オマケ:ゴリさんがゲーム配信を始めた日
(1年以上前の話)
これは俺とゴリさんが初めてオフ会をした日から1年以上も前の……俺がまだ高校一年生だった頃の話だ。
とある月末の金曜日。 その日も俺とゴリさんはいつものように仲良く通話をしながらFPSゲームの協力プレイを楽しんでいた。
『はぁ!? テ、テメェ本当にふざけんなよ!!』
「はぁ!? それはこっちのセリフなんすけど!?」
『はぁ!?』「はぁ!?」
……今日も俺とゴリさんは仲良く喧嘩しながら協力プレイを楽しんでいた。
『いやいや何言ってるん?? 今のは完全に一人で特攻したクロちゃんのせいでしょ!』
「いやいやそっちこそ何言ってるんすか?? 今のはどう考えてもカバーに来てくれなかったゴリさんのせいでしょ!」
『はぁ!?』「はぁ!?」
という事で今はさっきの負けた試合の反省会をしている所だったんだけど……でも気が付いたらどんどんと喧嘩がヒートアップしていった。
『いやそもそも何でクロちゃんいつも勝手に一人で突撃しちゃうん?? そんで勝手に突撃したと思ったら速攻で死んでるしさぁ! 突っ込む前にちゃんとアタシに相談してよ!!』
「いや言った言った! 俺詰めるって超言いましたわ!! なのにゴリさんがカバーに来てくれないから俺死んだんすよ! 普通に考えて俺一人で突撃したらハチの巣にされて死ぬに決まってるじゃないっすか!」
『いやいやちょい待ちよ! 詰めるって言って1秒後にはもう突撃してる馬鹿をどうやってカバーすればええねん!! ってかハチの巣にされるって思ったんならすぐに戻って来いよ! 何のために機動力あるキャラ使ってんのよ!?』
「え、そんなん敵を速攻でなぎ倒すためでしょ??」
『馬鹿野郎かテメェは! とっさに逃げられるためだろ! 機動力あるんだから危ないと思ったんならすぐに引いてこっちに戻って来いよ!』
ゴリさんは怒り口調でそう言ってきたけど、その後もゴリさんの言葉は止まらずに喋り続けてきた。
『そもそもさ、マップ収縮が始まってるのにアタシ達まだ安置外にいたんだよ?? そんな状況で敵を見つけたとしても別に勝負しかける必要は無いじゃん! 安置外ダメめっちゃ痛いんだよ?? もしかしてクロちゃんこのゲームやった事ないの??』
「いや確かにマップ収縮のダメージ痛いっすけど、でも敵を速攻で全員なぎ倒したらキルポイントめっちゃ入って美味しいじゃないっすか! ランク盛るんだったら取れるポイントは取ってかないとでしょ!」
『いやいや、そんな場所で戦っても勝てるとは限らないじゃん!! それよりも敵を無視してさっさと安置内に移動した方が生き残れる確率上がるんだし堅実に順位ポイント盛る動きで良いじゃん! はぁ、全くもうさー、そんな簡単な事もわからないんだったら小学生から学び直してきた方がいいんじゃないかなー???』
『いやいや、ゴリさんこそ何言ってるんすか! 俺達若者に一番必要な栄養素はキルポなんですよ? 陰キャプレイをしてるだけじゃポイントは盛れないんですよ?? はぁ、それなのに一体どうしちゃったんすかゴリさ……って、えぇ!? も、も、もしかしてゴリさんの自称JK(笑)ってやっぱり嘘だったんですかー???」
『は、はぁ!? 何だよそれアタシなんかよりもクロちゃんの方がよっぽど脳筋ゴリラじゃねぇかよ! もう名前変えちまえ!!』
という事でさっきも言ったんだけどこれは今から1年以上前……俺が高校に入学したくらいの時の話だ。 この頃の俺達も今と変わらずお互いに尊敬込みで罵り合いながらゲームをしていたんだ。
……あっ! もちろんわかってると思うけど、これは俺とゴリさんがお互いに信頼してるからこそ成り立ってる罵り合いだからね! 当時から俺とゴリさんはとても仲が良かったし、お互いの事を一番仲の良いネトゲ友達だと思っていたからね!
だからこんな罵り合いの喧嘩を知り合って間もないネットフレンドにやったら即ブロックされるから絶対に止めときなよ!
◇◇◇◇
とまぁそんな感じで今日も夜遅くまで喧嘩しながら一緒にランクマで遊んでいた。
『ふぁあ……今日はこれくらいでやめとこかー? 流石にもう眠いしさ』
「了解っす、ふぁあ……でも何だかんだ言って今日もポイント盛れましたね」
『いや本当に何で盛れたのかよくわかってないんだけど……まぁ結果が良ければ全て良して事にしとこか』
時刻は既に深夜2時を過ぎた所だった。 俺もゴリさんも眠気に勝てなくなってきたので今日のゲームタイムはこれで終わりにする事にした。
『うーん、今日も疲れたなぁ……というかさー、今更過ぎるけどアタシ達ここ最近ほぼずっとペクスしかやってないよね? 流石にやりすぎじゃない?』
「あー、確かにそうっすね。 新シーズンが始まったからってのもありますけど、ここ最近ゴリさんとは他のゲーム何もやってないっすねー」
今からちょうど一週間前にペクスの新シーズンが始まったので、ここ最近俺とゴリさんは毎日眠くなるまでひたすらランクマに籠って遊んでいた。
『だよね? あはは、アタシ達どんだけこのゲーム好きなんだよ! いやまぁ撃ち合いゲーもめっちゃ楽しいんだけどさー、それでもたまには何か違うジャンルのゲームもやりたいよねー。 何か違うゲーム一緒にやろうよー!』
「あー良いっすねー! それならゴリさん何かやってみたいゲームとかありますか? もしあるようなら一緒にやりますよー」
『あはは、そんなのクロちゃんを一方的にボッコボコにしばき倒せるゲームがいいに決まってるじゃん!』
「んなの俺が嫌っすよ!」
すぐさま俺がツッコミを入れるとゴリさんは楽しそうにケラケラと笑ってきた。
『あはは、冗談だよ冗談。 まぁそれじゃあクロちゃんが最近やってるゲームでオススメとかあったら教えてよー』
「え、俺のオススメっすか? うーん……でも俺が最近やってるのってソシャゲばっかりだからなぁ」
『あー、ソシャゲかぁ。 うーん、アタシあんまりソシャゲやった事ないからよくわからないんだよねぇ。 最近やってるソシャゲってクロちゃんがいつも遊んでる音ゲーのあれ?』
