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拾った残念美人さんはすごい人でした

--残念美人--

んん?

なんか馬鹿にされた気がする・・。



色々あって勤めていた場所どころか国を追い出され、変態エロ親父達にいやぁんなことされるために捕まろうとしたけど自爆特攻で無事に脱出出来たモノの森の中で生き倒れて動けなくなっていた。

そんなときに、凄い頻度でつんつんされる衝撃で目を覚ました。

・・訂正。

目を覚まさせられた。


全身が正座後みたいにヤバいことになってる状態でつんつんされて嫌でも目が覚めたよ!

良いけどね!?

捕まって売り払われたり生娘を卒業させられるよりは圧倒的に良いけどね!?


で、気合いと根性でつんつんする犯人の面拝んでやる!

と動かない体にむち打って頑張って顔を上げると



「・・・・」

「・・・・」




えっと・・どうしよう。

めちゃくちゃ可愛い双子ちゃんがいる!

え?

マジで?

私の目、とうとうおかしくなった?


一度ゆっくりと目をつぶって深呼吸して、もう一度目を開ける。


「・・・・」

「・・・・」



ヤバい・・やっぱりいる。

すっごい可愛くて将来とんでもない美少年と美少女になるだろう双子ちゃんがいる。

気のせいじゃなかった。

やたらとボロボロな服を着てるのにその上から大人用のマントを2人で仲良く抱きしめ合った状態で羽織ってジィッと私のこと見てる。


しばらく見つめ合ってると双子ちゃんは不思議そうに揃ってコテンと首を傾げる。



可愛い!

超可愛い!!


けど、1つ言って良いかな?

なんで、飼い猫でよく見るような手を伸ばしてもぎりぎり届きそうで届かない微妙な距離のところにいるのかな?

そのくせ警戒してるようには見えないきょとんとした表情・・警戒心が強いのか強くないのか・・。


そして、双子ちゃん達は何を思ったのかおもむろに木の枝をその辺から拾い出して、

私をつんつんしようと・・


「わかった!話す!事情を説明するからつんつんはやめようか!」

(?)

なんで?と言いたげに揃って首を傾げてる姿は可愛いけど、つんつんはやめようね?

私、まだ体痺れててつんつんされるとダメージ食らっちゃうから。


さて・・どう説明しよう。

この子達にもわかるようにかみ砕いて説明しないとダメなのに加えて、変態公爵が私を性奴隷にしようとした部分なんて言えないよね!?

言ったらアウトだよね!?






「・・って感じで今ここにいるの。わかった?」

((コクリ))

揃って頷いたので、とりあえずホッとする。

頑張ったよ・・。

とりあえず、悪いことしてないのに相手のわがままに振り回されて追い出された挙げ句、捕まえて悪いことしようとしてきたから暴れに暴れて抵抗した結果、ここまで飛ばされた

って感じで説明しておいたよ。

嘘は言ってないよ?

ちょっと説明を一部省いただけ。

「そんなわけで私は、お家がないわけだ。」

実は実家と勤務地は国が違ったりするから実家に帰ればよかったりするけど、あのエロ屑オヤジ共が何やらかすかわからないから近づけないんだよね・・隣同士の国だし。

((コクリ))

「君たちは近くに住んでる子達なのかな?」

((ふるふる))

「親御さんたちは?」

((ふるふる))

「そっか・・・」

・・・近くに住んでなくて親もいない・・それって孤児ってやつじゃないの?

・・・これって、このまま放置したら私外道だよね?

連れて行くか、私が育てないとダメだよね?

これはこの子達のためだもんね?


よし、一応聞いてみよう。

「いくところ・・えっと、寝る場所とかお家はないんだよね?頼れる大人もいないんだよね?」

我ながらすっごい怪しいセリフだな・・。

((コクリ))

「ちなみに、孤児院って言う君たちみたいな小さい子達が一緒になって助け合って住む場所もあるからそういうところに案内も出来るけど・・」

((ふるふる))

他にも良いところを色々知る限り説明してみたけど、

孤児院みたいな場所は嫌だとのこと・・わがままを言ってるという感じではなく、自分たちの力で生き抜くと言う強い意志を感じる。

・・この子達の着ている服は、かなり長い間着ているようだからもしかすると大半の人間を敵視してる可能性もあるから怖くて行きたくないって感じかな・・。

そう言う割に私とはこうして普通に会話してるけど・・微妙に手が届かない距離なのは相変わらず保たれてるけど。

「じゃあさ・・私と一緒に・・来る?」

((?))

