芸術の国の歌姫と、野良猫
長らくお待たせしました。
続きどうぞ。
--シル--
色々あって私が歌うことになった。
そして、双子ちゃんが準備途中で外に言って数分後には戻ってきてたけど何だったのかしらね?
門番に何か言ってたっぽいけど、まぁいいわね。
そのうちわかるでしょう。
で、双子ちゃんがそれぞれギターとピアノを担当することに私の連れだからと理解はしつつもどこか心配そう?疑っている?ような表情になってる連中が割と多い。
それに気づいたのか、双子ちゃんが突然演奏しだした。
全員「!?」
ノア君によるギターの弾き語りが突如として始まり、それにナチュラルに混ざるようにイブちゃんがピアノで連奏。
さすが双子と言いたくなるほど息ぴったりである。
そして選曲は我が国でよく中級者向けの練習や、とりあえず弾いておくと良いと結構人気の高い曲だった。
勢いの良いギターと落ち着きつつもどこか心が高ぶるピアノの組み合わせの歌のないタイプの曲。
ギターとピアノ、それぞれの難易度もそれなりに高いのに加え、タイミングを合わせるのが実はかなり難しく、人によってはそこに別の楽器を追加して難易度を上げるタイプも割と存在しており、そのあたりの演奏次第でその連中の息が合っているか、本人たちの実力がどのくらいか我が国の国民なら評価しやすいものだったりする。
実は私もお気に入りの曲で、難易度問わず手慰みでいろんな楽器を双子ちゃんに教えつつもとりあえず弾く曲がこれだったりする。
ペースを遅くしても早めても「ん?」とならないちょっと珍しい曲だったり。
後、余談だけど双子ちゃんの最も得意なのは同じ楽器を連奏することである。
なので、別々の楽器を弾いている今の状態は簡単に言うと練習中。
本気モードが連奏している時なので、今の状態で驚いていたら耐えられないけど面倒だから言わない。
で、周囲のメンツは驚いてるのがほとんどだが、教会の連中や商会のじいさんに、夫人は心地よさそうに耳を澄ましている。
「うむ・・良い音色だな。」
「そうですね。雑音もなく、それでいて心の底から楽しんでいる気持ちも籠っていてすごく心が癒されます。」
「さすがね。・・将来がもっと楽しみだわ。」
実は、相手の内心を知りたいときは楽器を演奏させればわかりやすかったりする。
意外と心に迷い等があれば、雑音が入ったりするのよね。
邪魔にならない程度に小声でそう呟く・・というより心の声が口から漏れてると言った方が正しいくらい心地よさそうに聞いているのを横目に、密かに私はうれしかった。
最初は、双子ちゃんに何かしら興味を持ってほしくて片っ端から教えてるだけだった。
楽器も指先の練習くらいになればほの字かなくらいだったけど、予想以上に双子ちゃんが興味を持ってくれて、そして練習に一生懸命でありつつも演奏しながら心底楽しんでいる気持ちが籠っていることがうれしくて。
そして、そんな気持ちが普段無口無表情で感情が伝わりにくいから、周りが私以外でも双子ちゃんの気持ちが少しでも通じることがほんとにうれしかった。
ちなみに一部のメンツが、「自分より上手い・・幼児に負けた・・」とOTLになってるけど気にしない。
「シルお姉さん。」
私の膝の上にいたお嬢ちゃんが小声で私に尋ねる。
「ん?」
「私にも・・こんな素敵な音を出すことはできますか?」
あぁ・・この子にも双子ちゃんの楽しいという気持ちが通じてたのね・・。
「出来るわよ。楽しいという気持ちと自分の演奏を聞いて喜んで欲しいという気持ちを忘れないで続ければいつか必ず良い音が出るわ。」
「はい・・この・・言葉にはできませんけど、今ここにあるあったかい気持ちを忘れないようにします・・それに私も私の演奏でこの気持ちを知って欲しい。」
自分の胸元に手を置きながらそう呟くお嬢ちゃんに頑張れという気持ちを込めてキュッと小さく抱きしめる力を強めて頭をなでる。
うん・・この子ならきっと良い音を出せるわ。
そして、他数曲ほど弾いた後突然双子ちゃんはあちこちの扉を開けた。
おまけに窓も開いたり、門も開けたままにするように門番に何か伝えている・・何してるの?
