詩 茨姫の孤独
(枯れた大地に水の恵みを)
(雨を降らせるために 巫女を用意しよう)
茨の檻に閉じ込められた少女
一人きり 雨降らぬ 空見上げ
人の安寧 願い
巫女として 祈る
棘には触れられない
外と中 世界を隔て
少女を孤独へ 追いやっていく
茨姫は 外には出れず
囲いの外の者も 彼女には触れられない
(責務から助けだそうとしても 叶わない)
(その手はすぐに棘だらけになり)
(ようやくのばした時には血で濡れすぎて 巫女に触れるには汚れすぎていた)
「ストーリー」
枯れ土の大地は、長いあいだ日照りで苦しんでいた。
水がない。
苦しんだ人々は、巫女に祈ってもらう事にした。
しかし、それでも雨は降らない。
巫女は、茨の檻に閉じ込められ、雨が降るまで出してもらえなくなってしまった。
助け出そうとした者もいたが、血塗られた手では救えない。
巫女は清い存在だから。業と罪にまみれた手で触れば、消えてしまうかもしれなかった。