「私も行くところないし1人でさみしいからさ、一緒に来てくれると楽しいかなって。それに私、いろんなこと知ってるから君たちにいろんなことを教えることが出来るよ。どうかな?」

これは、人さらいじゃありません。

可愛いからお持ち帰りしているわけでもありませんし。

ほ、ほんとですよ?

可愛いのは確かだけど。


すると、双子ちゃん達は相変わらず抱きしめ合った状態でジッと2人で見つめ合ったかと思ったらコクリと揃って頷いて、私に目を向けて頭を下げた。

どうやら私と一緒に行くことにしたらしい。



・・・可愛い双子ちゃんゲット!

・・じゃない、ホントだよ?

それにしても、もの静か子達だなぁ、私子供特有のキンキン声大っ嫌いなんだよね。

特に無駄にキーキー叫ぶ奴。

でも子供は好きと言う我ながらわがまま。

そうなるとこの子たち完璧じゃない?


後、あの視線を合わせてるのはもしかして会話してるの?

双子同士だと念話みたいな声を出さずに会話することが出来る特殊な能力があったりするの?



「それで、君たちのお名前を教えてくれるかな?」

((?))

コテンと首を傾げてるのは可愛いけど・・・え?

「えっと・・・もしかして自分の名前がわからない?」

((コクリ))

「・・・・・記憶がないとか?」

((ふるふる))


顔が引きつりそう・・嫌な予感がするんですけど。

「も、もしかして・・産まれてから今まで、一度も名前で呼ばれたことが・・ない?」

((コクリ))


・・・そのボロボロのお洋服と、その名前で一度も呼ばれたことがないと言う事実。

そして、髪もばさばさで整えられた形跡は皆無。

これってさ・・・育児放棄どころか虐待されてたのに間違いないよね?

軽くみた感じ、暴力とかは振るわれてなさそうなのは不幸中の幸いだけど。


・・・・


「・・・・・君たちを育てた人たちはどこかな?」

ちょっと、その連中、家諸共消し炭にしてくるから。

((ふるふる))

引き留めてるという感じではなく・・これは・・

「もしかして、何かあっていなくなった?」

虐待してる時点で逃げたとは考えにくい・・何かトラブルがあってこの子達を捨ててどこかに行った可能性が高いね。

((コクリ))

「なるほど・・」

次会うことがあれば・・・私がこの子達の代わりに消してやる。


「えと、とりあえず私の名前は、シル。・・とりあえず、冒険者登録をするために近くの町を目指そうか?」

((コクリ))

大変素直である・・。

なんで冒険者登録をするのかわかってないだろうに・・ホントこの子達大丈夫かな?

こんなに可愛くて素直だなんて・・簡単にお持ち帰りされちゃうよ?

まぁ、一応警戒心は強そうだけど・・さっきから素直だけど微妙に手が届かない距離は未だに維持してるし。


それにしても、男の子の方は真っ黒な木刀・・なぜ木刀?

女の子は片手だけ真っ黒なグローブをつけてるけど・・なんで片手?


どっちも真っ黒で魔剣!?と思ったけど、木刀もグローブもどっちも黒いのって珍しくないしそんなわけないね。

そもそも魔剣だったとしてなぜにそんな微妙なものをチョイスしたのかが一番謎だし。


とりあえず、この子達を連れて近くの町まで行くことにした。

聞いてみたけど、目的地はなかったみたいで漠然的にまっすぐ道なりに進んでるようだ。

ただ、決めた基準はあったっぽいけど喋らないから細かい部分は不明。


道中、これは食べられてこれは食べられないとか、

どれはどの部分がお薬になるとか、目に入ったモノは色々と教えられる範囲教えることにした。

そうやって教えるわりに、この子たち無自覚に食べても一応大丈夫なものばかりすでにむしって食べてたけど。


・・教えたがりと言う以前にこの子達とスキンシップして少しでも好感度を上げないとダメなんだよ!

