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33話

「あたぎさんお疲れさまですー」

『うんお疲れさまー』


 オフ会が終わったその日の夜。 俺はあたぎさんにお願いして今日購入してきたアケコンの練習に付き合って貰う事にした。 ちなみに先ぱ……じゃなくてゴリさんは今日は帰ったら勉強すると言ってたから、今日は多分ネットにはインしてこないと思う。


 という事でしばらくの間はあたぎさんと一緒にわいわいと通話しながら格ゲーで遊んでいたんだけど、ふとしたタイミングであたぎさんが今日のオフ会についての感想を聞いてきた。


『あ、そういやクロ君どうだった? 今日ゴリちゃんとのオフ会だったんでしょ? 楽しかった?』

「あぁ、はい。 えっとその、うーん」

『え、ど、どしたの?? 上手くいかなかったん?』

「あぁ、いやそういうわけじゃないんすけど……」


 俺はちょっとだけ言葉に詰まってしまった。 いやもちろん滅茶苦茶楽しかったんだけどさ、でも今日の怒涛過ぎるオフ会の内容をあたぎさんにどう説明したらいいんだろう? うーん、ちょっと他の人に話すには難し過ぎるんだよなぁ……


(いやまさかオフ会をしたら相手が俺の超高校級の美人かつ好意を寄せてる先輩でした、なんて言う訳にもいかないよなぁ)


 それにいくら俺達と一番仲の良いあたぎさんだと言っても、ゴリさんのいない所でゴリさんの個人情報がぽろっと出ちゃいそうな話題を出すのは絶対に良くないしさ。 という事で今回のオフ会の詳しい出来事はしばらくの間は他の人にも黙っておく事にした。 うん、まぁ少なくともゴリさんが忙しい受験の間は言わない方がいいよね。


「いや楽しかったんですけど、でもやっぱり緊張が勝っちゃった感じですね、あはは」

『あはは、そっかそっか。 まぁでもクロ君の気持ちはわかるよ、だってゴリちゃんってめっちゃ美人さんだもんね』

「え?? あ、そっか、そういえばあたぎさんってゴリさんと会った事あるんでしたっけ?」

『うんうんあるよー! ってあれ? その事クロ君に話した事あったっけ??』

「あぁ、えっと、少し前にゴリさんから聞いたんですよ。 東京のオタグッズを買わせて大阪まで持って来させたらしいっすねw」

『あちゃ~めっちゃ恥ずかしい事クロ君にバレとるんかw』

「あはは、でもすっごいあたぎさんらしいなって思いましたよー」

『いやそれ褒められてるんかよくわからんのやけどw でも去年はゴリちゃんがちょうどよく大阪に修学旅行に来てくれて本当に助かったわー! 東京限定のグッズが沢山手に入って幸せになれたからね! あ、そういやクロ君の所は修学旅行とかってあるん?』

「はい、ありますよー。 夏休み明けに北海道へ二泊三日の修学旅行っす!」

『へぇ、北海道かー! ええなー!! あはは、もしクロ君も修学旅行先が大阪やったら今年もまた“おつかい”を頼もうと思ったんやけどなぁw』

「あはは、そりゃ残念でしたねーw」

『うん、めっちゃ残念やわーって嘘嘘w クロ君とも会えたら嬉しかったなぁって思っただけやからねw 去年も少しの間だったけどゴリちゃんと会えて本当に楽しかったからさー』

「あはは、なるほどー! あ、そういえばゴリさんがあたぎさんの事をカッコ良くて優しいお姉さんだったって言ってましたよ」

『えー、何それめっちゃ嬉しいやんw 今度ゴリちゃんに会ったらお姉さんが沢山奢ってあげなきゃだ!』

「あ、俺もそう思ってるんでよろしくお願いします! 姉さん!!」

『あはは、クロ君はほんまに現金な奴やなーw ええよええよ! 社会人マウントで幾らでも奢ったるわw』

「あはは、あざっす! あ、そういえば少し前にまとまった休みが取れたら東京に行こうかなって言ってましたけどあれから何か進展ありました?」


 そんな話をしていたら少し前にあたぎさんが休み取れたら東京に遊びに行こうかなって言ってた事を思い出したので、それについて聞いてみた。


『あぁ、うん、それねー。 いや実は一昨日くらい前にゴリちゃんがネットにインしてたからちょっとだけ二人で話してたんやけどさ、やっぱりあの子今は受験勉強で忙しいやん? だからゴリちゃんの受験が終わってから東京に遊びに行こうかなって思っとる感じやなー』

「あぁ、なるほどー。 それだと来年の2月とか3月くらいっすかね?」

『うん、大体それくらいで考えとるよ。 あはは、でもそん時は今度はクロ君が受験で忙しくなってるかもね?w』

「まぁ多分それくらいの時期なら大丈夫っすよー。 それじゃあ大阪のお土産も楽しみにしてますね!」

『あはは、ええよええよー任せときー! クロ君はどんなお土産がご所望なんかな?』

「え? うーん、何かこう美味しい食べ物でお願いしたいっすね!」

『あはは、何やそれw 漠然としすぎやんw まぁでもそれなら、クロ君もゴリちゃんも若いし一杯食べれると思うから大阪名物の肉まんを沢山購入してきたげるよ』

「え、大阪名物って肉まんなんすか!? タコ焼きじゃなくて??」

『あはは、やっぱり意外やんなー?w でもめっちゃ美味しいから期待しといてなー』

「へぇ! 了解っす! それじゃあそのお土産もめっちゃ期待してますね!」


 という事でこの日の夜はあたぎさんと大阪のお土産についての話を聞きながら格ゲーを一緒に遊んでいった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 関西人は『肉まん』じゃなくて『豚まん』だろうが…ッ!!
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