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最強令嬢の育児日記-PS:育児対象は拾いました-  作者: ミコト
拾った人間は世界規模の迷子でした

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17/39

ヒナさんの両親と港町

--ヒナ--

地面から鎖が生えてきた!と報告したら、そんなことが滅多にあるわけねぇだろと言われたり

私のことを色々話した中でピアノで実は異世界トップだという事実を伝えたら、宇宙猫の顔をされたヒナさんです。

「だから、あんたはピアノと料理の腕前に関しては私よりも圧倒的に上なのよ。」

「料理はともかくピアノも?」

「自分の方が上だと信じられないって顔してるけどね・・私の本職は歌の方で楽器を弾く方はあんたほどのめりこんでないのよ。」

「あ、なるほどそちらジャンルの方でしたか。」

道理で、お子さん方2名が私のピアノを熱心にジィっと見つめてくると思った。(見取り稽古かな?)



現在、にゃんこに押し倒されて動けなくなるほどの貧弱ぶりに魔剣という名の私にしか触れない謎の鎖を動かしてにゃんこたちを傷つけないように持ち上げてよけたり、逃げ回るにゃんこたちを同じくケガさせないように捕まえたり、

通りすがりの大岩に穴をあけたり、道をふさぐ倒木を叩き折ったりして訓練中です。

岩に穴は空けることは出来なかったけど、表面を削るくらいは出来ました。

後体力は、なんとなくついたような気がします・・シルさんからは気のせいと言われるくらいの僅差だけど。

それは、私のイメージ不足か、魔力による初期魔法らしい身体強化とかがまだ未熟だから力を出し切れてないだけらしいからそれも含めて訓練中。

・・途中、女神様・・じゃなかった、シルさんが蹴り1撃で幅2メートルはありそうなおっきな倒木を粉砕してたのには絶句した。(すごい適当に雑に蹴ってたのにその威力だった)


すごい強かった・・めっちゃ強かった。

なのに、ただの護身術だって言われた私の気持ちわかる?

護身術って、相手を倒さずに所謂時間稼ぎで自分の命大事にするやつだよね?

攻撃は最大の防御!で、一撃で蹴り殺すようなのじゃないよね!?

そう頑張って言ったのになぜかほほえましげな表情を私に向けながらおっきなお胸に私を埋めて口封じされました(ご褒美)


シルさんからすると私が頑張っても子猫が騒いでるようにしか見えないらしい・・ぬぐぐ。

威厳皆無と言われて虚しいような、そのままお胸に埋められるから役得として喜ぶべきか・・。




「それなら、港町でピアノを借りて弾きましょうか。」

「良いんです?」

「構わないわ。多分頼めばイケる。」

そうなんだ・・さすが女神様とか考えてたらお胸に埋められて微妙に息苦しい(ご褒美)

「まだ軟弱で貧弱だけど、鎖の扱いは多少、身を守る程度には出来たし、無理させたらそのまま寝込みそうだし。」

「すごく自信があります。」

「堂々と自慢げに言うな。」

相変わらず体力もないので早々に体力切れとなりシルさんに抱えられてます。

ほとんど荷物に紛れ込むぬいぐるみ扱いです。

だんだん扱いが雑になってきてわきに抱えてたり肩に米俵よろしく担がれてたりするけど。



私、ピアノが大好きということもあり、一部では依存してない?と言われるほど大好きだった。

毎日何時間でも弾いていられるレベルで。


というわけで、野営するたびにキーボードをシルさんに出してもらっては何かしら演奏しております。

本日は”ナイト・オブ・ナイツ”となっております(高級レストラン風)


で、シルさんが言ってたけど、私は平然と弾いてるけどオタ風に言うならルナティックレベルの曲を弾ける人は基本的にこの世界ではいないに等しいレベルらしい。

と言われても、私がそのルナティックレベルの曲が基本的に好きなんですよ。

Fが2つの今は20いくつ?40すぎてる?くらいまであるシリーズのゲームとか、東方とか、オタク方面のルナティックの曲を好んで弾いてるだけなんですよ。

自分が好きで聞きたいから自力で演奏してるだけなんですよ。

ピアノは好きで弾いてるのは間違いじゃないけど。


だから、余計にオタ友は私のことを神聖視してたんだよなぁ・・だからさ・・私は好んで自分で楽しんでるだけだから拝まないで欲しかった。


なので、近くで通りすがりの人がいて私の演奏を聞くと全員必ず足を止めて目を見開いてフリーズする。

むしろ、キレイな二度見をする人多数。

そして、終わった後感激しながらなぜかお金を置いていく・・あのストリートライブしたつもりなかったんですけど・・だからお外で真顔で正座して私の曲を真剣に聞こうとしないで・・聞くのは良いから気軽にして欲しい・・。