「あぁいや、それとは違いますね。 今俺がガッツリと遊んでるのはRPG風のゲームです。 “レッドブルーオーシャンファンタジー”って言うんすけど知ってますかね?」
『あ、それよくCMで見るゲームだ! えっと確か……レドブルだっけ? あのほら、最近よく無料100連ガチャ開催中ってCMしてるゲームだよね?』
「あ、そうですそれそれ! ちょうど周年イベントも始まったし、プレイしてる人全員に便利アイテムが配布されたり毎日無料ガチャも開催したりしてるんで、今新規勢がかなり入ってめっちゃ盛り上がってるんすよ!」
『へぇ、そうなんだ。 それじゃあアタシも試しにインストールだけしてみようかなー? それって無課金でも楽しめるん?』
「あ、はい! もちろん無課金でもめっちゃ遊べるから大丈夫ですよ! あ、あとそういえば……」
『うん? そういえばって?』
俺はそのソシャゲの話をしている時にとある事を思い出したので、それについてもゴリさんに話した。
「えっと実はこのソシャゲを元にした格ゲーが近い内に発売されるんですよ! 俺このソシャゲ最近始めたばっかりなんすけど結構面白くてハマってきてるんで、格ゲー版も楽しみにしてるんすよねー」
『へぇ、そうなんだ? ソシャゲなのに格ゲーも出すって何だか凄いねーって、あれ? そういやクロちゃんって格ゲーとか出来るの?』
「え? いや全然っすよー。 格ゲー自体は今までに何回か遊んだことはありますけど……まぁでもレバガチャしか出来ないタイプのガチ初心者っす」
『ふぅん? ふふ、なるほどねぇ……そっかぁ格ゲーって手があったかぁ……ふふっ』
「ん? どうしたんすか?」
『いやいや何でもないよー? ふふ……』
その時ゴリさんは小さく何かを呟いていたんだけど……でも声が小さすぎて何を呟いてるのかまでは聞き取れなかった。
『……よしっ! じゃあせっかくだしアタシもそのソシャゲやってみようかな! それでアタシもハマったらその格ゲー買ってみるよー』
「え、マジっすか!? 是非是非一緒にやりましょう! って、あれ? そういえばゴリさんって格ゲーはどうなんすか? 遊んだりした事あるんですか?」
『んー? いやアタシも全然やった事ないよ? あたぎさんとちょろっと遊ぶくらいかなぁ……ふふ……』
「へぇ、そうなんですか? あはは、それじゃあお互いに初心者同士っすね!」
『うんうんそうだねぇ、初心者同士仲良くしようねぇ……あ、ちなみにそのゲーム発売日はいつくらいなの?』
「えっと少し待ってくださいね……あーでも発売日はまだだいぶ先っすね、1年後の春夏頃に発売予定らしいっす」
『ほうほう、発売日まではまだ先なんだね、なるほどなるほど……! うん、早く発売されるといいねぇ、ふふふ……』
「う、うん? そ、そうっすね?」
何か知らんけどさっきからずっと意味深に笑ってきてるのがめっちゃ不気味なんだけど……え、なにこれ? もしかしてゴリさん何か企んでるのかな?? うーん、まぁでも気にしても何もわからんし別にいっか。
『あ、インストール終わったよ! とりあえずクロちゃんにフレンド申請送りたいんだけどどうすればいい?』
「あ、了解です! それじゃあまずマイページに行ってから……」
そんな事よりもまさかゴリさんが一緒にソシャゲをプレイしてくれるとは思わなかったので、俺は普通にテンションが上がってしまった。 という事でこの日は来年発売される格ゲーの話をしながらゴリさんにソシャゲのフレンド申請を送ったのであった。
「あ、そういえば」
「んー? どうしたん?」
「あぁいや、そういえばさっきの周年っていう単語で思い出したんすけど、俺とゴリさんが友達になったのも今からちょうど2年くらい前ですよね」
『確かに言われてみればそうだね、フレンド申請したのってちょうど今から2年前くらいだもんね。 いやーそう考えると時が経つのって早いなー。 あ、今更だけど高校入学おめでとう!』
「いや本当に今更過ぎて草なんすけど」
『あはは、確かに今更過ぎるかーw あ、ついでにアタシ達の友達歴2周年もおめでとう!』
「はは、なんすかそれ。 全くもう、ゴリさんはいつもテキトーなんだからなー。 まぁでもありがとうございます!」
という事でもう高校に入学して1ヵ月近く経ってるのに今更ながらゴリさんから入学祝いのメッセージを貰った。 ついでに俺達の友達2周年記念のお祝いメッセージも貰った。
「いやでも俺、ゴリさんとこんなにも長い間ずっと一緒になってゲームをやり続ける仲になるなんて思ってもなかったっすよ」
『そんなんアタシだってそう思ってるよ。 こんな超クソ生意気な子と2年近くフレンド続けられてるなんて奇跡だよねー?』
「あはは、その言葉そっくりそのまま熨斗つけてお返ししますわ♪」
『あはは、てめぇ殺すぞたこ♪』
でも思い返してみると昔の俺達はこんな煽り合いの喧嘩なんて全然してなかったし、ゴリさんだって昔は何というかこう、大人しいお姉さんって感じだった気がするんだけどなぁ。 うーん、そう考えてみると……
「でもゴリさんってアレですよね。 この2年間で随分と口が悪くなりましたよね?」
『いやいや口悪くなったって言うならクロちゃんも相当酷くなってるからね? 絶対にアタシよりもクロちゃんの方が口悪くなってるからね?』
「いやいやいや! そりゃあ確かに俺も自覚はありますけど、でも俺はゴリさんと違って“殺す”とか“死ね”っていうパワーワードは一度も言った事ないっすからね?」
『え? あ、あれ、そうだっけ?』
「あ、ちなみにですけど俺はゴリさんに“テメェ殺すぞ、死ね!”ってもう数えきれないくらい言われてますからね?」
『え!? えぇっとその……あれ? ア、アタシそんな怖い言葉なんて一度も使った事無いんだけどなー??』
「いやいやさっきもそれに近しい言葉を使ってましたけど?? え、もしかしてゴリさん数時間前の記憶すらお持ちでない??」
『うんよしもう眠いし今日はそろそろ寝よかー?』
「ちょっ! 無視の仕方が雑いって!」