良いけど、かわいいから。
さて
「次ね。」
ぽそりと呟く私にお嬢ちゃんは何か察したらしく目をキラキラさせて私を見ている。
で、膝から降りようとしてたけど気にせずに抱きしめて軽く私の胸に埋めておく。
「動いてパフォーマンスするつもりはないからそのままそこにいて良いわよ。」
「え?はひぃ。」
なんか微妙な鳴き声が聞こえたけど気にしない、顔は幸せそうだし。
双子ちゃんに視線を向けると2人揃ってコクリと頷いた。
だが、他の連中は気付けないので
「ほら、あんた等、双子ちゃんからもらってる歌詞の順でやるわよ!さっさと構えろ。」
「え!?いきなり!?」
「じゅ、準備してたけど、心の準備が!」
「マジかよ!?いきなりかよ!?」
全員準備は整ってたものの、双子ちゃんの演奏を聞いて油断してたらしく全員がわたわたしてる・・はぁ。
想定してたけど。
「せめて感傷に浸らせてほしかった・・。」
「あんた等のために弾いてるわけじゃないんだから期待するだけ時間の無駄よ、有象無象共が。」
なんかほざいてるけど私からするとどうでもいいことだからバッサリと切り捨てる。
クラン全員「ひでぇ!」
とりあえず、軽く瞳を閉じて深呼吸をしてゆっくりと瞳を開く。
全員「・・っ!」
さっきまでとかなり私の雰囲気が変わったから驚いてるんでしょうね。
歌姫として、意識をこうしてわざと切り分けてるのよ。
個人的な感覚だけど、普段の性格のままだと歌いにくいのよ。
まぁ、歌に次第ではそっちの方が歌いやすいからあくまでも歌う歌のジャンル次第だからそれに合わせて意識を切り替えてるだけっていうのが正しいけど。
そして、私の歌うときの癖はかなり有名だから何も言わずに足をタップする。
理由はわからないけど、昔から音程を足でとるのよね私。
だから、指揮棒を振るうことも必要なく、全員私の脚を見て確認してたりする。
--伯爵幼女--
お誕生日会と聞いて、お父様もお母様もムトンもみんな忙しそうに準備をしている光景を目にしながらどういうものになるか想像してた。
その時は、私が住むこの町で有名な人たちが集まって思ってもいないセリフを言う感じで楽しいものというよりは将来のための会議に近いものだと思ってた。
実際、有名な商会らしいところの商会長(という名の肉団子)がやってきて早々に後悔した。
気持ち悪い笑顔を浮かべて近づいてきて、これが生理的に無理ってやつだってわかった。
私の専属メイドであり、血のつながらないお姉ちゃんでもあるスールが頑張ってかばってくれたけど、考えたくもない光景に自分がなると思った時、シルお姉さんと出会った。
見た目はどこかおっとりした雰囲気を醸し出すすごくおっぱいの大きなきれいなお姉さんだった。
実際は、ものすごくバッサリと切り捨てるようなセリフを笑顔で平然と放り投げるようなはっきりとした感じのお姉さんだったけど。(割と他の人の扱いが雑・・)
その後のことについては正直どういえば良いかわからない・・。
笑顔でうるさい商会長を文字通り蹴り飛ばしてゴミ扱いしてたし、その後からやってくる人たちは普通にやさしいおじいちゃんな商会長(さっきの肉団子はカウントしない)や、
シルお姉さんを女神さまと本気で崇めてる人たちと、ツンデレと呼ばれてるお姉さん・・・・えっとシルお姉さんがツンデレちゃんと何度も呼ぶからお名前・・忘れた。
・・・女神様と呼ばれてるのを見て納得したのは内緒(だってすごい美人なんだもん)
おまけに、シルお姉さんがまさかの芸術の国で最も有名な虹の公爵令嬢様という事実・・あまりにも大物過ぎて反応にものすごく困った・・。
プレゼントをたくさんくれるし・・人目を盗んであちこちに私宛のプレゼントを更に追加で渡すようにばらまいてるし・・・。
あの・・もう十分もらったから・・もらいすぎなんですけど・・。
既に、お姉さんからもらったものだけでそのまま冒険者になれますってくらい揃ってるんだけど・・。
後、余談だけど最終的にこれくらいもらった・・(多すぎる)。
・衣服系(靴や防具含む)が9
・本が25冊
・文具系が12
・雑貨(に見せかけて地味に便利な魔道具)が5
・金貨が十数枚(食事代+α)
しかも全部、お姉さんのご実家産だったり貰い物らしいんだけど・・どうすればこんなにもらったりするの?