さっきからずっと、手が微妙に届かない位置をキープし続けてるんだもの!

保護者になるのにそれをキープされるのは地味に心が痛いんだよ!!


そして、ものすごく静かというか一切喋らないことが不思議で、ある程度色々教えたりしているときに私が思いつく限りの推測をこの子達に話して喋らない理由を聞いてみた。

そしたら、まさかのこの子達、読み書きどころか、しゃべり方すらも教わってなかった。

つまりは、どう喋って良いかわからず、そのまま喋らずに今の年まで生きてきたため、喉も衰えて喋らない、から喋れないになってしまっていたのだ。

そもそも、この子達は自分から喋るという選択肢がそもそも存在しなくなっているようだった。

と言うか、文字を読むことも書くことも一切学んでなかったし、それどころか普通の生活で何が必要で何が不要か、生きていく中で必要なことを全く知らなかった!


あまりの教育不足という言葉では足りない有様に頭を抱えたよ。

けれど、その割に食べられるものと食べられないものを見分けてたり、体をきれいにしたり私の喋ってる内容をキチンと理解していることに関して不思議だったけど、どうやらこの子達が閉じ込められていた場所の近くで勉強会?青空教室?が行われており、それを聞いていたことでこうしてある程度のことは自力で出来るようだった。

つまりは、この子達は天才だったんだ。

頭が良いからわずかに聞いた内容から自分たちなりに理解して知識として習得していた。


まぁ、食べられるか否かの区別はほとんど勘だったみたいだけど。


で、ちょこちょこ休憩しながら合間合間で文字や数字などを教えてとりあえず読み書きくらいは出来るように教えてるよ。

それに、体力も続かないだろうからね・・まだ5歳くらいっぽいし、幼いんだから。

と思ったけど、私の想像以上にこの子達体力あるんだよね・・。

周囲の警戒のために魔力探知をしてたんだけど、この子達からもわずかに魔力を感じ取ったから調べてみたらまさかのこの子達、無自覚に身体強化をしていたんだ。

だから普通の子達よりも体力があった。


無自覚で身体強化が出来るなんて正直才能としか言い様がなかった。

「で、お勉強の時間なんだけど、魔力についてだよ。」

((?))

「魔力って言うのは、生きてる生き物全部が必ず体の中に宿している力で、それを使うことで普段よりも力持ちになったり早く走れたり、手が届かない遠くに衝撃波を飛ばして攻撃したりなんていろんなことが出来るんだ。」

((コクリ))

「ちなみに、君たち2人は移動中、既に使っているんだよ?」

((?))

「ん~なんて言えば良いのかな。体の心臓のある胸の辺りからふわふわした温かいモノを感じるかな?」

自分の胸に手を当てつつ、片手に魔力を集めてみせる。

鋭い子だと野生の勘で感じ取ったりすることがあるんだけど・・。

((コクリ))

え?

もうわかったの?

試しに両手の内、右手だけに魔力を集めてみたらジィッと右手を凝視して、

今度は左手に魔力を集中してみたら左手をジィッと見てるし、パーにして指1本ずつ魔力を集中させたりしたらその指だけをジィっと見てたし。


・・マジで?

この子達天才じゃない?

「感じ取れたなら後は、同じモノを自分たちの中から見つけだして、体を包み込ませる。そうすると身体強化と言われる普段よりも強くなれるよ。慣れてきたら強くしたい場所だけに集めればそれだけ長く使えるよ。

魔力には人によって限界量が決まってるんだけど、頑張ればそれだけたくさん増やせるからね。」

((コクリ))

実際この子達、それぞれ右手だけに集めたり左手に集めたり、両足に集めて数メートルほどジャンプしたりと自由に操ってる・・。


マジで?

