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第六十話

「…正体が分かった所で君の才能でもマネは出来ないだろう…次は防御も避ける事も出来ないほどの威力で君を倒すとするよ」


「それはどうですかね、俺勇者なんで誰にも出来ない技を真似出来るぐらい強くないといけないんですよ。皆を守るためには」


覚悟は出来た、万が一ここで死んだらそれまでの男だたった…それだけの事。だが死ぬ気はない、俺は短剣を強く握りしめた


「…勇者でも無理な事がある、それを分からせてあげよう」


ロディ先生も構える、最初の訓練を思い出す。あの頃は勇者になる自信が無かった、俺なんか無理だと思っていた。


でも今なら言える、俺は勇者だ。皆を守れる、皆を救う。その役割は誰にも譲らない、俺がやり遂げる



俺は勇者リュート・レギオスなのだから



「…迅鈴刃流:一式:刹那切り」


「…」


ロディ先生が最初に使った技を使いこちらに来る












見切った!!!


全ての魔力を足と目だけに集中させ、その状態で魔力超速を使った


「なんだと…?」


ロディ先生と同じ構えをする。足に力を入れ…ダガーを向け、そしてロディ先生の方向へ…走る!


「迅鈴刃流:一式:刹那切り!!!」


ダガー同士がぶつかり合う


「そんな…これまでも使いこなすのか…!」


「ありがとう先生…貴方のおかげで俺はここまで強くなれた。もし貴方に教えて貰わなかったら、誰も守れなかった、本当に…ありがとうございます」


「リュート…君」


「だから…今は全力で貴方を倒す!」


それが貴方への…ロディ先生への敬意だ


「迅鈴刃流:一式:刹那切り:2連」


一撃を与え、ダガーを持ち替え。そして斬る…ロディ先生には防げないだろう


「な…」


もう派生まで使うのか…これが勇者…!はは…お礼を言うのはこちらの方だ…君を教える事で僕も成長出来た…僕は誇らしいよ…リュート君、そしてルシュ君


君たちならきっと世界を救ってくれるはずだ


「ぐああ…!!」


ロディ先生が斬り飛ばされる…寸前で弱めたし死んではいないはず


「ああ…つかれたー」



ロディ先生との手合わせはもう勘弁したい…心からそう思う、さて休んだらロディ先生を治しにいくか…


「すげぇじゃないか!リュート!」


「ああ、やったよルシュ…」


「お前は…やっぱり勇者だな…俺は…」


「ん?」


「俺はお前の足でまといになるじゃないかって…ずっと考えていたんだ…」


ルシュが泣きそうな顔で言う


「そんな事ないよ、ルシュだってロディ先生を倒して…」


「でもあれは本当の本気じゃなかった…俺…自分が弱いのが悔しいんだ…!いつかお前を追い越してやるって意気込んでたけど…やっぱり無理なんだ…」


「ルシュ…」


前までの俺みたいだ、自分の弱さを憎んで。泣いて…

でもルシュは俺とは違う


「…そんなんで諦めるの?旅」


「そんなのって…!旅はしたいけど!でも」


「俺を守ってくれるんじゃなかったの?」


「俺より強いお前ならそんな事なるわけ…」


「はぁ…自分の弱さのせいにして逃げるなよ」


今度は俺が言うなんてな…あの声の奴になった気分だ


「…!別に逃げてるんじゃ!」


「いいや、お前は逃げてるよルシュ。自分が弱いなら何故冒険者にならなかったんだ?」


「…!知ってたのか…」


「ああ、この前聞いたよ。本当はあの時冒険者になるように言われてたの、お前もだったんだろ?」


「ああ…」


「なら何故ならなかった?他にもだ、戦う時ルシュ全力出してないじゃないか」


「そんな…俺は常に全力を…」


「生き物を斬るのが怖い?」


「っ…」


「お前がやってる勉強もだ、何故サボる?」


「それは早く強くなりたいから…」


「エリスが言ってた、お兄様は王子の責任を背負うのが怖いんだって」


「…違う!俺は別に怖くなんて!」


「じゃあ何故お前はこの国の歴史を知らないんだ」


「うっ…あ…」


「ルシュは歴史好きなんでしょ?ならなんで王子の勉強の必修科目であるエルシュラ国の歴史を調べようともしないんだよ!」


「違う…違う…俺は…」


泣き出してしまったルシュ、言いすぎたか?いや…ここでちゃんと覚悟を決めてもらわないときっと、危険な目にあってしまう。


嫌われてもいい…それでもルシュが少しでも無事でいてくれるなら


「…俺もさ本当は前まで勇者なんか荷が重いっておもってたんだ」


「リュ…ト?」


「自分が弱いから勇者にはなれないって…でも言われたんだ、お前は逃げてるだけだって」


「…うん」


「確かに俺、なんもやろうとしてなかった。自分を信じずに、逃げようとして。そして負けた…」


皆を失ってしまった


「俺失敗しちゃったんだ、でもさ俺のこと逃げてるって言ったやつがチャンスをくれたんだ」


「チャンス…?」


「うん最後のチャンス、だから俺自分を信じてみることにしたんだ。俺なら出来るって、そしたらさ、本当に出来ちゃったんだ。自分を信じただけでだ」


「それは…リュートだから出来た事だよ…」


「そうかな…?俺、ルシュはすっごい強いと思ってるんだ」


「俺が…?」


「うん、だってさ夢をずっと諦めずに辛い訓練にも耐えて俺の仲間になってくれようとしてるんだ…凄いよルシュは」


「そんな…」


「俺は夢の為にそこまで頑張るなんて出来ない…ルシュには俺にはないルシュだけの強さを持ってるんだ」


「俺だけの…強さ…」


「だから逃げるのなんてやめて俺と一緒に旅をしようよ!色んな種族の歴史を見て、聞いて、一緒にさ」


「う…ぐ…うう…うん…」


「お前なら出来る、ルシュ。俺が信じてるから」


「う…うああん…リュートぉ…」


「うわっと」


ルシュが抱きついて大声で泣いた、そうだよな…まだ子供だもんな…逃げるのが普通さ…でも勇者の仲間になるのならそうも言ってられないもんな?ルシュ


「でも今はいっぱい泣きな、よしよし」


全く世話の焼ける仲間だ、涙が傷に染みて痛いや。


でもまぁ、この借りは勇者の仲間として返してもらうとするかな



んー?そういやなんか忘れている様な…



ま、いっか



「この傷をリュート君に治して貰いたかったけど…今は頼める雰囲気じゃなさそうだね…はは…はぁ…いてて…」




ロディ先生はしばらく倒れたまま放置されるのであった…


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