シルお姉さんのことについては、・・知ってた。
噂をよく聞くから・・ではなく、お母様が大ファンだから毎日隙あらば語るから・・頭に染み付くレベルで語るから・・。
なので、シルお姉さんと出会って一番喜んだのは私よりもお母様。
お姉さんのサイン付きの名刺を貰って大はしゃぎしてたし・・それにスールと一緒に巻き込まれてものすごく疲れたけど・・物理的に振り回された・・。
そこで話が終わればビックゲストでびっくりで終わったのに、お姉さんが連れて来ていたなぜか野良猫扱いされてる双子の子たち。
私より年下だけど、すごく物静かで視線を逸らすとすぐいなくなる。
そして気付くと、変なものを拾って来てる。
一番の大物は、家に隠れてたらしい悪い人たちとその証拠一式を引きずってきたことかな(遠い目)
それと、この子たちからのプレゼントであるこの植物(植木鉢もセット)は毎日絵日記を書こうと決めた。
必要な情報が何があれば良いのかは、多ければ多いほど良いらしいからいろんな人に聞いて情報集めたほうがいいかな。
面白そうだし、何色になるのか楽しみ。
・・それをきっかけに他の多肉植物?という種類を集めて育てるのが趣味になったのは余談。
お母様がお姉さんは芸術の国の歌姫としてすごく有名だけどその歌声はお姉さんがその気にならないと聞けないからすごく貴重なんだって言ってた。
過去にものすごい大金を積んだ人がいたらしいけど、逆に敵認定されてその人の国(王様だった)が滅んだとか、
金銀財宝を持ってきて傲慢にも俺のために歌えとか言った人がいたらしいけどその人の一族は歴史上から全員消滅したとか
お母様が言うには、お姉さんに歌って欲しいとどんな理由、どんな貢物があったとしても頼むこと自体が地雷で、その時点で敵としか思われないから禁句なんだって。
噂だと、芸術の国の公共施設の2~3割はそんなお姉さんの逆鱗に触れて滅んだ相手とその余波による賠償金とかなんとか・・。
他にも、なんかすごい噂が色々あったけどどこまでがホントか気になるけど聞いたら後悔しそうだから頑張って気のせいということにする。
・・・頑張って気のせいってことにしたのに結果的にお姉さんからもらった本の中に数冊ほどそのあたりの真実が書かれてるであろうモノが混ざって全部事実であると知ってしまったのは余談。
それから歌は突然始まった。
双子の子たちの演奏が大人顔負けですごく上手というのもあるけど、お姉さんの歌を聞いて改めて知った。
お母様が趣味でいろんな歌い手さんを連れてきて歌わせるたびに首をかしげてた理由が分かった。
・・確かにこれだけ上手だったら、そうなるよね。
耳がとろけそうになるほどの幸福感に埋もれそうになる。
お姉さんの歌は何というかすごい。
男性の声でも女性のかわいらしい声も、年配の男性の声もどんな声でも歌えるし、
油断すると歌の世界に引きずり込まれるような気分になる。
で、思ったけど、今私・・とんでもない贅沢をしてるのではないのだろうか。
だって、世界的にもすっごい有名な公爵令嬢様な上に、すっごい美人でおっぱいがおっきいお姉さんの膝に乗せられ、お胸クッションを堪能しながら抱きしめられつつ虹の公爵令嬢様の歌を直で聞いてるんだもの。
おまけに、私の誕生日会・・。
でもこのお胸は危険だ・・油断すると意識を奪われる・・でも堪能したいから頑張る。(なんで双子さんは平気なの?)