そう言ってゴリさんはわざとらしく欠伸を俺の言葉を遮ってきた。
『ふぁあ……だってお姉さん眠いしクロちゃんの言ってる事の意味全然わかんないんだもん。 だからクロちゃんもそんな不毛な話してないでさっさと寝なー?? ほらほらー、早く寝ないとクロちゃん身長伸びてくれないよぉ?』
「ほ、本当にゴリさん良い性格してますよね……!!」
『ふっ、よせやい照れるやろがい』
「褒めてねぇよ!! はぁ全くもう……でもこんな感じだとリアルのゴリさんも相当な厄介系女子なんだろうなぁ」
『はぁ? いやいやそんな事無いからね? リアルのアタシは清楚で可憐かつ品行方正なJKとして有名だからね?』
「ぷははっ!w ほざきよるw」
『ほざいてねぇよ!』
そんな感じで今日もいつも通りゴリさんがほざいてきたので俺は笑いながら話を続けていった。
「いやいや絶対にほざいてるでしょw ってかいつも思うんですけどそれどこの漫画の世界の話っすか? 現実にそんな完璧なJKいるわけないでしょー」
『いやいや! 本当本当、本当だからね!』
「えー? んーじゃあ、まぁ清楚かつ可憐ってのは100万歩譲って認めてあげてもいいっすけど……でも品行方正だけは絶対嘘っすよ! だって俺ゴリさんに品行方正の欠片も感じないっすもんw」
『は、はぁ!? おい何でだよ!? ちゃんと感じ取ってよ! 品行方正なオーラめっちゃ出てるやろがい!』
「いやいや一切出てないっすよ……あっ、それで俺気づいちゃったんすけど、ゴリさん時々“彼氏欲しいなー”って言ってるじゃないっすか?」
『え? うん、まぁ言った事もあるけど?』
「それで俺……何で超絶美人な可憐JK(笑)なゴリさんに彼氏出来ないのかなぁ? って思ったんすけど、今日ようやくわかりましたわ。 ゴリさんリアルでも口がメッチャ悪いから彼氏出来ないんじゃないすか??」
『はぁ!? んなわけ無いでしょ!』
「いや絶対にそうですって! だってゴリさん清楚かつ可憐かつ美人JKなんでしょ?? それなのに彼氏出来ないって……それリアルでも相当口が悪いからなんじゃないっすか? それかリアルでの性格がドチャクソ悪いとか?? あぁいや違ったわ、リアル“でも”性格がドチャクソ悪いとか??ww あはは、どっちにしろゴリさんはもっとお淑やかな淑女を目指した方がいいんじゃないっすかねー??」
『……』
「あぁいやでもそんなん無理かw だって毎日秒で死ね死ね言ってくる脳筋ゴリラ先輩ですもんね。 そんな野蛮人に品行方正とかお淑やかさを目指せっていう方が無理っても――」
『あ゛あ゛ん゛っ!?』
「うわビックリした!」
俺がそんな事を言い続けていたら突然メチャクチャ低いトーンでゴリさんが唸り声を上げてきた。 普通に滅茶苦茶ビビった。
『……ふ……ふふ。 流石のアタシもキレちまったよ……』
「え? ど、どうしたんすかゴリさん……?」
『ふ、ふふ……ふふふふっ……! そこまで言うんだったらよぉ……クロちゃんに見してやるよ……アタシの本気ってやつをさ……!』
「ほ、本気? い、一体何を言ってんすか……?」
『あぁ……明日さ、アタシToutubeでゲーム配信をしてやるよ、しかも対人ゲーだ。 対人ゲーで暴言を出さない方が難しいよねぇ……?』
「えっ!? 配信!? ゴリさん配信勢だったんすか?」
『いや違うよ、やった事すらない』
「違うんかい! ……って、え? じゃ、じゃあ何でまた急に?」
『いやゲーム配信ってさ、知らない人からも見られるわけじゃん?』
「は、はい、それはそうですけど」
『だからさ……アタシはゲーム配信中ずっと全力で品行方正のキャラを演じ切る。 それでもしその配信中にアタシが一度でも“殺す”って言ったらアタシの負け。 最後まで言わずに品行方正を演じ切ったらクロちゃんの負け。 これでどうよ?』
「は、はぁ……? いや何それ絶対に俺の勝ち確定な未来しか見えないんすけど?」
『あ、その代わり、テメェが吹っ掛けて来た喧嘩なんだから……アタシの配信は必ず最後まで見ろよ? それが勝負の条件だからね?』
「い、いやそれは全然いいっすけど……え? でもゴリさん配信は何時間くらいするつもりなんすか?」
『良し決まりだね! それじゃあ明日の準備しなきゃだからアタシ先落ちるね乙!』
「えっ!? ちょ、ちょ待っ――」
―― ゴリ林さんとの通話が終了しました。
俺の質問をガン無視して通話が切られた。 よくわからないけど、どうやら明日ゴリさんはゲーム配信を始めるらしい。 俺は少しだけ嫌な予感を感じつつも翌日の土曜日を待つ事にした。
そして土曜日の夕方。 ゴリさんからメッセージが届いた。
“おらっ! 今日夜9時から配信してやんよ、テメェがふっかけてきた喧嘩なんだから最後までちゃんと見ろよ!”
「ほ、本当にやるのか……いやあの人行動力の化物すぎるだろマジで」
続いてURLが送られてきた。 Toutubeのチャンネルページのようだ。
「うーん、まぁでもゴリさんって喋るのかなり上手いし、本気で配信をするんだったら結構面白いかもしれないよなぁ」
俺はそう思いながらゴリさんから送られてきたURLをクリックしてみた。
『リアルJCゴリラのゴリ・ゴ・ゴゴ・リゴ(⋈◍>◡<◍)。✧♡Ch』
「……はい?」
ゴリさんによる狂気の1日限定ゲーム配信が幕を開けるのであった。
◇◇◇◇
『はーい! どうも初見の皆様始めましてー☆ 今日から配信を始めてみました、リアルJCのゴリ・ゴ・ゴゴ・リゴって言いまーす☆ 当チャンネルにようこそー☆』
そこにはいかにもなフリー素材のようなゴリラのガワを被った、自らをJCと偽るJKゴリラがそこにはいた。
えんじ:痛い
彩音:ばか草
ぺこ:ww
ゆうch:ヤバそう
atagi:絶対JCじゃないw
『おっとー! 始めたばかりなのにこんな沢山のコメントありがとうー☆ 皆のコメントがこんなに沢山きて僕嬉しいよー☆』
えんじ:ネタに極振りしすぎだろ
ゆうch:初見バイバイすぎんかこの配信……
ぺこ:まさかの僕っ娘!?
