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42話

 とある日の深夜。


『うわっ!! マジごめん……!!』

『ナイファイナイファイ! いやむしろ3位まで良く粘ってくれたね! ホンマにありがとう!』

「いやマジでナイファイっすよ! ってか俺先落ちしちゃって本当にすいませんっすわ……」


 その日は久しぶりにゴリさん、あたぎさん、俺の三人で通話をしながらペクスをしていた。


『いやいやしゃーないしゃーない! 次頑張ろうぜ! ……って、あ、もう深夜回ってんじゃん。 どうする? まだ続ける??』

『んー、今日は久々のペクスでちょっと疲れちゃったし今日のゲームはこれで終わりでもいいかな? ってか久しぶりに三人集まったんだし、ちょろっと雑談でもしようよー』

「あぁ、はい、わかりました! そういえばマジでこの三人集まるのって久々ですよね! どれくらいぶりだろ?」

『あはは、確かにねー! 多分最後に三人でやったのって3月とか4月くらいじゃないかな?』

『あー、うん、多分それくらいやねー。 新年度に入ってからめっちゃ忙しくなった気がするもんなー。 だからまた三人でこうやって遊べるのめっちゃ嬉しいわー』

「あはは、それはもちろん俺らもですよー!」

『うんうん、そうですよー』

『あはは、二人ともありがとねー』


という事で今日のゲームタイムはこれで終わりにして、ここからはまったりと雑談をしていく事にした。


『いやー、でも二人でオフ会やったのええなー! 私もゴリちゃんとクロ君に会ってみたかったわー』

『あはは、今度はこの三人でオフ会とかもやりましょうねー!』

『うんうん! 是非ともやろー! あ、でも私もゴリちゃんとクロ君に会ったら緊張しちゃいそうやわー』

「あはは、あたぎさんは緊張とか全然しなさそうなタイプでしょー」

『えー? いやいやそんな事ないよー! だってゴリちゃんもクロ君も10代やし、ぴちぴちの高校生やん? 二人ともめっちゃ若過ぎてお姉さんジェネレーションギャップで色々拗らせちゃいそうやもん』

「いやいや、あたぎさんも滅茶苦茶若いでしょー。 ってか、つい最近まであたぎさんも10代だったじゃないですか」

『あはは、まぁ確かになー。 でも現役高校生な二人と現役社畜な私とじゃあ大きな壁があるやん? いやー、でも現役高校生って響きええなー!! 私も高校生に戻って青春したいわー』

『あたぎさん駄目ですよー。 現役の高校生なのにちっとも青春出来てないクソ煽り厨の厄介ゲーマーオタク男子が目の前にいるんですから』

「ちょい待てコラ」

『あはは、まぁ私も今から高校生に戻った所でひたすらゲームしてそうやけどさー』


 そんな感じで俺達は少し前にゴリさんと二人きりのオフ会をした時の感想を伝えていっていた。 もちろんあたぎさんには俺とゴリさんが実は同じ高校の先輩・後輩という間柄だったという衝撃の事実は伝えないでおく事にしておいた。


『いやでもゴリちゃんは大学受験頑張ってなー! めっちゃ応援しとるよー!』

『ありがとうございます! めっちゃ頑張ってきます! まぁでも大学受験が終わっても……その数年後には就職活動が待ってると思うとちょっとしんどいですよね』

「あー、就活はめっちゃしんどそうっすよね……」

『あはは、まぁ確かにそうやなー。 私が今まで生きて来た人生の中で就活が一番しんどかったのは確かやな。 まぁだからこそさ、君ら二人は就活が始まる前までに悔いなく沢山遊んどきなよー! これは一足先に社会人になった先輩からのアドバイスや!』

『はい、そうですよね! わかりました! それじゃあ悔いなく沢山遊ぶんで、ちゃんとあたぎさんもアタシ達と一緒に遊んでくださいよ?』

『あはは、そりゃあもちろんよー!』


 という事で俺とゴリさんは社会人の先輩であるあたぎさんからとてもタメになるアドバイスを貰ったのであった。


(……でもそっか。 就職活動か……)


 そしてその時、俺はふと気になった事があったので、それについてあたぎさんに尋ねてみた。


「あ、ちなみになんですけど……あたぎさんは就活で一番大変だった事とかって覚えてますか?」

『んー? 就職活動で?』

『あ、それは是非とも私も聞いてみたいな!』


 俺がそう尋ねてみるとゴリさんも気になったようで、一緒になってあたぎさんに尋ねてみた。


『うーん、なんやろなー……あ、まぁあれかな? 私は就活の面接対策が一番しんどかったかもなー』

「へぇ、面接対策ですか? なるほどー」

『うんうん。 私はあんまり物事を考えて喋るタイプやないし、それにすぐちょけたくなるタイプやからさー、面接みたいな真面目な話する場面ってめっちゃ苦手なんよなー』

「へぇ、そうなんですねー! ……って、いやすいません、“ちょけたくなる”ってどういう意味っすか?」

『え?? いやちょけるはちょけるやろ? 意味って……どゆこと??』

『あたぎさん、多分ですけど“ちょける”って関西弁ですよ』

『え、マジで!? ちょけるって標準語と違うん??』

「いやー、俺はこの17年間で一度も聞いた事ないっすね」

『同じくアタシも18年間生きて来たけど一度も聞いた事ないですねー』

「え、ほ、ホンマに?? 私これずっと標準語やと思っとったんやけど違ったんかぁ……』


 そう言うとあたぎさんはかなりビックリとしたような声を出してそう言ってきた。


『んー、まぁ意味については……何て言えばええんかな? まぁ調子に乗ったりとか、ふざけとる人を指す言葉かなー。 何となくやけどそんなニュアンスやね』

「あぁ、なるほどー!」

『あぁ、なるほどー!』

「つまりゴリさんみたいな人の事ですね!」

『つまりクロちゃんみたいな人の事だ!』

『「はぁ??」』


 あたぎさんにちょけるの意味を教えてもらった俺とゴリさんはお互いにお互いの事だと思ってそう言ったら完全にシンクロした。


『あはは! ほんまに二人は仲良いなー!』


 そんな俺達のやり取りを見てあたぎさんはあははと笑ってきた。

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[一言] 更新有り難う御座います。 待ってました。
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