そして、次に魔弾と呼ばれる魔力を体の外で決めた形に集めてそのまま遠くへ飛ばす遠距離ワザを教えてみたら、さっさと出来てた。


一応基礎は2つあって

さっき教えた身体強化

そしてもう1つ、最後に教えた魔弾

この2つなんだよね。


後は、自分たちがどういう風に強くなりたいかとか、自身の属性魔法がなんなのかによって変わってくるから教えられるのはそのくらいなんだよね。


けど、色々教えている内に判明したのは、男の子の方は身体強化

女の子の方は魔弾の方が得意みたい。

一応2人とも両方のワザは使えるけど、それぞれ1.5倍くらいの威力の差が出てるし。


なるほど・・。

だから、男の子が木刀で、女の子がグローブなんだ・・。

グローブが片手なのは未だに謎だけど。

それなら、町に着いたらキチンとした武具を準備しないと・・後お洋服も。



そして、街に到着したのは5日後だった。

想像より早く着いたよ。

この子達の体力次第だったから8日は掛かると思ってたからね。

でも、基礎的なことはかなり詰め込んで教えきったから後は、この子達が疑問に感じたモノを都度教えたり、読み書きがまだ基本中の基本しか教えてないからその部分を詳しくって感じかな。

後は、この子達に色々教えるために片っ端から薬草とか毒草とか木の実とか、主にギルドで採取依頼がよく出る類いのモノを片っ端から教えてみたら、どこからともなくそれらをホイホイ拾ってくるのだ・・この子達は。

私が既にその近辺を探してもこれほどの量はなかったハズなのに・・どこから見つけてくるのこの子達・・もうさ・・採取に関しては私よりも圧倒的に上手いよ。

採取する際の注意事項はキチンとどれも守られてたし、品質も良さそうだったし。

欠点があるとしたら、必要量以上の分は採取はしてもそのまま食べちゃうこと。

だから、食べずに全部持ってくるようにお願いしつつ、ご褒美に別の食べ物を与えないとだめだったりする。

おかげで、それらを全部売り払うだけでも10日くらいは宿に泊まれそうだよ。

それとプラスして私が目にした魔物を片っ端から倒して、解体してるからそれらの素材がそれなりにあるし。

一応、魔物を倒した後の死体の解体方法や、どの魔物はどの部位が高く売れるとかは教えてるけど、解体方法に関しての詳しいやり方は刃物の使い方を教えた後で改めて教えることになってる。

私、マジックバッグって言う見た目の何十倍もたくさん入るバッグだけは隠し持ってたからね。

それが不幸中の幸いかな。

まぁ、その中に過去に倒してそのまま売り損ねてた魔石が無駄にたくさん入ってたからそれらも今回が良い機会だし全部売っちゃおうと思う。

いやぁ・・魔物を倒して解体したモノは基本的にこまめに売るんだけど、魔石だけは後でまとめて売ろうって感じで手元につい溜めちゃうんだよね。

で、気付けば凄いことになってるんだよ。


ちなみに、街にたどり着いた頃にはこの子達との距離は手を伸ばさなくても届く距離まで近づくことは出来たけど相変わらず触らせてくれないというなんとも言えない状態。

野生のにゃんこを懐かせようとしてる気分になるよ・・。


で、私が追い出された国からはだいぶ離れてるから大丈夫とは思うし、追い出される直前にギルマスを筆頭とした事実を知る人たちがどうにかしておくから安心しろって叫んでたから信用しておく。

・・あの人達、本気になれば国内の平民全員を動かすことくらいわけじゃないし、大陸中に事実を噂として広めることなんて造作でもないだろうし・・信用しますからね?

期待しますからね?ギルマス。

犯罪者として捕まるのはいやですからね?

・・・過去にあの人たち、どこぞの貴族を貴族世界から追い出した功績あるけど。(犯罪は犯してないらしいけど何したのか教えてくれない)

いざとなったら敵は全部消し炭にしてやるけど。



そして、街にたどり着いて双子ちゃんは身分証がないから私がお金を払い、私がギルド職員とは別で冒険者としても活動してたからそれを身分証として見せた。

それから普通に門をくぐればとりあえず身分証であるギルドカードを作らないとなぁあの子たちならいざとなれば戦わなくても採取だけで十分生きていけそうだしとかのんきに考え事をしてたら・・・。


「拝見します・・・!?舞踏爆弾魔ダンシングボマー!?」

全員「!?」

「ちょっ・・なんでそれを知ってるんですか!?」

門番さんに私の二つ名でものすごく驚かれて叫ばれ、周囲の人たちからも驚かれた。

確かに身分証である冒険者カードを見せてるし、簡易表示っていう公開するべき最低限の情報の中に確かに二つ名は表示されるからそれを見た門番さんならわかるだろうけど、そこまで驚く!?