彩音:おいおいパワーワード詰め込みすぎだろ
atagi:いやもしかしたら男の娘ゴリラの可能性も?
kuro:親が見たら泣くぞ ←俺
今現在のチャンネル登録者数及び同接人数は共に6人……って、いやよく見たら視聴者全員身内だわ。 だってゴリさんと一緒にやってるペクス仲間達とHNが同じだし。
そんな感じで挨拶的な雑談をしていると、ちょこちょこと初見の人達が配信を見に来てくれていた。 同接も気が付いたら10人を超えて、もうすぐ20人になりそうだった。
たけ:初見です。 このチャンネルはどのような事をするチャンネルなんですか?
あの花大好き:名前が厳つすぎてわろた。 名前の由来はなんなの?
エンドレスおじ:本当にJCなんですか? 何歳ですか? 告白してもいいですか?
結月ゆっかり:ボイチェン男? それともガチの女?
『初見さんありがとうー! こんなに質問を貰えて僕も嬉しいよぉ☆ でもよくある質問に関しては予め全部概要欄にまとめてるから、そっちを見てからコメントしてね☆ JCとの約束だぞ☆』
彩音:初見に優しいチャンネルで感動した
結月ゆっかり:今日から始めたばかりのChなのに準備が良い!
あの花大好き:視聴者に優しい配信は伸びる!
たけ:はーい! わかりました!
ぺこ:あまりの優しさに泣きました、チャンネル登録しときます
(へぇ、そういうのちゃんと準備してたんだな。 めっちゃやる気あるじゃん)
という事で俺も早速画面をスクロールしていって概要欄の説明文を見てる事にした。
“概要欄:答えを求めてんじゃねぇよタコ。 テキトーに見て勝手に察しろ”
kuro:おい待てゴリラこら
えんじ:視聴者バカにしとんのか
彩音:こ れ は 酷 い
たけ:あまりにも投げっぱなしすぎて笑っちゃった
あの花大好き:流石に草生えたわ
atagi:清々しいクズさに惚れました、チャンネル登録しました
『本当に視聴者の皆ありがとねー☆ そしてこれからは質問してきた人達には、皆で概要欄に誘導してあげてねー☆』
たけ:はーい
ずんたん:了解です
結月ゆっかり:わかりました
kuro:おい待てよ、コイツ今後来る質問全部答えるつもりないだけだぞ!
彩音:流石ゴリラ汚い
『はい、という事で自己紹介も終わったし、今日の配信のやる事を紹介するねー☆』
ぺこ:おー、楽しみ!
Atagi:どきどき
たけ:わくわく
『まぁやっぱりねぇ……配信の王道って事で今回はゲーム配信をしていこうかなと思ってるよー!☆』
ゆうch:まぁやっぱりそうよね
彩音:ゴリラのクセにやる事が王道だった
結月ゆっかり:何のゲームやるんだろう?
たけ:楽しみー!
『皆反応ありがとうー嬉しいー☆ それじゃあ早速“24時間耐久ペクス”をやっていくよー!』
「……は?」
たけ:おぉ……え?
えんじ:24……時間……?
atagi:JCなんだからもう寝てもろて
ゆうch:同接たったの25人如きでやっていい企画じゃない
彩音:ゴリラ……お前……逝くのか?
『いや皆の言う事もわかるよ? でも聞いてくれ! やっぱりね、JC常々考えていたわけよ、JCの成長の秘訣は質の良い睡眠なんかじゃない……キルレだろうがよ! ってね☆』
彩音:いきなり口調変わってばか草
atagi:一人称が僕からJCに変わって草
kuro:JCはキルレなんて気にしない
結月ゆっかり:おい本当にコイツJCか?
えんじ:絶対に脳筋ゴリラだろコイツ
『ということでねぇ……皆にはJCの24時間耐久配信には付き合って貰うからね、あははっ! もし見てくれてなかったら……ふふ、どうしちゃおうっかなぁ?☆』
彩音:おい誰かこの馬鹿止めろ
ぺこ:何という恐ろしい企画
atagi:唐突に試される視聴者達
えんじ:いやコイツ途中で絶対に寝るだろ
kuro:すいません無理です嫌です許してください
ずんたん:もう既にボクっ娘要素消えてる件
『おっ、kuroさんコメントありがとー! “すいません無理です嫌です許してください”との事でーす☆ あははー、なるほどなるほどー!そっかそっかぁ☆ ……てめぇふざけるなよ??』
ぺこ:ひぇ……
彩音:いきなりのガチトーン草
atagi:ブチキレとるやんw
たけ:いや絶対にJCじゃないだろコイツ
kuro:嘘です最後まで必ず見届けます……
『あははっ! うそうそ、冗談だよぉ☆ いやぁでも嬉しいなぁ……最後まで見てくれるなんてさぁ……!』
ぺこ:私は途中で抜けるけどクロ君さん頑張ってください ←身内①
彩音:一人だけ言質取られてばか草 ←身内②
えんじ:誰か知らんけど24時間一緒に頑張って起きててあげてください(笑) ←身内③
atagi:クロ君さんって人がんばえぇ! あ、一足先に寝ますおやすみなさい ←身内④
kuro:ぐぎぎ……
(くそっ……ハメられた!!)
いや何が勝負だよ! この脳筋ゴリラは俺も一緒に地獄に叩き堕としたいだけだ! 絶対に俺の土日休みを潰す事しか考えてねぇじゃん……!
『よし! それじゃあ早速……始めていくよー!☆』
こうして脳筋ゴリラ姉さんによる悪夢の24時間耐久ゲーム配信がスタートしたのであった……
◇◇◇◇
配信を初めて1時間が経過した頃。
『いやぁん☆ 負けちゃったぁ悔しいなぁ~☆』
彩音:ぶりっこきちい
えんじ:いや自らをJCを名乗る奴だし、そりゃぶりっこくらいするだろ
あの花大好き:実際にJCだったとしてもキツイだろ
結月ゆっかり:ってか誰もJCだと思ってなくて草
病みラミ:いやどうせコイツ男だろ、皆騙されるなよ
彩音:女である事すら否定されたらコイツに残るのゴリラだけになるぞ
『うわ~い、応援コメントも沢山ありがとぉ! 皆の応援の力で残りも頑張っていくよ~☆』
結月ゆっかり:ポジティブすぎだろこのゴリラ
kuro:無敵すぎて逆に応援したくなってきた
えんじ:ネタ配信だとしてももう少しまともなキャラ設定にするだろ
たけ:でも順調に同接増えていってるね、今50人だよ
彩音:最初同接6人だったのに、ゴリラを見守る視聴者が50人になってるの笑うわw
◇◇◇◇
配信を初めて3時間が経過した頃。
『あ、みんな~日付が変わったよぉ~☆ 日曜日が始まったね~☆』
たけ:え? もうそんなに時間経ったんだ
えんじ:配信してから3時間も経ったのか、なんか時間経つの早く感じるな
彩音:全部クセしかないからイロモノ系の配信だと思ってたのに意外と面白くてついつい見続けてた
あの花大好き:上に同じく。 すぐにブラバしようと思ったのに意外とゲーム上手くてついつい見続けてた
atagi:残り21時間配信がんばえぇ
病みラミ:えっ!? このゴリラあと21時間も配信するの!?
