に罪を償わせてからにしろ。ただ消すだけではもったいないだろうが。」

「それもそうですね。」

「ふむ・・。とりあえず、ワシの店でモノを揃えてからギルドに行けば良いだろう。宿もワシの知り合いが経営している場所がある故にそこを招待しよう。換金も、ワシの店でやれば良い。色つけてやるぞ。」

「助かります。」

「とりあえず、売れるもん全部、ワシの店で見せてもらおうか。」

「お願いしま・・す!?」

「ナニを見て驚いているん・・だ・・・」

((?))

なぜか2人揃って私たちの方を見て口を開けたまま固まってる。

ちなみに周りの人たちも同じ。

「いや・・君たち、お揃いで可愛く首を傾げてるけど・・どんだけ食べてるの?」

((?))

どれだけって、2人が頼んでくれたプリンってやつと、焼き菓子がいっぱい乗った大皿と、

その後、周りの人がくれた

果物入りゼリーと、唐揚げ?って言うのと、

お魚のフライ?ってやつに、大皿のサラダに、

カットフルーツ盛り合わせに、お総菜パン?5個ずつ、ソーセージ、厚切りハムと、厚切りベーコンに厚焼き玉子にオムレツ、その辺りを食べ尽くした辺りからどれだけ食べれるのか調べたいって言い出す人がいて、そこから

厚切りステーキが5種類に、私たちの両手をいっぱい広げてもそれよりもおっきなパンが5個、

具だくさんなスープがどんぶり3杯と続いて、

栄養バランスがどうのと言い出す人がいて、

大皿サラダが数回、果物の盛り合わせが4回、

栄養たっぷりな薬草茶が合間に入ってきて、

最後に牛乳を冷やして固めてプルプルにしたバケツプリン?って言うの食べ終わったところが今。




って言うのを、周りで見てた人たちが教えてくれた。

ちなみに、これだけ食べ尽くしたけどその功績?で、周りの人が良いモノを見たとか言っておごってくれることになったよ。

「・・・お主らの腹の中はどうなってるんだ。」

「よくよく思い出したら、道中、食料集めでジャイアントラビットを3羽倒したのを1晩で食べ尽くしてたかも。他にも、木の実とか山菜とか色々用意してたけどそれも全部・・。」

「いや・・ジャイアントラビットと言えば1羽だけでも肉が5キロは軽く取れるぞ?」

あのおっきな兎さんですね。

シンプルに焼いただけ(らしい)アレは、おいしかったです。

追加して、一緒に飛んできたお野菜もおいしかった。(フライングベジタブルって言う魔物らしい)

「まぁ・・私も空腹だったから1羽くらいは1人で平らげてましたが・・。」

「お主もお主で見かけによらず大食いだな・・。」

「けど、気のせいでしょうか?」

「何がだ?」

「この子達の髪が、さっきよりもつやつやになってる気がして・・。」

「む?・・言われてみれば・・確かに。」

(どう思う?)

(確かに、村を出た時よりは髪ぱさぱさしてないよ。)

(前よりも触ってたいって思う感じだよね。)

(たくさん食べたからかな?)

(たぶん。)

(いろんなの食べたからだと思う。村にいた頃は、こんなに色々食べてないし。)

(だね。たぶん、お腹いっぱいになる前に体が全部持っていっちゃったから髪はつやつやして、お腹もいっぱいになってないんだよね?)

(同感。たぶんもう少し食べ続けたらお腹いっぱいって思うようになるんじゃないかな?)

(体の方がもういらないってなったらってこと?)

(たぶん。)

(確かにそうだね。)

((コクリ))

ちなみに、もし双子の言うとおりだったとしてもそんな食べて数分で体に吸収され、見た目に変化があることはあり得ないのだが、双子は気にしないし、保護者枠2名は双子の詳細を知らないので追求が出来ないジレンマに襲われている。

「まぁ・・良いだろう。とりあえずお主ら、腹は痛くないんだな?」

((コクリ))

「それなら良い・・この子らにおごってくれたお主らも感謝する。後でワシの店の割引券を代わりにこの店の店員経由で渡すようにする。今日帰る際、店員に名前を伝えておいてくれ。その人数分用意する。」

そして、おじいさんのお店にやってきました。



そこはものすごくおっきくて立派な建物でした。

どうやら区画によって、ものの買い取りから各種類の販売を分けてるようだ。


そして、お姉さんが私たちと出会うまでにため込んでいたものと、

ここに来るまでにかき集めたものを全部売りました。

「おいおい・・どれだけ溜め込んでんだよ・・ほう、さすが舞踏爆弾魔ダンシングボマーだな、解体も丁寧で完璧だし、採取されたのも処理は完璧。そして何より、どれも高ランクだったり、希少なものばっかだ。」

「お金にはそれほど困ってなかったから無理して売る必要もなかったのよね。それに、捨てるのも勿体ないし、だからちょうどいいからこの子たち用に全部手元の整理しちゃおうかと。」

「・・規模がちげぇ。まぁ、良いか、どうする?内訳聞くか?」

「いらないわ。」

「じゃあ、結論だけ。白金貨5枚、金貨170枚、銀貨758枚、銅貨983枚で、色付けて、銅貨をなし、銀貨を800枚ちょうどに。」

「あら、かなり色付けてくれるのね。」

「正直言うと、あんたほどの人が利用している店だって認識されるだけでもこっちは十分利益あんだよ。それに、あのスタンピートであんたに助けてもらった奴らはこの店には結構いるからその礼も兼ねてる。」

「それなら、余計なことは言わずに受け取っておくわ。」

「・・・やっぱ、かっけぇ。」


ちなみに、お金の単価は、

銅貨1枚:パン1つ分(異世界人が言うところの100円くらい)