うむぅ・・でもこのお胸クッションは今日限りの限定品でちょっと寂しい・・と、視界の端に私の隣に控えてるスールを見て思いつく。
・・・スールは数歳くらい年上のお姉さんで、年齢と見た目からすると結構お胸おっきかったよね。(着痩せするタイプ)
しかも、スール自身がぽそりとよくまたおっきくなったからブラを買い直さないととか、お金がもったいないけど着けないのはヤバいしとか言ってたし。
よし・・スールのお胸を育てて私のお胸クッション係をしてもらおう。
私のお姉ちゃんみたいなもので一緒にお風呂も私がねだってよくやってるから、そのまま一緒に寝るように仕向けつつそのまま私専属のお胸クッション係も追加しちゃおう、そうしよう。
と、アホなことを考えいたらそそくさと知らないお兄さんとお姉さんたちがやってきた。
しかもお姉さんの歌に合わせてステップよく。
全員が誰だと首をかしげてる中、お姉さんたちはすごくおっきな布?を左右に大きく広げた。(ゲートフラッグというらしい)
そこには、「誕生日おめでとうございます!」と書いてあった。
どうやら、私の誕生日を祝うために誰かが連れてきたらしい。
歌に迷惑がかかるから静かだったけど、口パクで笑顔で私におめでとうと言ってくれてるからほんとに祝ってくれてるんだとわかってすごくうれしい。
ぺこりと頭を下げると笑顔でサムズアップしてた。
で、それだけかと思ったら数名が中央に集まり、お姉さんの歌に合わせて踊り出した。
踊りや踊るメンバーは歌う曲に合わせてすごく様々だった。
一度見れば簡単なものでもとても楽しくなれるものだったり
チームプレイが重要になりそうな感動するものだったり
身体能力がすごくないとできないようなすごいものだったり
つい、笑ってしまうような楽しいものだったり
切ないラブストーリーのように切なくなったり
人によっては、歌が終わったところでバク転しながら去ったり、
改めて私に口パクでおめでとうと言いながらすごい勢いで走り去って言ったり、
すごい人だとバク宙しながら私に笑顔で手を振りながら去っていく人もいたけど。
すごいのは、どの人も完ぺきにお姉さんの歌に負けないくらい演じきったことだった。
シルお姉さんの歌に感動してたお母様も目を見開いて感心しつつ音を出さずに拍手をするほどだったし。
お母様は、シルお姉さんを基準に物事を考えるから常に辛口だから拍手されることはすごく珍しい。
で、その人たちなんだけど、さっきのゲートフラッグもそうだけど、自分たちの体のどこかに共通した刺繍を張り付けたる。
色は青空を背景にした本とペンを持った女性のシルエットというすごくシンプルなもの。
そして、その刺繍を全員が誇り高く見せつけるようにつけてる。
それを見ながら首をかしげてたらゲートフラッグを未だに掲げてる左右に立ってた男女ペアのお姉さんたちが私の視線に気づいてとある本を見せてくれてる。
・・・・って、その本はお姉さんの実家産の教科書?
同じものを見せたらうれしそうに頷いた。
で、思い出した。
そういえば、お姉さんがここ最近この町の広場でお勉強会をしてて、その時に青空教室の参加者の人たちがお姉さんに感謝の気持ちを込めて青空組ってクランを作ったって商会長のおじいさんが言ってた気がする。
その人たちがそうなんだ・・・。
あ、
だからお姉さんが歌ってるときに完ぺきに踊りを合わせたんだね!?
お姉さんに感謝してるならそのくらいのサポートは出来て当然ってことなんだね?
それからの時間は、青空組の皆さんの演技とお姉さんの歌を一生の思い出として忘れないようにしようと決めた。
今日ほど感動する誕生日はないと思う。
それから、歌い終わったお姉さん。
「ふぅ。」
「シル様、お疲れ様でした。こちらをどうぞ。」
「あら、ありがと。」
さすがムトン。
シルさんが歌い終わった直後にタイミングよく飲み物を渡してる。
タダのお水かな?と思ったら、レモンを軽く絞ったレモン水だったらしい。
他のメンバーにも同様に渡されてる。
一通り終わり双子さんてってってっとお姉さんの元に戻ってきた。
「双子ちゃん・・君たち、青空組に依頼したわね?」
双子((コクリ))
「やっぱりあの連中は君たちだったか」
あ・・途中壁を歩いて外に出て行ったときに依頼してたんだ。
「で、報酬は何にしたの?」
-お姉さんのサイン入りの姿絵-
「えぇ・・どこからそんなものを、確かに君たちにいくつか渡してたけど数枚程度だったでしょうに。」
-お姉さんの実家からギルド経由でもらった-
「はぁ・・・お父様ね?」
双子((コクリ))
「まぁいいわ。」
確かに・・お姉さんのサイン入り姿絵はそれだけでもとんでもなく価値がありそう。
ところで、どうしてお姉さんのご実家が?
今回はお姉さんが偶然この町にいたからこうなっただけでご実家は関係ないのでは?
・・・これが、ムトンが言ってた親ばかによる娘さんであるお姉さんのことならどこにいてもどんなことでもかぎつけるってやつ!?
「あ、そうそう。これあげる。」
え?
まだくれるものがあるの?