kuro:あと残り21時間って言われるとやっぱり狂気過ぎるだろこの配信……
『……あっ! ごっめーん☆ ちょっとだけメタい事を今から言うねー☆ ……これあと21時間もやるって馬鹿かよ……』
ぺこ:急に声のトーンメチャクチャ下がってビックリした
あの花大好き:いきなり低い声にしないでくれ怖いわ
『いやそれはごめんだけど、でも何なのこれ?? 企画した奴絶対に馬鹿じゃね??』
えんじ:メタ発言すぎて笑うわ
結月ゆっかり:もう配信飽きとるやないかい
kuro:いやそんなん最初からわかってたやろがい!!
『いやオメェも最初から気が付いてたんなら最初に言えよころ……』
kuro:ころ……?
たけ:ころ……ってなに?
ぺこ:え? いきなり黙ってどうしたん?
えんじ:放送事故??
彩音:いやコイツ絶対にban対象のワード言おうとしただろw
『……えっ!? い、いや……え、えーっと、こ……コロッケが食べたいなーって☆ 揚げたてサクサクのコロッケが食べたいなーって思ったんだよ!! 別にいいだろ!!』
kuro:脈絡無さすぎて草
彩音:逆切れしてて草
えんじ:配信中に食べて良い物じゃない件
ゆうch:揚げたてサクサクコロッケ咀嚼ASMR配信待ったなし
病みラミ:いやコイツ放送禁止用語言いかけただけだろ
ずんたん:じゃあ次の言葉は絶対に“す”だったなー
『えー?☆ 皆何言ってるのー?☆ JCがそんな汚い言葉使うわけないじゃん☆ あははー☆』
kuro:すっかり忘れてたけどそういえばJCって設定だったわ
えんじ:そもそもだけど何でゴリラが日本語喋ってるの?
病みラミ:あかん……つっこみ所が多すぎて未だにこの配信どういう見方をしたらいいかわからんのやけど……
たけ:↑この配信の見方はちゃんと概要欄に書いてあるよ! しっかり読んできてー
病みラミ:おー、親切にあざす! さっそく見てくるわ!
あの花大好き:www
彩音:そのやり取りは流石に草しか生えんわww
えんじ:絶対にキレるだろうなw
結月ゆっかり:キレないわけがないw
病みラミ:おいふざけんな!! なんだあの概要欄は!!
彩音:ようこそゴリラの世界へ
ゆうch:ようこそゴリラの世界へ
結月ゆっかり:ようこそゴリラの世界へ
えんじ:ようこそゴリラの世界へ
たけ:ようこそゴリラの世界へ
ぺこ:ようこそゴリラの世界へ
病みラミ:いや何でここのリスナー達こんなに統率しっかり取れてんの!? 今日が初配信なんだろ!?
◇◇◇◇
配信を初めて6時間が経過した頃。
『やった~チャンピオン取れたよ~☆ ……っておーい、皆~起きてるか~い?☆』
ぺこ:チャンピオンおめー
病みラミ:ネタ配信だと思ってたのに意外とプレイ上手くてビビってる
結月ゆっかり:ってか深夜3時だっていうのにこのゴリラ元気すぎんか?
彩音:もうそろそろ寝たい……寝てもいい?
kuro:ってか眠くないの?
『え~? JC眠くないのかって~? あはは、何言ってるの、眠いに決まってるじゃーん!☆ そんな当たり前の事を聞くんじゃないぞ☆』
彩音:草
atagi:我慢してただけかいw
病みラミ:やっぱりゴリラも眠いんじゃん!
あの花大好き:ってか初配信で6時間もやってるの頑張りすぎ!
kuro:ゴリラ凄い、凄すぎる!! だからもう寝よう!! 寝ませんか? 寝てもいいですか??
『え~? 嫌だよぉそんなのっ☆ ……だってJCはさぁ……君達の日曜日を全力で潰すためだけに配信してるんだからさぁ……!』
kuro:ひぇ……
彩音:やだ何このゴリラ怖いんだけど
ぺこ:ヤンデレゴリラじゃったか……
病みラミ:いやなんでこんな狂気の配信に同接200人も来てるのだろうか……
たけ:でも何故かブラバ出来ないよくわからん魅力があるのも事実
えんじ:これでゴリラが寝落ちしたら全力で笑う自信しかない
『あははっ☆ JCが皆を残して先に寝るわけないじゃん!』
kuro:圧倒的なフラグにしか聞こえないぞ
彩音:いつでも切り抜き作る準備だけはしといてやるよw
病みラミ:ゴリラの切り抜きなんて需要ないだろw
◇◇◇◇
配信を初めて7時間が経過した頃。
『おいおいちょっと待って! 今のあれ絶対にチートじゃん!』
kuro:秒で溶かされてたね、チーターこわ……
彩音:あんなん勝てんわ。 ちゃんと通報しときな
たけ:やっぱり上位ランク帯になるとチーターとか増えてくるんですね
『はぁ、マジでむかつくんやけど!! なぁおい! ウチ許せへん存在が1つあるんやけど皆きいてくれへんか?』
ぺこ:突然の猛虎弁で草草
atagi:エセ関西弁にも程があるww
kuro:関西圏の人達に怒られてしまえ
彩音:↑しょーがねーだろゴリラなんだから
たけ:許せないのってなに?
あの花大好き:なんだろ?
