19:貴族の女性
目が覚める、知らない天井と知らないベットだ。ベットから降りると向かいに丁度良く鏡が置いてある。その姿を見て確信する。
「よっっっっしゃああああ、転生だああああ!」
ガッツポーズをとる。しかも前世の記憶持ちで、チート有り。ウキウキな気分でベットから降りると、ふと目に入るものがある。
机の上の本があり、そこには『起きたらすぐ読むこと』と書いてある。そして机の横には木で出来た本棚がある。
本棚は綺麗に区分けされており、『剣術』『魔術』『人間関係』『パーティの作法』と書いてあった。
「なんだこれ……とりあえず読んでみるか」
俺の1週間は、いつもこうして始まる。今週はなにをしようか。
◇◇
「お嬢様、お手を」
「ありがとうございます。アーサー様」
英国紳士のようなエスコートに、憧れたことがあった。実際は今まで生きてきた中で、そういった場面に出会ったことが無く、精々椅子を引いてあげるくらいだったか。
この世界では年齢が12歳になった時に、子供の成長を祝いパーティを行う。平民は簡単なパーティだが、貴族はそうもいかず、内外に上流階級の権威を示すことも目的なため、ある程度の豪華さが必要になってくる。
パーティの主な目的は、【他の貴族への顔見せ】【主催者は飲食や美術品で、招待客は贈り物などで権威を示す】【礼儀作法も含めたダンスパーティで教養】の確認。そういったものをみられる。
例に洩れず、俺も今回舞踏会に招待され参加することとなった。
男性の貴族デビューはあまり制限がなく、一人で参加することも多いと言われている。今回のように子供のデビューとなると、親同伴で知り合いの貴族を紹介するといった流れになるはずだった。
同じ伯爵家の娘のエスコートをする。
そう知らされたのは今週が始まった最初の日だった。今回たまたま同格の伯爵家に、たまたま同年代の女性がいて、そしてたまたまその伯爵家とうちが仲が良かった。その結果、俺が彼女のエスコート役に任命されることになる。
今のところ、ボロは出ていないはずだ。
(俺の、一週間の成果を披露してやる!)
一週間で詰め込めるだけ詰め込んできた、この知識を存分に発揮する。