と、お姉さんはさっきまで歌うときに使ってたマイクに取り付けられていた魔石?を外してそのまま私にくれる。
「あの・・これは?」
「さっきの歌、録音した奴。」
全員「・・・・」
え・・いや・・あの・・。
これ、世界中でも誰1人として持ってないすごく貴重なもの・・。
お母様が教えてくれたことだけど、
過去に録音して売ったら絶対に大儲けなのにとか云々という意見が何度もあったらしいけど一度も許さなかったらしく、そのためお姉さんの歌は本人が歌う以外に聞く手段がないのに加え、
本人が歌う気にならないと絶対に歌ってくれないというとても貴重なものとなった。
そんなこともあったために、余計にお姉さんの虹の公爵令嬢のすごさは他とは桁外れなんだって。
それを手軽にくれるって・・色々とヤバくない?
「大丈夫。それを盗難する馬鹿がいたらそいつごと大陸を消すから。」
全員「・・・」
「それに、そうさせないように色々と弄ってるから。」
全員「・・・」
お姉さん・・真顔で言わないでください・・冗談に聞こえないし、お姉さんの場合本気で出来そうで怖いから。
うん・・厳重に保管しておこう・・というより、ある意味一番安全なお母様に渡しておこう。
その方がお母様もうれしいだろうし、私よりも喜ぶだろうし。
ちなみに、それをお母様に渡したら感動しすぎてそのまま気絶したのは余談。
その時の表情は大変幸せそうだったけど周りは突然倒れるから大慌てだったのですごく疲れたようです。
そして、夕方となり皆さんとわいわいしながら夕ご飯を食べてから私の誕生日会は終了した。
ちなみにシルお姉さんたちは、
青空組に一応声かけとかないとと言いながら去っていった。
すごくさっぱりとした去り際だった。
それから色々と済ませて寝る時間となり、私のたくらみ通りスールを私と一緒の部屋の一緒のベッドで寝ることに成功した。
今はキングサイズのベッドに一緒に座ってます。
サイドテーブルにはお姉さんと私が一緒に描かれてる姿絵を飾って。
「えっと・・ダメというわけではないのですがお嬢様・・なぜに今更一緒のベッドで?私はうれしいですが」
スールもうれしいなら本音を軽く言ってもいいかな?
「シルお姉さんにずっとあのおっぱいに埋もれて抱きしめられ続けてたから、お胸クッションがないと落ち着かないの。」
「・・・・私はシル様ほど大きくないですよ?」
そっちは、おっきくする方法を色々お姉さんに教えてもらったから今後に期待するから大丈夫。
という本音は言わない。
「抱きしめてくれた時に心があったかくなるあの感じは、お母様でもなくてスールが一番だったの。」
「・・」
「私はスールが大好きだよ。スールが抱きしめてくれるのが一番好き。私を大事にしてくれて、守ってくれて色々教えてくれてすごくうれしいの。だからこれからも一緒にいたいからもっと仲良くなりたいの。」
「・・・」
アレ?
反応がない。
ひかれた?
気持ちが悪いって思われた!?
・・・・ってちょっと待って、違う。
なぜかうずくまってプルプルしてる。
そぉっと顔を覗き込むと顔を真っ赤にしてる。
まさか、恥ずかしがってる?うれしいって思ってくれてる?