ずんたん:どうせチーターって言う
病みラミ:チーターだろどうせ
ちんちろ:チーターって言うに1000ソシー
『んなの無線環境でオンラインに籠る奴に決まってるじゃん! この仲間絶対に無線環境だろ! さっきからずっと落ちたり復帰したりを繰り返してるよぉおおおお!誰か助けてくれえええええ!』
ゆうch:全然チーター関係無くて草
ぺこ:草
彩音:草
たけ:ww
ちんちろ:でもわかる
病みラミ:それは確かに許せない存在やわ
じゅず:嫌なら固定メンツでやれよカス
『あぁん!? 仕方ねぇだろ24時間耐久ペクスを一緒にやってくれる友達なんていねぇよ! 揚げたてコロッケ食わせるぞテメェ!!』
kuro:落ち着けJC
じゅず:なんかごめん……
彩音:コロッケを隠語にしてて草
病みラミ:コロッケって言えば許されると思ってない?
ずんたん:謝罪の揚げたてサクサクコロッケ咀嚼ASMR待ってます
『はぁ……ったくよぉ……ふぁぁ……』
kuro:あれ?? あれあれぇ??
彩音:まずい
ぺこ:まずい
atagi:まずい
たけ:え?
あの花大好き:は?
結月ゆっかり:もしかして……あくび……?
えんじ:これはまずい
病みラミ:悲報:まだ7時間しか経ってない件
じゅず:わろた
『は、はぁ!? 欠伸なんてしてねぇだろ! 嘘つくんじゃないよ! てめぇらにもコロッケ食わせるぞ!』
kuro:もう絶対にコロッケって言いたいだけだろ
えんじ:いや普通に考えて眠いだろ
あの花大好き:俺も眠いもん
リンスイン:わこつー初見です、とりあえず何この地獄の配信は?
彩音:視聴者全員の土日を潰そうとするJCゴリラの24時間耐久配信だよ
たけ:説明しようとしたけど彩音さんの説明で大体合ってました!
リンスイン:え、何それこわ……
病みラミ:改めてそう聞くとやっぱりここの配信地獄じゃねぇか!
◇◇◇◇
配信を初めて10時間が経過した頃。
『眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い!!』
たけ:あかんついに壊れた
葵:ゴリラの言語がゲシュタルト崩壊してる件
ゆうch:いやそらそうやろ、もう朝だもん
えんじ:なのに同接500人に増えてて草
葵:普通に面白いから友達にこの配信宣伝しといたわ
kuro:トイッターから来ました! 発狂してるJCゴリラが見れると聞いて!
『うっせぇぇええ!! もう無理辛い眠いって!! ってか何で早朝に同接500人も来てるんだよ馬鹿かお前らさっさと寝ろ! もしくは仕事か学校にはよ行け!』
結月ゆっかり:日曜に配信してるゴリラが悪い☆
病みラミ:残念ながら今日仕事休みなんだ☆
たけ:ごめん今日学校休みなんだ、あはっ☆
kuro:あれおかしいな? つい数時間前までは“テメェらの日曜を潰す”って豪語してたはずなんだが??
『ごめんって! 悪かった! アタシが全部悪かった! 謝るよ! だから……もうやめてもいいでしょうか……?』
kuro:は?
えんじ:は?
たけ:は?
じゅず:は?
リンスイン:は?
ずんたん:は?
病みラミ:嘘だろ??
『ちょっ! お前ら何でそんなに統率取れてんだよ! 今日配信始めたばっかりなんやぞ!?』
ゆうch:何言ってんの?
病みラミ:ここまで煽っといてそれは無いよなぁ?
kuro:オメェが始めた喧嘩なんだから最後までやりきれよ(笑)
『う……うがぁあああああ!! いいよわかったよ! テメェら……こうなったら最後までちゃんとついて来いよな!!』
えんじ:あ、ごめん寝るわ
たけ:お休み~
病みラミ:じゃあ塾に行ってきまーす
ちんちろ:デート行ってきま
ずんたん:やっぱり仕事だったわ
じゅず:ジム行ってくるわ
リンスイン:勉強しなきゃ
kuro:朝飯食ってくるわ
『ふざけんなテメェら!!!』
◇◇◇◇
配信を初めて12時間が経過した頃。
『……ねぇ、もしかしてなんだけどさ……これってスナイプされてる? さっきから初動被せられたり、待ち伏せされてたりするんだけど、これって気のせい……?』
kuro:スナイプってかゴースティングされてね?
たけ:同接増えてきてるし多分ゴリラを狙ってる奴いるな
病みラミ:配信遅延モードとかにした方が良くね?
リンスイン:気づいたら同接800人じゃん、あと少しで4桁いくぞ
じゅず:いや何でそんなに見てる奴いんの??
ずんたん:そんだけ見てる奴いるなら複数の愉快犯に狙われてるかもね
『はぁ? ランクマでそんな事する奴おるんか?? 初動被せてくるならキルポだけ置いてけよな!』
結月ゆっかり:言ってる事が完全にドチンピラ
病みラミ:すっごい今更だけど最初のJC(笑)口調どこいった?
たけ:もうJC騙るつもり一切無い件について
あの花大好き:むしろこっちの口調の方が清々しくて好きだわ
彩音:おはよ。 って、あれ? ゴリラまだ寝てないの??
kuro:おはよーっす。 多分あと数時間で寝落ちするよ
彩音:おっ、了解。 じゃあ寝落ちしたらそこ切り抜いてあげるからはよ寝てもろて
『いや寝ねぇよ!! そんなん期待すんな!!』
◇◇◇◇
配信を初めて14時間が経過した頃。
『あのヤローーーーー!! おいアイツ!! さっきもあのHN見たぞオイ!! ゴースティングされてんじゃねぇかよクソがよぉおお!』
彩音:まずい! JCがご乱心だ!
えんじ:おいJCゴリラ冷静になれ。 お前は今JCなんだろ
病みラミ:化けの皮が剥がれてるぞ
煌星:初見です、発狂ゲーム配信が見れると聞いて来ました!
あの花大好き:同接1000人越えおめでとう!
たけ:ここから初見の皆様、信じれないかもしれませんが、配信主は最初“僕っ娘JC”を装って配信してました
彩音:↑いやそれ開始3分くらいで既に崩壊してたけどね
『うがあああああああ! 許せねぇ! 絶対にコイツらだけには屈しねぇからな! JCの本気と意地を見してやんよ!』
えんじ:カッコ良すぎる
彩音:何だか主人公みたいなゴリラ
ぺこ:ついに本気を見してくれるんですか?
ゆうch:きっとこのゴリラならやってくれるはず!
病みラミ:どうしよう、このゴリラに惚れそう
『スナイプでもゴースティングでもかかってこいや! アタシは逃げも隠れもしねぇ!!』
たけ:うぉお! がんばえぇ!
リンスイン:残り10時間応援してます!!
