12:凄いわアーサー!
(アーサーが勉強ねぇ……)
記憶によると勉強は積極的にやっている印象はない。それよりも剣術などの体を動かすことを好んでやっている印象がある。以前この家に訪れたのが半年前なので、この半年間で何か心境の変化があったのだろうか。
「えーとエイミーの村では……稲と麦を育ててるんだ。ふんふん、魔力の動脈が濃い場所? 栄養価が高くて強い作物が獲れるんだ。へぇ……え、栄養を補給するために魔物の骨を砕いて畑に蒔いてるの。そうか……」
実際に畑の話をしたのは初めてだが、以前までのアーサーなら今の会話に付いてこられないだろう。あのポケーとして、お姉ちゃんお姉ちゃんとついてきてきた弟の姿がそこにはなく、既に成長した男の子がそこにはいた。
自分の知らない間に成長してしまった弟を少し寂しく、そして少し嬉しく思う。
「それなら後は三圃制度くらいしか知らないなぁ……」
「お兄様、三圃制度ってなんですか?」
「三圃制度っていうのは農作地を三分割する制度だよ。一つを春蒔き、一つを秋蒔き、一つを放牧に充てる制度だね」
「へぇーお兄様は物知りなんですね!」
「でもそれも魔物の領域があるから迂闊に農地を広げられないみたいだし、難しそうだね……」
ガクリと肩を落とす。弟は必死に勉強をして、きっと今の知識を手に入れたんだろう。今回は勉強した結果が不発に終わってしまったが、頑張ったことは素直に認めてあげたい。
「でも凄いじゃないアーサー! それも歴史書から学んだのね」
「え、あ。うん。そうそう歴史を学んでて使えないかと思って」
凄いわアーサー!
確かにアーサーは以前と比べて少し変わってしまったのかもしれない。でもそれはいい方に変わっているのだわ。彼女はそう確信した。