そのせいなのか、私の演奏を真剣に眺めるお子さん2名とにゃんこたち、

そして、優雅にコーヒーを飲みながら私の演奏を聴くシルさんという組み合わせのおかげで、その人たちより神々とか妖精界とか天界のお茶会?と言われたけど。

「ヒナ。あんた、いざとなればそれだけで食べていけそうね。」

毎日高難易度の曲を好んで弾く私に少し前にようやく顔が引きつる確率が減り、宇宙猫の顔の割合が増えてるシルさんからそんなセリフが飛んできた。

「戦いは確かに好きじゃないですけど、自分の身を守るためでもあるからそっちも頑張りたいです。・・でも、お金に困ることはなくなりそうなのは正直ありがたいです。」

と言っても、装備整えたりご飯代とかを確保できればそれ以外は孤児院とかに寄付するようにしたい。

生きていくためにもらったものを有効活用はしても、贅沢をする分でそのお金を使ったらだめだと思うから。

そういうお金は、困ってる人に有効活用された方が、私のピアノで多くの人を救えるんだって思えるから。


お父さんの形見は料理。

それで、立ち寄った料理店とかで知識交換とかしてお父さんの偉大さを広めたいと思ってる。

今は、偶然近くで同じく野営してる人とレシピ交換とか料理あるあるとかを話したりして広めてるよ。

お父さんはサバイバーでもあったからいわゆる野営用の簡単で美味しい料理も知ってたからそっちをメインにね。

だから余計に、私を拝む人が増えるんだけど・・拝まないで・・。


さすが私の娘でしょ!って思ってもらいたいから。

これが、私の精一杯の恩返し。


と思ってたらシルさんに抱きしめられた(ご褒美)

「あんたは・・ほんと良い子ねぇ・・こんな妹が欲しかった。」

では一体、シルさんの身の回りの人たちはどうなんだろう?

「無駄にこびっこびだったり、拝まれたり、ゲスな顔を浮かべて近づく馬鹿だったりと素直な良い子は滅多にいなかったわね。・・大抵神聖視されるのよ、初対面のあんたが私を女神様というレベルでお姉さまとか姉御とか呼ぶ連中ばっかり。」

あぁ・・・すごいわかる。

だって、後光が見えたもん。

ちなみにシルさんは、20歳、私は15歳です。

と言っても、シルさんからは真顔で「え?高く見積もっても12歳じゃなかったの?」と言われたけど。

確かに身長は低めだし、童顔だし華奢だけど、一応高校生だったんだよ?華のJKだよ?

前髪で顔を隠してたから総称して座敷童扱いされ、女友達が私を家にお持ち帰りしようとするのがやたらといたなぁ・・。(縁起がよさそうな気がしたらしい)

私を家においても、良いことはやってこないよ?



あ、一応言うけど友人は普通にいたよ?

素顔を知ってるのがオタ友である幼馴染だけだったってだけで。

けど、時折顔を見られては私とイコールと思われず、私が通ってた学校内に天使がいる!って噂が流れて、学校七不思議のひとつにカウントされたけど。

そういうシルさんは、JK3年生くらいにしか見えない。(18歳)

というよりそこから年を取ったご尊顔が想像できないというのが本音。

・・なんか、30年後も普通に今のままのような気がしてならない。


だから余計に私がルナティックな曲を楽しみながら平然と弾いてる光景が異様に見えるらしい。

一体どういう人生歩んできたんだって感じで。


「そのせいであんた、二つ名が早々に出来上がってるわよ。」

「え?」

二つ名って、そう簡単に決まらないものなんじゃないの?

二つ名が出来るだけでそれなりに知名度は上がり、尊敬されるとか何とかいってた気がするけど。

ゆるっと冒険者を続けながらいつか自分の二つ名が出来るのかなぁ?とか軽く妄想してたけど冒険者になる前に決まってしまったようだ。

なぜ?