◇◇◇◇
配信を初めて16時間が経過した頃……
『……ぅぁ……ぇぁ……』
病みラミ:おいこのゴリラついに喋らなくなったぞ
彩音:何でかわからないけど即堕ち2コマ思い出した
あの花大好き:眠気にも屈したゴリラ
かなぶん:初見です。無音配信部屋ですか?
たけ:初見さんいらっしゃい! よくある質問は主さんが概要欄にまとめています! それを読んだらわかります!
かなぶん:親切にありがとうございます! 早速確認してきますね!
彩音:わろたw
えんじ:草
『……ぅぁ……チテ……コロチテ……』
病みラミ:あ、あかんやん……このゴリラもう限界やん
ゆうch:あと9時間も残ってるのに大丈夫か?
彩音:大丈夫だよ、このゴリラならきっとやってくれるはずだから(腕組後方彼氏面)
『……すぅ……すぅ……』
彩音:あ
kuro:あ
ぺこ:あ
たけ:あ
病みラミ:まずい
あの花大好き:まずい
atagi:まずい
えんじ:落ちたなこれ
リンスイン:お疲れッした
ゆうch:さてと、今日の晩御飯何食べようかなー
彩音:あ、ジャガイモ潰して油で揚げたサクサクのあれとかどうかな?
病みラミ:コロッケやないかい!
◇◇◇◇
配信を初めて18時間が経過した頃。
『てめぇらあああああ! なんで起こしてくれなかったんだよおおおお!』
彩音:草
kuro:草
えんじ:草草
病みラミ:こんなん草しか生えんわ
たけ:ww
ゆうch:寝すぎわろたw
『いやでも待ってよ! 二時間も惰眠を貪った事でさ……もしかしたらスナイプしてきてた奴ら全員いなくなったんじゃないかな??』
たけ:あ、確かに
病みラミ:ありうるな
あの花大好き:それを狙ってわざと寝てたんですねわかります
ぺこ:策士なゴリラじゃったか
リンスイン:え!? と、とういうことは……ついにブチキレないゲーム配信が始まるって事ですか??
ちんちろ:ここまでJC要素皆無だったけど……いよいよJCによる可愛い配信が見れるってま?
えんじ:今までゴリラ要素しかなかったもんな……
『あははー☆ それじゃあ残りの7時間はJCらしいゲーム配信を心がけるねー☆ 皆も僕の応援よろしくー☆』
彩音:17時間ぶりに本来の性格を思い出したゴリラ
結月ゆっかり:17時間ぶりの僕っ娘でわろた
病みラミ:久々過ぎてその口調違和感しかない
リンスイン:早く元のゴリラに戻して
kuroどうせ2時間もしたら戻るよ
『えー?? 何言ってるのー?? 皆が何言ってるのか僕には全然わかんないよー☆』
病みラミ:きっつ
彩音:いいから早く発狂してもろて
kuro:ゴリラが無理すんなよ
えんじ:はよ、発狂はよ
ゆうch:本日の発狂会場はここですか?
『ふふん、僕が発狂するわけないじゃん!!☆ まぁここからは僕の華麗なプレイを楽しんで行ってねー!☆』
◇◇◇◇
配信を初めて20時間が経過した頃……
『スナイプばっかじゃねぇかよカスがよぉおおおお!』
彩音:草
リンスイン:ばか草
ゆうch:草草
病みラミ:こんなん笑うわ
えんじ:おかえりゴリラ
ちんちろ:本当に元に戻るの早い
『う……うぅ……うわあああああああ! もう無理だああああああ!!』
ゆうch:!?
えんじ:!?
たけ:ど、どうしたJC!?
病みラミ:おいゴリラ……弱気になるなよ……!
リンスイン:まだ大丈夫! JCならまだまだいけるって……!
『うわあああ……ああぁぁ……ぅぁ……ぁぁ……もう……ダメ……だ……』
彩音:あかんゴリラが屈してしまう……
病みラミ:お、おい! 頑張ってくれよ!
atagi:頑張ってくれー
ぺこ:そんな悲しい声ださんといてくれ……
『あと少しで……次のランク帯にいけるのに……眠すぎで集中力切れてるし……スナイプされるし……そもそもアタシが弱すぎるのが……問題だし……あ……あぁ……ぅぁ……ぁぁ……』
あの花大好き:おい……俺達はそんな弱気なゴリラが見たいんじゃないんだぞ!おい!
えんじ:JCゴリラの弱気発言初めて聞いた……
ゆうch:おい本当に弱ってるじゃん! 大丈夫か!?
ぺこ:おう、もう休め、お前さんは頑張ったよ
atagi:ゴールしてもええんやで
彩音:今日はもう寝よう
リンスイン:もうゴールしよう
『ぁ……い、いやだよ……! だって……だってもうすぐ次のランク帯に到達出来るのに……なのに……こんなことで……こんなことでアタシは屈したくないんだ!!」
kuro:ゴリラ……
彩音:どうしよう泣きそうになってきた
たけ:ヤバイ、ちょっと待ってカッコよすぎじゃないか?
病みラミ:最初は絶対にネタ配信だと思ってたのに……すっごいアツイ配信じゃねぇか
リンスイン:応援してるぞ!
atagi:頑張れ!
えんじ:残り4時間、最後まで見届けるぞ!
ぺこ:頑張れぇ!
『み、みんな……ありがとう……! それじゃあ……テメェら! 今度こそ……最後までちゃんとついて来いよなぁ!!』
彩音:おうっ!
えんじ:後少し頑張っていけー
ゆうch:いけいけ!
病みラミ:応援するよ!
kuro:頑張れー!
たけ:応援してます!
atagi:いけぇ!
ぺこ:頑張れーーー!!
◇◇◇◇
配信を初めて23時間56分が経過した頃……
『……ぐすっ……ぅぁ……ごべぇんんみんなぁあああ! アタシが弱いばっかりに……! 皆に昇格見せるごとができがながっだよぉおおおお!!』
彩音:ナイファイ! 本当にお疲れ様だよ!
atagi:本当に最後の最後までお疲れ様やで!
kuro:いやマジですごかった! お疲れ様!
たけ:GG! お疲れ様でした!
あの花大好き:泣かないでくれよ、ナイファイやった!
結月ゆっかり:JCの頑張りに感動した! 圧倒的GG!
病みラミ:俺も画面の向こう側で泣いてるぜ……24時間おつかれさま!
えんじ:同接3000人が全員泣いてるぞ、本当にお疲れ様!
