第百三十八話
「そら…!」
「おっと、危ない危ない…血の気が多いガキンチョだな…!」
「お前達が襲ってくるからだろうが…っよ!」
「…そりゃそういう指示なんでね…魔王様からの、てか大剣の癖してなんていう速さしてやがる」
ルシュは魔族の男を追い詰めていく
「…こりゃ…スキル使わねぇとマズイな」
「とりゃ!私の短剣捌きに着いてこられるかな!」
「人型でも私は強いぞ…!」
カナリーとガルスケも女魔族を追い詰めている
「…くっ…素早い」
(神聖魔法:女神の祝福)
ルシュ達の力が更に上がる
「さて…多重魔力干渉」
「「ぐっ…?!」」
俺は後ろで洗脳解除を使い、邪神の魔力を引き剥がす
「…なんだ…これは…!」
「…変な…感じ…」
「さ、これでおしまいだ」
ふぅ…何とかスキルを使わせる前に解除できるな
「…ふっ…なんてな」
「…え…?」
その時、2人の姿が突然ボヤけ消えた
「なんだ…消えたぞ!」
「…どこ…?」
魔力感知ですぐに見つけなきゃ…
「…お前を先に殺った方が良さそうだな!」
「…じゃあね」
「ご主人!後ろだ!」
「…リュート!」
(魔法が間に合わない…!)
俺の後ろだったか…!
「…死神まと…」
『間に合いません…!避けてください!』
「勇者の命、貰うぜ…」
魔族の男の剣と魔族の女の拳が俺を…貫いた
「…リュート!!!」
「いや…そんな…!」
「ご主人!ダメだ!いやだ…」
(あ…ああ…リュート…さん)
「案外弱かったな」
「…邪神様が恐れる程の…強さは感じなかった」
「ごふ…ぐ…」
『…リュート様!しっかり!こんな所で死んではいけません!』
ああ…油断しちゃったな…まさか…既にスキルを…使ってたなんて…
『…ダメです…リュート様…死なないで…ください…』
え?死なないよ?
『え…?』
「…ぐ…スキル…肩代わり:反転」
俺のスキル、肩代わりは本来なら相手のダメージを俺に肩代わりさせるスキルだ…だが祝福の強化のおかげで…
「がはっ…なんで」
「…ごふ…ごほ…」
「よいしょっと、俺のダメージを肩代わりする気分はどうだい?魔族のお2人さん?」
スキルの強化で肩代わりする対象を反転して自分のダメージを相手に肩代わりさせる事が出来る様になった
「…リュート…お前…生きてるのか…?」
「うん、バッチリ」
「…はぁ…はぁ…ちくしょう…何…しやがった」
「…それは秘密、それよりまた君達偽物なんだろ?」
「…なんで…分かる」
「だってあんた達…魔力が無いもん」
魔力感知を使っても2人を見つけられなかった、そりゃ魔力無いなら見つからないよ
「…くそ…」
再び2人の姿がぼやける
「…本体が居るはずだ…影探り」
深淵魔法に強化されてから広範囲を素早く見つける事が出来るようになったからすぐに見つかるだろう
「ご主人…良かった…」
「ごめんちょっと油断しちゃってね」
「…ぐす…本当に死んだかと思ったんだからね!」
(無事で本当に良かったです…)
「心配かけちゃったね…まぁ話は後にしよう、今は…また襲ってくるかもしれないし」
『後でじっくり…!とお話を聞きますからね』
ひいい…どうかご勘弁を…
「ああ…!アイツらはぶっ飛ばす!」
う〜ん…あっ影を見つけた…!魔力もあるな…!
「そこだ!光聖魔弾」
「なっ…!」
「…くっ」
2人が弾を避けこちらに現れる
「まさかバレちまうとは…油断しすぎたな」
「…不覚」
「もう逃がさねぇからな…!」
「…よし…皆で倒そう!」
「ご主人に傷をつけたこと、後悔するといい」
(あなた達を倒します…!)
「へ…俺達を倒すだってよククル」
「…無理、私とバールのコンビネーションは無敵」
「ふっふっふ…コンビネーションならこっちも負けてないよ…皆!コンビネーションCだ!」
「「了解!」」
「…何…」
「炎魔法:大炎上!」
「大水流!」
ラミダさんと戦った時のように水蒸気を発生させる
「前が…はっ…そんなもの…スキル:複製」
バールは自分とククルを複製する
「頼んだククル」
「…スキル:操り糸」
複製しただけではただの人形、それをククルが操る事でまるで本物の様に振る舞わせることが出来る
「俺たちコンビの力は勇者だろうが敵じゃない」
「…土魔法:絶壁!」
カナリーの土の壁がバール達を覆うように出来る
「…更に…土魔法:砂粉塵!」
水蒸気の中に砂が舞う
「なんだ…これは」
「ふふん…それはただの砂じゃないよ…」
「…複製を囮にしてここから離れるぞ」
「うん…」
何をするつもりか知らないが逃げればこっちのもんだ
(逃がしませんよ神聖魔法:女神の抱擁)
ユーナの魔法により退路を絶たれる
「くっ…」
「…ねぇ…水蒸気爆発と粉塵爆発って知ってる?」
「何?」
「…俺もよく知らないんだけどさ…魔法の実験してたらたまたま出来たんだよね〜」
魔法の力ってすげーや!
「ここから出せよ!」
「何も…見えない…」
「大丈夫、死にはしない程度に威力は抑えるから」
ユーナの魔法の頂点部分がが少し開く
(今ですルシュさん!)
「…おっし!炎魔法:炎玉!」
小さな炎の玉が開いた穴から落とされる
「…なんだ…何をするんだよ…」
「…いや…」
炎の玉が水蒸気に触れた瞬間…耳を抑えるような爆音が響き渡る
「「ぐわぁぁ!」」
「これが俺たちのコンビネーションだ」
「…ご主人…私は…」
「…あっ…ごめん…これ考えた時まだガルスケ居なかったから…」
「…」
「後でいっぱい撫でてあげるからね…?ね?」
「…ご主人なんて嫌いだ」
ふんっとそっぽを向くガルスケ
「…ぐふ…ガルスケに…嫌われた」
「「うう…」」
こうしてレミシア以来の魔族との戦いはリュートのみ相打ちで終わったのだった




