37:商人
目が覚める、知らない天井と知らないベットだ。ベットから降りると向かいに丁度良く鏡が置いてある。その姿を見て確信する。
「よっっっっしゃああああ、転生だああああ!」
ガッツポーズをとる。しかも前世の記憶持ちで、チート有り。ウキウキな気分でベットから降りると、ふと目に入るものがある。
机の上の本があり、そこには『起きたらすぐ読むこと』と書いてある。そして机の横には木で出来た本棚がある。
本棚は綺麗に区分けされており、『剣術』『魔術』『人間関係』『パーティの作法』『軍事』『金稼ぎ』と書いてあった。
「なんだこれ……とりあえず読んでみるか」
俺の1週間は、いつもこうして始まる。今週はなにをしようか。
◇◇
家具の歴史は、その時代の権威の象徴でもある。
地球での中世では、物を入れる木の箱に人々は腰かけていたという記録もある。そこには座り心地をよくするようなものは無く、堅い板の上に座っていたとされている。
今世では貴族ということもあり、さすがに椅子が木の箱ということはないが、家具は権威を示すために重厚なものが多く、クラッシックなタイプの家具が多かった。
建物や部屋の雰囲気に合っているといえば、聞こえはいい。
(ただ、ケツが痛い……)
クラッシックな家具はそれはそれで好きだが、堅い板の上に長時間座っているのは、とても座り心地がいいとはいえない。ソファーのようなものまでとは言わないが、せめて座る部分にはマットや詰め物を入れて、座り心地の良い家具があると良い。
「仕方ない……作るか」
この時代は、無いなら作るが基本だ。
最近、孤児院にお金を使っているため自由に使えるお金が減っているという日記の記載があるなか、更に出費を重ねることに少しだけ、重い気持ちになりながら準備を始めた。