ぺこ:本当に頑張ったよ! JCゴリラちゃんお疲れ様!
リンスイン:うぁああああああ何でスパチャ出来ねぇんだよぉおおおお!! マジでお疲れさまでした!
『ぐすっ……ぅぁ……みんな……ありがとう……あぁ……いよいよ9時になっちゃうね……ぐすっ……』
ちんちろ:あぁ……いよいよ24時間放送が……終わってしまう……
彩音:JC……お前……消えるのか……?
病みラミ:最初はどうせクソ配信とか言ってごめん……メチャクチャ楽しい配信だったぞ!
えんじ:何だかんだ言ったけど最高の日曜日を味わえたわ! あんがと!
たけ:お疲れ様でした! この得も言われぬ感動をどう伝えればいいのだろうか……
ずんたん:なんでこの配信にスパチャできないの? 感謝の気持ちを伝えられなくて悔しいんだが
病みラミ:おいゴリラ!投げ銭実装はよしろよ!
『ぐすっ……ふ、スパチャなんてよせやい……あたしゃ何処にでもいるただのJCゴリラなんだからさ……』
彩音:泣きながらもカッコいい事を言い続けるゴリラ
あの花:我々にこんな感動を与てくれたゴリラ……まじでかっけーんッすよ
病みラミ:いやこんなキャラ濃すぎるゴリラがあちこちにいてたまるか!
えんじ:ただの……JCゴリラ……?
atagi:こんな面白いゴリラが何処にでもいたらきっと楽しい世の中になっとるだろうなw
『あと投げ銭ってなんか手続きとか設定変更とか色々しないと駄目なんでしょ? そういう設定自分でやんのメンドクサイから別にいいわ』
たけ:ただのメンドクサがりなだけだった
彩音:まぁゴリラだからなー。 設定の仕方なんてわかるわけないやろ
えんじ:ゴリラじゃあしょうがないか
ゆうch:早く人間になりなよ(笑)
「そこ煩いぞっ! まぁだからこんな普通のJCゴリラにスパチャなんて、そんな野暮な事しなくていいよ! スパチャ送ろうとしてくれた皆はそのお金で今日は旨い物でも食って寝てくれ!」
彩音:やだ……このゴリラ男らしい
ぺこ:やだどうしよう……私女だけどこのメスゴリラに惚れそう
えんじ:きっと上野動物園でもモテモテなんだろうな
病みラミ:いやでもこんな面白い生主の存在を知れただけでも今日は見に来て良かったわ
たけ:ちなみに皆はもう忘れてるかもしれないけど、このゴリラ最初は僕っ娘JC路線で配信してたんだよ
ゆうch:そんな事してた時期もあったわねw
『……さて! 湿っぽい空気は苦手だし、サクッと終わらしちゃいますか!』
ぺこ:いやだいやだいやだ
たけ:あと24時間延長してよ
彩音:もうJCゴリラの配信が無いと生きていけない
えんじ:すっごい楽しかった!
ずんたん:本当にお疲れさまでした!
リンスイン:今日はゆっくり休んでください!
あの花大好き:お疲れさまです!
『……うん、それじゃあ皆今日はありがとね、楽しかったよ、んじゃまたねっ!』
atagi:お疲れ様でした!
ゆうch:乙!
病みラミ:こちらこそ楽しかった!
たけ:本当に楽しい日曜日を過ごせました
えんじ:次の配信も楽しみにしてます!
kuro:お疲れさまでした!
……
『……あっ忘れてた。 ゴースティングしてきた奴らだけは絶対に許さねぇからな!! いつか必ずブチころ――』
――― 本日の配信は終了致しました ―――
atagi:最後不穏すぎw
彩音:最後の最後でそれは草
たけ:この24時間そのワードだけはずっと言わずに我慢してたのにww
えんじ:いやでも“す”を言わなかったから実質JCゴリラの勝ちだろ
ゆうch:確かに“ブチコロッケ”って言おうとしただけかもしれないし
ぺこ:確かに!
ずんたん:いや確かにじゃねぇだろw 何だよブチコロッケってw
リンスイン:乙ー
病みラミ:いや最初から最後までネタタップリ過ぎてト〇ポみたいな配信やったわ、本当にお疲れ!
ずんたん:最後まで面白かったわ、お疲れ様です
atagi:次の配信も楽しみにしてるわー!
……
そんな感じでゴリさんによる24時間耐久配信が無事(?)に終わった。 最初の同接数はたったの6人だけだったのに……それが最終的には同接3000人にまで膨れ上がる事になるとは誰も予想してなかった。
「いやマジでこの人本当に色々と凄いわ……」
ゴリさんの配信を見終わった後、俺はそんな言葉を口にした。 そしてそれからすぐにゴリさんからメッセージが届いた。
“……アタシの負けだ”
「いやもうアンタの勝ちだろ!」
やっぱりこの人もう色々と凄すぎるし、それにメチャクチャ面白い人なんだと再認識した一日であった。
“今から反省ペクスすべ、通話よろ”
“は、はぁ!? いやまじっすか?? えゴリさんもしかして人間やめたんすか??”
“うっせぇ! やるぞ!!”
そんなチャットが来たと思ったら数秒後にはゴリさんからの着信が飛んできた。 俺は急いでヘッドセットを装着してゴリさんとの通話を始めた。
『うぃーっす。 ちゃんと最後まで見てたんかー??』
「お疲れ様でしたー! いやいやちゃんと最初から最後まで見てましたよ! 最高に面白かったっす!」
『お、ありがとー! でもガチで悔しいから今日中に絶対にランク昇格させるわ! だから手伝ってクロちゃん!』
「はいわかりましたよ、こうなったら最後までお付き合いしますよー!」
という事で俺とゴリさんはここからまた深夜にかけて一緒にゲームを始めていく事にした。
(……うん、やっぱりさ……ゴリさんと友達になれて本当に良かったな)
俺とゴリさんとはしょっちゅう煽り合いの喧嘩もしてるし絶交もしたりするんだけどさ……でもそんなゴリさんの事をとても尊敬しているし、これからも長い間一緒に笑い合って遊べる仲でいれたら嬉しいなと、改めて俺はそう思った。
『よし! それじゃあ今日も楽しくやってくよー、クロちゃん!』
「はいわかりました、ゴリさん!」
でも、この時の俺はまだ知らない。 こんなにもしょっちゅう煽り合いの喧嘩をしている人と……まさか本当に一生のお付き合いをする事になるなんてね。
(オマケ:初めてのゲーム配信編 終わり)