銀貨1枚:銅貨1000枚

金貨1枚:銀貨1000枚

白金貨1枚:金貨1000枚

黒金貨1枚:白金貨1000枚

こんな感じらしいよ。



と言うやり取りの後、私たち用の服を用意してもらった。

そして、お姉さんから要望はあるかと言われたから、

あの鳥さんからもらったマントは絶対手放さないってことと、

髪の長さから服まで全てお揃いで

動きやすければ後はどうでも良いと言った結果、


ノースリーブのシャツ

太ももが半分くらいは見えるほどのショートパンツ

オーバーニーソックス

ジャンプ・ブーツ

二の腕をぴったりと覆うように外付けしてる付け袖


これらは全体的に黒を基準としたもので、軽くて動きやすくてひらひらとかもついてなくてすごくシンプルだけど、すごくいいと思う。

聞いた話によると、魔法を付与?してるらしくただの布ではなく、そこらの金属防具より頑丈なんだとか。

まぁ、重たいものをもらっても重たくて動かせないし動けないけど。

効果はシンプルに、ひたすら軽くて頑丈であること、

靴は、足の疲れを軽減させ、どんな足場でも歩きやすくして匂い除去だとか(最後のいる?)


他にも、私たちの髪を切ってもらったりした。

長さは変えずに整えるだけらしく、確かに見た目は長さは変わらずお尻くらいのところまで真っ直ぐある。

けど、足元には大量の切られた髪がある。

この落ちてる髪は一体どこにあったのやら。


ついでにお姉さんも、よれよれな服を着てたから強制的に私たちと似たような恰好に着せ替えさせられてた。

お店のお姉さん方に攫われてたよ。

ただ、谷間が見えてる少々首元がすーすーしてたり、(時折おへそがちらちら見える)

靴が私達のよりも金属が多かったりしてごつかったり、

やたらとごついグローブ(ファイティンググローブ)だったり、

膝と肘に金属の防具を付けてたりするけど。


お姉さん、いつも後ろにまとめてる髪に突き刺してる棒(如意棒っていう伸び縮みする武器)を振り回す戦いが多いけど、時折相手を殴り飛ばしたり蹴り殺したりしてるからそれ用なんだと思う。



後は、よくわからないけど旅をするなら必須なものから、

野営するときに便利なものとかあると便利なものとかを片っ端から購入しまくったり、私たち用のマジックバッグ(ウエストポーチ)を2つ買ってくれた。

どうやら、見た目は私たちの顔くらいなのに、10メートル×10メートル×10メートルまでなら入るらしく、その範囲内であればどれだけ入れても重たくないのだとか。

と言っても、必須なものは予備と言う感じで基本はお姉さんが持ってるやつを使うからあくまでも緊急時のためで買ってるものと、あれば便利というのと、1人1つは持っておいた方が良いものとかをメインで買ってるだけらしい。


お金はさっきの白い金貨が全部吹っ飛んだだけで、あの時売らなかったものを現物でお店の人に渡したり、お店の人が感謝のしるしとかで安くしてくれたりしてその値段に収まったというのが正解。

後は、商会長のおじいさんが全部半額で良いって言ってたから、と言うのもある。

だから、マジックバッグだけはこのお店にある最高級品を安く買えたとお姉さんホクホク顔だった。


「いろいろとありがとうございました。」

「いやいや、こちらも色々と情報をもらえたからな。その分も兼ねている。」

「まぁ、勤めてた役職的にそのくらいの情報はたやすいですよ。」

どうやら情報だけでも、お金になるらしい。

ついでにもらった、小さなピンバッチはおじいさんのお店に行ったときに見せれば、どの商品もある程度安くしてくれたり、色々と贔屓してくれるようになるらしい。

それが情報代のようだ。

「まぁ、頑張りなされ。」

「はい。」






「さて、色々揃えることが出来たし、ある意味本命のギルドカードを作るためにギルドに行こうか?」

((コクリ))



--商会長--

やれやれ・・。

あの公爵家の嬢ちゃんもだが、最近の若い連中はせわしないな。

双子のちびっ子相手にわーきゃー言いながら好き勝手に着せ替えしようとしたところを嬢ちゃんがちびっ子の精神がかなり不安定で、ヘタな刺激を与えて何をやらかすか、分からないと言うことで引き留めつつ一切喋らない幼児&幼女相手に要望を聞き出してその要望に一発で応えて対処するという離れ業を駆使。

そして、さりげなくちびっ子からの信頼度を上げて、完了と思いきや、

嬢ちゃんの服があまりにもよれよれで、ちびっ子相手に色々出来なかった鬱憤をこれでもかと嬢ちゃん相手に発揮して、結果的にちびっ子達とお揃いっぽい格好になっていた。


正直、嬢ちゃんが可哀想だった故に言わなかったが、あのちびっ子達・・嬢ちゃんのことを残念な人と認識してたっぽいぞ。

今回の服装選びや騒ぐスタッフ連中を宥めたりしていた点で評価は上がっていたようだが。


さて、とりあえず我が社と嬢ちゃんの実家とは一応交流はしているし、取引もしているからな。

嬢ちゃんの無事と現状の共有の手紙でも出しておくか。

後、我が社と精通している信頼出来る場所全体にあの子らは、丁重に扱えと通達しておこう。

双子ちゃんイメージ図。

挿絵(By みてみん)

スタイルは、一応数年後の女の子の方。

男の子は、基本見た目と背格好は同じでスタイルだけが性別的な関係で違うという感じを想定。

服装もザックリパンツスタイルの動きやすい格好で異性でお揃いを想定してそんな感じというザックリとしたイメージです。


次回に、残念美人さんのイメージ画像を投稿したいと思います。

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