「あんたね・・毎日あんな変態レベルの曲を楽し気に平然と軽々と弾いてたら当然噂の的になるに決まってるじゃないのよ。おまけにそれだけの美貌も備えて・・」

私の見た目がシルさん曰く相当整っていることも噂が加速した理由らしい。

というか、変態レベルって地味にひどい。

まぁ・・そうなると、二つ名が出来るのはそう時間がかからないのが普通らしい。

ちなみに、そういう時は大抵貴族とか無駄にお金持ちな人が寄ってきて鬱陶しいことになるんだけど、シルさんのご両親が裏で勝手に動いてるらしく全員早々に始末されてるらしい。

どういう始末のされ方をしたのかは、遠い目をしたシルさんより一応死んではいないけど知らないほうが幸せなこともあると言われて私は偶然運がよくそういう人と遭遇しなかったということにしておいた。


「それで、私の二つ名とは?」

わくわく

「確か、”ピアノの黒天使”だったわよ。」

ピアノの黒天使・・やはり天使扱いなんですか・・。

シルさんが女神様。

ノア君とイブちゃんが妖精さん

そして私が天使さん・・・。

え?

これ、コンプした?(迷走中)


そうなると、にゃんこに弟子入りしてる天使の主は妖精さんでその保護者が女神様で、

その女神様の妹分が天使という四角形なのかどうもわからない謎な関係図が出来上がる・・なんだこれ。


「とはいえ、それを払拭することは不可能だから諦めなさい。多分、略して私たちみたいに天使さんと呼ばれるようになるわね。」

二つ名とは周りが決めるもので自分が決めるものじゃないからということなんですね。

「えぇ・・文字通りシルさんたちの枠組みにカウントされるんですね・・」

つまり、聖なる人外枠に

すると、いつも通り私の頭の中を覗いていたシルさんにお胸に埋められて軽く窒息させられました。

黙れということらしいが、それお仕置きではなくご褒美です(幸せ)



「そして気付くと、港町にたどり着くころには自分で必要なものを買いそろえられそうなことに・・」

ちなみに、私がピアノを弾き始めると必ずお子さん2名は私の邪魔にならないギリギリの距離でジぃッと私の手元を眺めるようになった。

どうやら、教材として認識されたらしく頑張って覚えようとしてるようだ(なごむ)

そして、私が料理しているときも同様の行動をとるお二人さんである。

知的好奇心が旺盛なのか勉強熱心というべきかジィっと眺めて少しでも多くの技術を手に入れようと頑張って眺めてます。(かわいい)