恥ずかしがってる、スール可愛い。
スールに抱き着きながら耳元に囁くように聞いてみる。
「どうしたの?」
「っ!?・・お、お嬢様!いつからそんな小悪魔属性に!?」
「こあ・・?」
「え・・無自覚?」
「スールのことが大好きなのと、大事なのは本音だけど、それがどうしたの?」
「うぐっ!」
謎のダメージを食らったらしい。
顔が真っ赤。
「お、お嬢様・・それ以上私を褒め殺ししないでください。気持ちは十分わかりましたから、これ以上は勘弁してください・・私が耐えられません。」
真っ赤で私にそういうスール、すごく必至だ。
すごくかわいいけど、これ以上私の好きって気持ちを言うと気絶しちゃうらしい。
うぅむ。
じゃあ、このくらいにしよう。
「じゃあ、必ず最低毎日、私を正面から抱きしめてね?」
「うぅ//・・はい。普段通りならそのくらい平気なのにぃ・・あんなに褒め殺しされた後にこれはきついよぉ・・。」
そういいつつも私を抱きしめてくれる。
シルお姉さんと比べるのは酷だけど、そこそこ大きなお胸でも幸せ。
それに、スールに抱きしめてもらうのが一番ホッとするし、どこからともなくおひさまみたいな香りのするところも好き。
「でも・・今日の誕生日会、一生忘れないようにしないとね。」
「そうですね。奥様からの話によると一生に一度あるのが奇跡と言われることが今回何度も起きてますからね。」
「私、シルお姉さんに祝ってよかったって思ってもらえるように頑張るから。」
「私も同じく頑張ります。では、もう遅い時間ですし休みましょう。」
「うん。」
シルお姉さん。
色々びっくりすることも多かったけど、心の底から祝ってくれてたことや、
我が家のゴミ掃除?をしてくれてお父様とお母様の悩みを解決してくれてありがとう。
私頑張るから、またどこかで会えたら抱きしめて頑張ったねって褒めてくださいね。
ちなみに余談だけど、翌朝から我が家・・というか我が屋敷内では妙な光景を目撃するようになった。
主に、
庭師の仕事を手伝う野良猫と
屋敷内の掃除を手伝う野良猫と
ポーターの仕事を手伝う野良猫と
我が家に忍び込んだりしようとする悪者を退治する野良猫
・・・とまぁ、なんというか野良猫がやたらと我が家の手伝いをするようになった。
後は、私と一緒に家庭教師によるお勉強を受けてたり、
我が家内に出てくる害虫(ガチの虫の方)や、害獣(小さい奴)を退治してくれたりもしてくれる。
・・それはうれしいけどそれを見せびらかしに来ないで欲しい。
屋敷内のメンバー全員にステータスの確認をしてもらったけど全員そんなものはなく、
私やスール、お父様やお母様にも当然なかった。
お父様もお母様もかわいくて優秀なら特に問題ないのでは?と放置するし、
ほかのみんなもかわいいからOKとスルーするから、
ムトンに相談してみたら、教会に尋ねてみては?とのことだった。
なんで教会なんだろう?
と思ったら、そういう不思議な現象はどちらかというと教会に尋ねると高確率で原因がわかることが多いんだって。
で、聞いてみた。
毎朝教会に祈りに行くからそのついでに聞いたって感じだけど。
そしたら
「あぁ・・おそらくジェミニ様の影響でしょうね。」
「ジェミニ様?」
「・・あ、失礼いたしました。その呼び方ではわかりませんでしたね。シル様がお連れだった双子のお子さん方のことですよ。」
「あぁ・・。」
誰1人として名前で呼ばないからすっかり名前を忘れてしまったあの双子さんのことか・・。
「確かに、あの子たちは猫に愛されてましたし、私も撫でてましたけど今回のこととは無関係なのでは?」
あの子たちがお願いしたり、シルお姉さんが指示したらやりそうだけど。
「シル様の影響と、ジェミニ様とこの町の野良猫は全て、通常の猫よりも大変頭がよくなりました。・・良くも悪くもジェミニ様が野良猫たちと仲が良く、やり取りが多くなったことでシル様が色々と教え込んだことが野良猫に大きく影響したようです。その結果、野良猫たちは人間の仕事の手伝いをすれば寝床と食事に困ることはないと学んだようです。」
「えぇ・・・」
猫がまさかの方面に学んでしまった・・。
というより我が家だけの問題じゃなくて町全体だった・・。
「ということは・・」
「はい。この町内限定ですがあちこちの建物で仕事を手伝う野良猫を見かけるようになりましたね。実際この教会もそうですよ。」
そういわれて見渡すと野良猫が教会内を掃除しており、シスターさんがお礼に煮干しをあげてる。
「まぁ、悪いことではないですし、あの方々は周囲に大きく影響させる特異点のような存在です。そういうものですので、あきらめてください。」
ちなみに、このことがきっかけで、この町では野良猫ですらまともに働いてるんだからお前らもまともに働けという文句が飛び交うようになり、まじめに働く人が増えたんだとか(言外にお前は野良猫以下と呼ばれたようなもの)
「わかりました。とりあえず原因はわかったので。」
「それは良かった。どんな些細なことでもお尋ねください。」
ちなみに、我が家で合計10匹の野良猫を飼い猫にして、主に猫好きのお母様が嬉々としてかわいがり、そのうち3匹は私の護衛なんだって・・猫ってそういうものだっけ?
実際すごく優秀だったけど・・。
続きも鈍行ですが頑張って書いてます。
これからもよろしくお願いいたします。




