表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/87

06:剣術の禁止

 7日目、今週は剣術の練習をして過ごした。初日と比べ自分でも分かるくらい成長できていると思う。


「先生! 先々週と比べて俺の剣術はどうですか?」


「うん、そうだね。以前より強くなっている気がするよ」


 よし、確実に成長している。これは【頭では忘れているけど、体は覚えている】ことの証明にもなる。


「ただ、そうだね……しばらく剣術の練習は控えようか」


「な、なんでですか!?」


 まさか何かやらかしてしまったか。身に覚えがないので、どこかの週で何かやったのかもしれないと不安になる。


「君はまだ体が成熟していないから、あまりハードにやると体への負担がかかる。君は今『上級』レベルの剣術を扱えるが、それは幼い体には負担が大きすぎるんだ」


「そんな――」


「だから今の君は、体の基礎作りに励むべきなんだ」


「基礎作り……ですか?」


 先生が教えてくれたのは、前世でも大事といわれている基礎練習だった。剣の素振りは勿論、柔軟、筋トレ、ランニングなど地味な練習ばかりだ。


「特に君は成長が遅いのか、同年代と比べて体が小さく、筋肉の付き方が遅い。少なくとも1年はじっくり体づくりをするべきだね」


「1年……」


 長い。本当にその間、剣術の練習をしなくてもいいのか。そして何より来週の俺に【剣術禁止】と伝えたとき、自分の事なのに自分がどう反応するのか分からない。なんとかコッソリ練習できないだろうか。


(いや……だめだ)


 日記に記載せずに練習をすることも考えたが、ここは先生の言うことを聞くべきだ。何よりここまで成長できたのは先生のお陰だ。先生の言葉に従うべきだろう。今日起きたことを素直に日記に記載しよう。それでどう選択するかは来週以降の俺の自由だ。


(俺自身が、俺の行動を制限するべきではない)


 そう思うと、来週以降の俺がどう選択するのか少しだけ気になった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