「毎日必ず弾くし、港町が近づいてきたから人数も増えるし、一定の割合で金持ちが混ざって無駄に大量にあんたに放り投げてたからねぇ。」

普通、そういうお金って銅貨が数枚でごくまれに銀貨を投げる人がいるくらいが普通で、金貨を何枚も投げる人は普通はいないの。

いたとしたら家と専属でどう?みたいな勧誘になるの。

けど、そうはならずにすごい額のお金を笑顔で放り投げてくるんです・・。

人によっては、魔物の魔石をくれる人もいたけど。

お金がないからその代わりらしい。



魔物と呼ばれるいわゆる化け物というか怪物がこの世界には存在する。

種類も大きさも多種多様。

魔物の主な特徴として体内に魔力を結晶化させた通称魔石が存在しており、その魔石を有効活用して様々なことに使われる。

所謂電池扱いに近いらしい。

後は、モーターのコア部分だったりと、かなり幅広く使われてるからどんなに低ランクのものでも必ず売れるらしい。

ただまぁ、ランクが低ければお値段もそれなりなのは当然らしいからいわゆるお小遣いポジションになるんだとか。




で、道中。

にゃんこたちがせっせとお肉(意訳)とかを持ってくるので、解体してるんだけど、余ったお肉に関してシルさんに聞いたところ、大抵干し肉にしかしないらしい。

なので、機材がちょうどあったので燻製とかにしてみた。

ハムとかソーセージとかベーコンとか、何のお肉かはかなりバラバラだからもう気にしてない。

それはそれで面白いし、ミンチにすれば混ざるし、それでさらにおいしくなったりするしね。

むしろ・・問題があるとしたら・・。

「形とかが割とぎこちないのでそこは申し訳ないです・・」

日本がどれだけ恵まれていたかよくわかりました。

きちんとした機材がないと例えばソーセージなんて均一性が皆無なことになってるし・・。

おいしいけど、一料理人としてはちょっと悔しい。

「いやいやいや。そんなことがどうでもよくなるくらいすごくおいしいから。それだけで十分お釣り来るから。」

確かに味はおいしい。

素材の味はおそらく日本よりも圧倒的に上だからだと思う。

「にしても、ホントあんたの世界ってすごいのね・・。ほんと、おいしいわぁ。」

大変お気に召していただけたらしい。

後お野菜次第ではそっちも燻製に出来るし、

そのあたりをまとめて煮込んでコンソメも作ってみた。

そのおかげでお料理の味も全体的に上がって大満足。

で、シルさんやお子さん方の様子から相当気に入ってもらえたし、割と面白いのも好きらしいから今度、丸ごとシリーズでも作ろうかな。

かぼちゃ器にした丸ごとグラタンにしたり、

鳥を丸焼きにしてその中にご飯というか穀物とか切ったお野菜やハーブ、お肉を詰めたりして。

あ、この世界なら味に問題なさそうな薬草を混ぜても良いかも。

所謂薬膳料理的な感じで。


結論から言うと、大変楽しんでいただき、大好評でした。

ついでにそれを偶然近くで見ていたほかの冒険者の方が私にわざわざお金を握りしめてレシピを教わりに来てたけど、お金はいらないと言いつつ楽しんで堪能して欲しいと言っておきました。

相当好評だったようです。(結婚予定の親友さんにサプライズで作りたかったんだとか)




「とはいえ、私たちだけでは食べきれないし、いくつか取っておいて、残りは売ってもいいわね。解体の腕もうまいから良い値で売れるわよ。」

料理人としても十分食べていけると太鼓判を押してもらいました。

「そうなんだ・・」

「っていうか、料理もだけど、なんでそんな解体もうまいのよ。そっちの世界だと争いはないどころか血を見ることも少ないって聞いたけど。」

「私の世界・・というより私がいた国は・・っていう言い方が正しいですけどね。解体は、お父さんがサバイバル術がすごくて、それで教わってました。・・ちなみに本業は料理人です。」

お父さんもお母さんも所謂趣味を実益に変えた代表です。

なので、生涯現役も趣味の延長戦だから苦じゃないなと笑顔で言ってたのをよく覚えてる。

「料理人がなぜにサバイバル・・まぁ、本人が楽しんでたんならそれでいいし、結果として私も大助かりだから良いけど。」

シルさん曰く、私の料理の腕前はお父さん譲りということもあり、シルさん家の料理人さんたちよりも上らしい。

「えぇ・・確かにお父さんからそのあたりはみっちり鍛えてもらったし、アルバイト代わりに高級レストランでも働いてましたけど。」

ちなみに、幼少期よりお母さんからはピアノ

お父さんからは料理とサバイバル関係をみっちりを教わってたりする。

楽しかったよ?

どちらも趣味の延長戦ということもあり、アウトドアな遊びの一部だったりインドアの遊びの一部だったりという感じですごく楽しかった。

所謂友達親子のような感じだったんです。

それでいてお父さんもお母さんも私本人がわかるくらい溺愛してくれたから・・愛してくれてたから。

それにすごく良い思い出です。

ちなみに両親が亡くなった時は、そのあたりはいわゆる免許皆伝の状態だったので、あとはじゃれあいの延長戦という感じで一緒にピアノを弾いたり料理をしたりしてたよ。

「あぁ・・天国にいるらしいその両親に私は感謝しなきゃだめね・・ホントありがたいわぁ。」

シルさんも料理は出来るらしいけど、割とざっくりで簡単なやつだけらしい。

ゆえに、味がシンプルで飽きてたのだとか。

「というよりも、あんたのお父さんはかなり珍しい組み合わせをマスターしてたのね。」

「料理とサバイバルです?」

「そうそう。大抵料理が出来る奴って、貧弱だからサバイバルなんてやらないのよ。だから、大抵片方に偏るのよ。」

料理人ならお店で出す類の料理しかできないからお外だと機材が揃ってなくて上手くできないし、

サバイバルの方なら、サバイバル料理は出来るけどお店に出せるかと言われるとちょっとねぇ‥?となる

だから、その両立が出来るお父さん譲りの私は、料理に関しては場所を選ばない。

「だからね、ある意味で言うなら真の料理人なのよ。あなたのお父さんは。本当の剣豪は武器を選ばずとも強いって言葉聞いたことある?」

「似たようなのを聞いたことがあります」

剣豪が武器を選ばないなら、真の料理人は場所と機材を選ばないという感じかな?

