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17:従姉の決意
帰りの馬車の中、私は今週の出来事を振り返る。
いつまでも可愛い妹は、信じられないくらい強くなっていた。私の目では追いつけないような怒涛の攻撃を仕掛け、剣を巧みに操る。
そして弟は一つ皮が剥けたかのように成長していた。知識では歴史書を読み、貴族としての責務を果たすべく勤勉に取り組んでいた。一方で剣術では、私の目から見ても凄い妹の更に上をいっていた。
貴族とはかくあるべきなのか
覚悟や信念の違いを見たような気がする。私はあくまで村の村長の娘、だからこそ彼らを遠く感じてしまった。
「パパ、ママ」
「ん、どうしたエイミー?」
私は決意する。そんな二人に置いて行かれたくない。何より私はお姉ちゃんなのだ、二人の前を歩いていたい。
「買ってほしい本があるの」
街を出る前に、私も成長するために必要なものを買っておこう。
そして彼に言ってやるのだ『お姉ちゃんが教えてあげる!』って。




