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いずれ神の上に立つ者〜勇者から始まる冒険譚〜  作者: 叶夢
第五章 勇者の試練 エルフの里編
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第百三十三話

エルフの里で過ごして2週間近くが経った、だがしかし勇者の試練の場所については一向に進展がない


「ふーむ…書物を全て調べたのだが全く見つからんのだ…」


「そうですか…すみませんお手数おかけして…」


「なに、そなたらは恩人だ出来ることはしよう」


「ありがとうございます」


そうして俺達はエルフの里でつかの間の休息をしている所だ


「…ふと思ったんだけどさ」


「どうした?」


エルフまんじゅうを食べながらルシュが振り向く


「…俺達最近戦ってなくね?」


そう、俺達…特に俺は全くと言っていいほど戦ってない。強化されたスキルと適性の出番が全然こない


「…強化された意味ないやんけぇ…」


ロディ先生に戦う事に喜びを得るように改造されたせいで戦闘がないと居てもたってもいられなくなるんだよな…


「…そういやそうだな」


「俺勇者の試練の旅って言うから大冒険とは言わずとも多少の冒険があると思ったら…これだよ」


鍛えた意味ないよ!いやあるけど!そういうのじゃないじゃん!こう…なんというか…


「落ち着けって、まぁ平和な事だからいいじゃんか」


「そうだけど…」


「なら私と戦ってみるか?」


「えっ…?」


後ろを振り向くとエルフ隊長が獲物を見るような目でこちらを見ていた


「…結局お前とは戦わずに終わったからな、エルフの誇り高き兵士としては是非ともお手合わせ願いたい」


「な、なるほど…もちろん俺はいいですが」


「よし、なら兵の訓練所がある。着いてこい」


トントン拍子でエルフ隊長と戦うことになり、俺達は訓練所へと向かう


「ルールは死なない程度にやり合うことでいいな?負けは相手が認めた時だけだ」


「ええ、いいですよ」


「ふっ…勇者とやらの力、見せてもらおう!」


「…よーいはじめー」


無理やり連れてこられたルシュが不貞腐れながら合図を出す


「ではこちらから行かせてもらうぞ…!聖霊術:心操」


「…くっ…?!」


なんだ…体が動かない…?それに…周りもボヤけてる


「聖霊術は魔法に比べて精神系のものが多くてな、心操は相手の心を操り五感と体の自由を奪う効果だ」


「…あ…」


何も聞こえない…何も感じない…


「と言っても…もう何も聞こえないだろうけどな」


落ち着け…魔力は…動く、それなら…


「…魔力感知」


「ふん…案外呆気ない終わりだったな勇者」


エルフ隊長が剣を俺に向け切りつける


「…深淵魔法:死神纏い」


剣が俺に触れる…事はなくすり抜けて空振りする


「…は?」


「閃光魔法:多重聖剣」


俺は空中に多数の聖剣を生み出し、エルフ隊長へと飛ばす


「…なんだと?!私の位置が分かるのか!」


剣で聖剣を迎え撃つが複数の聖剣を相手には無理だったらしく切り刻まれていく


「ぐうう…」


「…俺の勝ちでいいですか?」


まぁ何も聞こえないんだけどね


「まだだ!聖霊術:木槍!」


「…まだ何かするつもりですか?」


聖霊術は魔力を遣わないらしく判断しにくいんだよなぁ…五感奪われてるっぽいから何も見えないし


「でもまぁ…死神纏いがある間は俺無敵ですから」


めちゃくちゃ膨大な魔力を犠牲に一時的に実態を無くすチート魔法、最高だな!多用すると死ぬけど!


『デメリットも大きいですね』


死ぬからな、多分あと数分で解かないと死ぬ


『怖すぎる魔法です』


死神を纏うんだから仕方ない…本当に纏ってるかは知らないけど


「…くそ…全部…すり抜けて…」


相手の身動きを封じれば負けを認めてくれるかな


『抱きついたらどうです?』


いや普通に魔光縛り使えばいいじゃないか、無闇に女性に抱きついてどうする、俺は変態か


『違うんですか?』


違うよ!ステさんの中で俺はどうなってんだ


『変態、女たらし、自己犠牲の塊』


酷い?!


「…閃光魔法:神魔縛り」


「なにっ!離せ!」


魔光縛りの強化版、神魔縛り…強度は邪神ですら解くのに時間がかかるだろうな


「…今度こそ俺の勝ち…」


「こんなもの…!聖霊術:夢幻」


「…ん?」


なんだ、魔法が勝手に違う所を縛ってる?


「…ここまでやるとはな…勇者…」


「…?」


あれ、エルフ隊長どこいった?居なくなったんだけど

えっ…俺もしかして放置された?酷くない?


『違いますのでご安心を』


「夢幻は魔法すらも騙せる、まぁ五感を封じないと簡単に見破れる類ではあるが…今のお前に防ぐことは無理だ」


「…まさかリュートが負けるか?」


ルシュが息を飲む


「終わりだな」


やばい、魔力感知が反応しない…死神纏いを発動するタイミングが分からない…!


『やはり抱きついとくんでしたね』


いや…流石にそれは…


「ふんっ!」


「ぐっ…?!」


痛てぇ!斬られた!腕が…!あ、でも感覚ないから痛くないや


『ある意味拷問ですね…五感を奪われじわじわと…』


「…やばい…」


「負けを認めるんだな勇者」


『ほらほら抱きつかないと負けちゃいますよ』


さっきからステさんは何でそこまで抱きつくことを推すんだよ…


『攻略法を教えてあげてますのに…』


攻略法?抱きついて攻略なんて…ああ…なるほど…


「負けを認めないならまだまだ斬るだけだ!」


ええい!こうなったら女性だとか関係ねぇ!すみませんエルフ隊長さん!


「なっ!」


俺は切りつけられた方向に抱きついた


「なんだ?!は、離せ!」


「…魔力干渉」


禁断の魔法を俺は…使った


「…?!な、なんだこれは…!」


「…ふふ…負けを認めるなら今ですよ…」


「やめろぉ!やめ…うう…変な感じ…」


『他から見たらただの変態ですね』


黙らっしゃい、こっちは真剣なんです


「…い、異性に抱きつかれた事なんてないのにぃ…」


「…まだ負けを認めませんか?」


「認めるから…認めるから!負けた!」


「ほらほら…負けを認めないならやめませんよ〜」


「…あ、聖霊術で聞こえてな…ああ…これ…ヤミツキになりそう…」




「…まだですか?」


全然負けを認めないじゃん!もう10分ぐらい経ってるよ!


『もう勝ってますよ』


え?マジ?もしかして聞こえなかっただけ?


『はい、これは聖霊術が解かれた時が楽しみです』


俺は魔力干渉を解除する


「…あの…大丈夫ですか?」


「…あはは…これ…凄い…はは…私…異性に汚されちゃった…」


聖霊術が解かれた


「…嘘やん…」


「リュート…俺は何を見せられてんだ?」




誰も得しない戦いが今終わった

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