「あなたのお父さんはまさしく真の料理人で、料理界の剣豪みたいなポジションだったのよ。これは、すごいことなのよ?私、貴族だからあちこちでいろんな連中を見てきたけどそれほど完成している人初めて見たわ。あなたを見てるとね、自然と両親がどういう人か良く見えるのよ。それだけご両親はすごい人だったのね。」

一度会ってみたかったというシルさんの言葉に私はすごくうれしくなった。

私は幼い頃からのあこがれは両親だった。

その憧れをほめてもらえたのだ。

しかもおっきな国のトップらしいシルさんのお言葉なので、それだけでも価値はすごいと思う。

「私はそんな両親が憧れで誇りでした。・・だから、もっと頑張って両親はすごい人だったんだって全世界の人にわからせます。」

シルさんのそばに居続けるならそのくらいは出来て当然なんだと思う。

「良いわね。まぁ、頑張りすぎない程度にやりなさい。頑張りすぎて倒れたら元も子もないし、ご両親が悲しむわよ。」

「はい。」


ちなみに私のお父さんとお母さんは、交通事故で亡くなった。

即死だったのは、苦しまずに済んだと思うべきなんだと思う。

・・自身の職業に誇りを持ってる人たちだったからそれが出来なくなった光景なんて私は見たくない。


そこで話が終わればシリアスだったんだけど、そんな2人だったから多くの人に慕われてたし、ファンも多かった・・だから、ものすごい数の人たちがその加害者相手に圧力をかけて社会的に抹消させるほどだった。

そして、その賠償金もすごかった・・(遠い目)

でも、私はお墓を建てたりお葬式として使い、最低限の生活費以外はすべて寄付した。

事故で贅沢をしたら絶対にダメだし、お父さんもお母さんもきっとこうするから・・。


それからシルさんは、私の両親を尊敬する人という扱いをするようになり、私はシルさんの妹ポジションになった(なぜ?)。

確かにシルさん、私のことをしょっちゅう抱きしめながらこんな妹が欲しかったとよく呟いてるけど。

とはいえ、ノア君とイブちゃんの方が抱きしめられる割合は高いのは当然だと思う。(かわいいもん)



お父さん

お母さん

見てますか?

あなた方の人生を引き継いだ私ですが、この世界のトップに片足を突っ込んでるすごい人に認められましたよ。

だから・・いつかまた会えた時、褒めて欲しいな。



あぁ・・ダメだ。

すごく泣きそう・・会いたいよ・・。

私の思いに気付いたのかシルさんが優しく抱きしめてくれる。

「泣きたいなら泣きなさい。私にはあなたの思いを慰めることは出来ないけど寄り添うことは出来るから。・・私はあなたの姉になりたいと思ってるし、そう思ってるから。好きなだけ甘えなさい。」

シルさん・・そのセリフは卑怯・・依存したらどうしてくれるんですか。










まぁ、色々あったけど、無事に港町らしき場所に到着しました。

周りからすっごい注目を浴びてます。

主にお胸がおっきくてとんでもない美人と、すごくかわいい双子と大量のにゃんこと、美少女らしい私・・自覚ないけど。

まぁ、注目浴びるよね。


一部の人からは私の演奏を見たことがあるらしく、また機会があれば演奏聞かせてねと軽くあいさつしながら声をかけてくれる人もいた。

少なくともいざって時に頼りになる人は多そうでよかった。

とか言ってる間に町に入るための順番が私たちになった。

「ここには何しに?」

「秋の大陸にある私の故郷に帰るためよ。」

「あぁ・・なるほど。では、証を。」

証?

「あぁ・・私たちはこれ。この子は、私の妹なんだけど訳があって引きこもってたからその許可証がないのよ。だから、これで良い?」

そういいながら銀貨1枚と名刺らしき物体を渡してる。

「・・!?高い!高すぎます!銅貨10枚で十分ですよ!?それにこr・・・・・!?」

シルさんの渡すお金は多すぎたらしい。

後、あの名刺を見てフリーズしてるけど何なんだろ?