と言うか、なんで私の二つ名周りの人もそれを聞いて驚くの!?

私ってまさかの有名人だった!?

「知らないはずないだろ!?」

「そうなの!?た、たしかにそこそこのランクだけど。」

「そこそこ!?その程度なわけないだろ!?あのSランク冒険者の中でもトップレベルの実力だと折り紙付きと言われているあの舞踏爆弾魔ダンシングボマーだぞ!?」

「えぇ・・・・」

私の認識が甘いと驚かれて、私が軽くビビってたら、くいくいと私の服の裾を引っ張られた。(触らせてはくれないけどあっちからは多少のスキンシップはある)

その方向を見ると双子ちゃんが引っ張ってた。


あぁ・・・

「えぇっと・・その舞踏爆弾魔ダンシングボマーについて教えろと?」

なんとなくタイミング的にそのことを聞きたいのかな?と思っておそるおそる聞いてみると

((コクリ))

速攻で頷かれた。

ですよねぇ・・

「えぇっと・・言わないと・・ダメ?」

((コクリ))

「だよねぇ・・・」

「ん?ま、まさか・・ちょっと見ない間に舞踏爆弾魔ダンシングボマーが子供を産んでたなんて・・」

「産んでない!この子達は訳があって拾ったの!むしろ私の子供にしたいよ!」

まだ生娘だよ!ぴちぴちの20歳だよ!

確かに、私の髪は銀色で、この子たちは白髪になんとなく緑色が混ざった色で割と似たような色だけど!

この子たちなら自分の子供にしても目に入れても痛くないけど!

「あ、そ、そうか・・途中自分の欲が漏れてたぞ?」

「・・・・はぁ・・自分のことを説明するのやだなぁ・・」

最後の呟かれたセリフは聞こえない聞こえない。

「じゃあ俺が話そうか?」

ちょうど後ろに並んでた男性が声をかけてきた。

「俺、その辺りの噂は結構詳しいし。」

商人として働いてるから噂関係の情報は割と集めるようにしてるんだとか。

「よろしくお願いします・・。細かい補足とかは私がするんで。」

この子達に説明しないとわからない点とかあるだろうし。

「あぁ・・なるほど了解です。」

説明も含めて話すから、長くなるしダイジェストにまとめるとこんな感じ。


数年前にとある街でスタンピートが発生した。

スタンピートは、簡単に言うと魔物の異常なレベルで大量発生して生息地を抜けて目に入る場所する部手を攻撃してくるものすごく凶暴性の増した魔物の軍勢のこと。

その街には、当時下級ランクの冒険者が50人

中級が20人

上級が5人だけだった。


冒険者は、簡単に言うと何でも屋で、階級が一番下から、

F,E,D,C,B,A,S,SS,SSS

と言う順になっており、

下級:F,E

中級:D,C,B

上級:A,S,SS

最上級:SSS

こんな感じでランクわけされてるんだよ。

実力はもちろん、それ以外にも色々と求められるんだけどランクが上がれば上がるほどそれに求められる条件は色々と多いからランクが上がる速度は上がるだけ時間が倍になるのが当たり前と言われる。


