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11:歴史書

 『人間関係』の日記の作成を一旦終えて、他の本に目を通す。これはこの国の歴史書らしい。


(うーん、読めない)


 分かっていたことだが、この国の言語は読むことが出来ない。途中まで日本語で翻訳されている歴史書と一緒に中身を見る。内容はこの国の建国の話で農業をメインに行ってきた国らしい。歴史は長く、その中で何度も農業について改革が行われてきたようだ。


 歴史書を読んでいるとコンコンとドアがなる。


「お兄様! サーニャです」


 ドア越しに声が聞こえる。【サーニャ】は先ほど確認した、俺の妹だ。【髪色と目の色は俺と同じ色】だと聞いている。髪型は【ボブカット】。【3つ年下の妹】だ。


よし!


 妹の情報の整理を行い、ドアを開ける。そこには情報通りの妹と、先ほど顔を合わせたエイミーがいた。


「……なんでエイミーが?」


「やだ、昔みたいにお姉ちゃんって呼んでいいのよ!」


しまった! 流石に以前の俺が、なんて呼んでいるかまでは調べていないので、そこに誤差が生まれる。その誤差に相手が違和感を感じる前に早めに話を進めることにした。


「それで、サーニャは何か用かい?」


「あの……お兄様とお話したくって……だめ、ですか?」


「――いいよ」


 妹の可愛さに比べれば、誤差が少し生まれるくらい、いいだろう! 俺は、後先考えずに部屋に招き入れることにした。


「ありがとうございます!」


 何故か一緒に入ってくるエイミー。いや分かっていたけど一緒にお話しするんだね。メイドにお茶を頼み、中央のテーブルへ座る。


「あら、この国の歴史書ですね?」


「え、ああ。ちょっとさっきまで見ていたので……」


「あれ、それは――?」


 日本語の翻訳で書かれている物を見られてしまった。まずい――と一瞬思ったが別に見られても問題ない。どうせ読むことは出来ないから。


「へ~、あのアーサーが勉強ねぇ」


「何か変かな、エイミー」


「べっつに~」


まずいな……部屋に招いたのはやっぱり間違いだったか。


 ドンドンとボロが出ている気がする。そういえば今日エイミー家が来たのは【村の税収】関係だったので、話をそちらに逸らすことにする。


「それよりエイミー。最近、村の税収はどうなの?」


「え? うーん、例年とあんまり変わりないって聞いてるけど」


「そうなんだ……」


 そういえば折角、前世の記憶持ちで転生しているんだから、ここらで一つ前世の知識チートを使ってみたい。

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