「まぁ、私が保証するってことよ。」

「しょ、承知いたしました。ど、どうぞお通りください。」

「ありがと。」

と言いながらあっさりと通れた。


後にあの名刺は、シルさんが貴族だよーという証で、私の故郷の名刺とある意味似たような扱いらしい。

ただ、貴族しか扱わないものという感じで使う人が限られてるだけで。



「とりあえず、ギルドカードを作りましょうか。」

「確かに許可証がないと色々不便ですもんね。町をくぐるたびにお金出すのも大変ですし。」

「まぁね。換金出来るものがあっても金がないというパターンもなくはないしね。」

そういいながらギルドに到着しました。


見た目と中身は、喫茶店と酒場を混ぜたようなおしゃれな酒場?

優しそうなお兄さんが受付で対応してくれました。

「いらっしゃいませ。ご用件を。」

「色々換金したいのもあるけど、とりあえずこの子のギルドカードの作成を頼める?」

「では、換金品の額より作成費を引くようにしましょうか。」

「そうね。頼める?内訳はいらないから。」

「かしこまりました。では、お預かりします。」

そう言いながら道中、私が解体したり、加工した食べ物だったりを並べる。

「これは・・かなり質が良いですね。食品に関してはこちらからこの町の各料理店に回しておきますね。その額は1日ほどお待ちいただければその額も含めてまとめてこちらでお支払いいたしますし、待てないようでしたら先にお支払いすることは可能ですが1日ほどお待ちいただければ少し色を付けることが可能ですよ。」

ギルドか中継点みたいな感じなのかな?

お店に直接売りに行っても良いけど、場合によってはトラブルになるからギルドが必ず挟むようになってる感じかな。

「金は正直どうでもいいけど、もともとこの町には数日は滞在するつもりだったから後で構わないわ。というより、それならその分から船のチケット代を良い?」

「構いませんよ。船の手配もこちらで行っておりますので。」

ギルド大変だな・・軽く聞いてるだけでお仕事が多そう。

「では、お渡しする分はその差額だけということになりますね。」

「それでいいわ。足りなければ払うから。」

「軽く見積もった限りでは十分余りますよ・・。」

苦笑いしながら教えてくれた。

「特にこの加工された食品ですがこちらはかなり質が良いのでかなり多めに色を付けることが出来そうです。むしろ一部個人的に買い取りたいくらいですよ。」

「特に儲けようとは思ってないから構わないわよ?値段も利益なしの分で良いし」

「良いのですか?」

そもそも手作りだし、現地調達してるから調味料代くらい?

加工代は私の練習用みたいなものだからないようなものだし。

結果として、ベーコンのブロックを1つお兄さんは銀貨1枚で購入してました。

ちょっと高い気がしたけど、質を見た限りではむしろ安い方と言われた(Byシルさん)


「失礼いたしました。では、本題に入りましょうか。お嬢さん、こちらの水晶玉に手を当てていただけますか?」

見た目は魔女が占いに使いそうなでっかい水晶玉。

言われた通り手に触れる。

軽くふわりと透明に光った。

「問題ありませんね。では、次にこちらの水晶にそのまま魔力を軽く流していただけますか?」

「はい。」

頑張って魔力を水晶玉に集める。

毎日頑張って練習した甲斐があってうまくできた。

「ご協力ありがとうございます。では、こちらを首にかけて握りながら魔力を流して完了です。」

これで所謂個人認証が出来るらしい。

見た目は、銀のドッグタグだな。

言われた通り首にかけて握りながら軽く魔力を流すと、するりと長さがちょうどいいくらいになった。

「それで完了になります。後は初回のみギルドカードに表示されるステータスをこちらにご提示ください。」

教える必要があるの?

「なくしたりした時だったり、いざって時の保険よ。」

なるほど。

「こちらでは、人目もありますし奥の部屋にどうぞ。」

あ、それ用の部屋があるんだ。


それはありがたい。

私たちは言われるとおりに奥の部屋に向かった。

いよいよ私のステータスが明らかに・・わくわく。


実はヒナさんの友人達は、ヒナさんの素顔を知ってます。

けど、あまりにも美少女で長期間見てると気が狂うからあえて見ないようにしてたりします。

なので、お持ち帰り宣言はその辺りの欲求があったりなかったり。

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