で、話は戻すけど、当時の上級はAが4人、そして当時Sランクにぎりぎり上がったばかりの私が1人だけと言う構成。

そして、魔物にもランクがあって、ランク分けは冒険者と同じ。

主に冒険者ランクと同じランクの魔物を倒すには、同じランクの冒険者が3人は最低必要で、

1つ上の冒険者であればぎりぎり単独撃破が出来ると言われてるよ。

とはいえ、その条件が満たされるのはBランクまで。

Aランク以上になると、同じランクの冒険者が5人は必要になってくるし、Sランク冒険者でも単独は難しく2人はいないと難しい。

そこから更にランクが上がると更に人数は2倍は増やさないと倒せないと言われてる。

この計算は、過去数百年と続いた魔物討伐記録から計測した数値になるからほぼほぼ正確。

スタンピートによる魔物も、中級が7割、残りがAランクという構成でかなりランクは高く、魔物の数も約1000はいたから、ほぼ絶体絶命と言えるレベルだった。


そんな中、私が持てる魔力の全てを振り絞って魔力切れで倒れるまで敵を燃やしまくった。

実際魔力切れになった挙げ句、愛武器でもある伸びる棒、確か如意棒って名前だったかな。

それで殴りまくって、体力と気力が尽きて気絶。

で、数日後に目を覚ましたんだけど、私が倒したのは全体の半分近く。

それも上位ランクの魔物をほぼ全て1人で倒している有様。

「で、その戦う姿は踊っているようにも見えてその美貌もあってすっごい綺麗だったらしい。そして、その活躍から踊るように敵を爆殺することから舞踏爆弾魔ダンシングボマーって呼ばれるようになったって訳だ。」

ふんふんと頷いてる双子ちゃん。

どうやら納得したらしい。


まぁ・・あのときは無我夢中で、正直何をどうやってたか記憶が薄いんだよね。

後、武器が如意棒なのは私の容姿が自分で言うのも何だけど、良いからいろんなのが寄ってくるからその対策が初めだったんだけど、だんだん使っていく内に長さを自由に変えられるから収納に便利で

大抵の敵は爆殺すれば良いし、近寄る敵は如意棒でガツンとやっちゃうのが凄くしっくりきたからこのスタイルで落ち着いたって訳。

それに、敵を爆殺するにも死角を作ったら致命傷だから首を振るよりも体ごとを回転しながら周りをついでに見て回った方が効率的だし。

って感じで気付けば、どれだけクルクル回っても目が回らなくなって、なぜかダンスが上手になっちゃったんだよね・・使う機会ないけど。

ちなみに関係ないけど、そのことがきっかけで緊急時に冒険者として発動し、普段はギルドでギルマスの秘書的なことをすることになったんだよ。

当時の事件が起きた場所のギルマスが元々私がサポートして働いてた場所で、いざってときにいてほしいと頼まれて結構な額をくれたし、給料もかなり良い額だったし。

それもあって、あのエロ屑おやじを黙らせるために私の資源とか資金を全て国に投げ渡したのは相手を黙らせるには良い機会だったんだよね・・色々と勿体なかったけど。

まぁ、帰り際に当時のやり取りを録画して録音しておいた魔道具をその国中にひっそりと嫌がらせ代わりにバラまいておいたけど。


「って、話が延びたな。とりあえず、歓迎するぜ!舞踏爆弾魔ダンシングボマー!」

「わかったからその呼び方はやめてくれないかな!?」

この子達から呼ばれる最初の呼び名がお姉ちゃんとかシルさんとかじゃなくてそれになったらどうしてくれる!!

地味に重要なことなんだぞ!

もし、そう呼ばれるようになったら泣くぞ!

そして、その原因になるであろうアンタら・・・消し炭にするぞ?



--双子--

(拾った残念美人さん、思った以上にすごい人だったんだね。)

(だね。確かに強かったし、色々教えてくれたけど。)

(これは、もう少し信頼しても良いかも?)

(かも。でも、もうちょっと様子見)

((コクリ))

自分たちが産まれてから見ていた世界は本当に狭かったらしい。

私達にとっては、私たち2人しか心を許せる生き物がいなかった。

だから、たとえ目の前にいる残念美人さんが優しくていい人だったとしても100%信用は出来ないし、してはいけない。

これは、あの毎日叫ぶだけでうるさいおっさんを見て決めたことだ。


まぁ、この残念美人さんがすごくいろんなことを知ってたし、強いのはわかったし、ホントに私たちのことを大事にしてくれるのはわかる。

けれど、自分たちを守るために決めた決めごとをそう簡単に破るわけにはいかない。

だからまだ様子見。



なんか、服が云々とか髪をあーだとかとりあえずギルドカードがどーのとかおいしいものがとかなんとか言ってるけど。

正直どれからでも良いし、私たちにその意見に指図出来る資格はないんだから好きにすればいいと思う。

次回かその辺りで、姿絵をストーリー的に上げられると思います。

みてみん側にはこちらよりも早めに上げたりするので待てない方はそちらを覗いてみてください。

名前は同じなのと、略タイトルの「双子スルー」で登録するので。

・・フルネームのタイトルだと文字制限数的に超えそうな気がするし・・。

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