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いずれ神の上に立つ者〜勇者から始まる冒険譚〜  作者: 叶夢
第五章 勇者の試練 エルフの里編
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第百二十六話

「…入ると普通の森だな」


「そだね」


(聖霊や精霊も居ませんね)


「なんだよーもっと神秘的な場所かと思ったのに」


「ガルガル」


「ニャ」


「でも魔物の気配は全くないな」


「目に見えないだけで何か神聖な空気でも流れてるのかな?」


「ま、いないなら手っ取り早いしさっさと行こうぜ」


「それもそだねー」


(お気楽なお2人ですね…)


「俺とユーナがこのパーティーの頭脳担当だな」


(そうですね、頑張りましょう)


「「エルフ!エルフ!」」


「やれやれ…」


(やれやれ…)


しばらく進むと木の看板が見えてくる


「お、あれは…」


看板にはこの先罠注意と書かれた文字が


「…罠?怖、聖霊の森怖…」


「エルフ達が仕掛けたんだろな…慎重に行こう」


「あいさー」


「ご主人、私は鼻が利く。先頭で罠を見分けよう」


いつの間にか人化していたガルスケがそう言った


「分かった、頼むよ」


そうして更に進むと…


「まて、ここに罠がある」


「え、マジか…うーん…」


「わっ…ほんとだ…細い糸がある」


「こんなのガルスケが居なかったら一瞬であの世だ」


「ご主人の役に立ててよかった」


ドヤ顔でこちらを見るガルスケ


「よしよし、偉いぞ〜」


あ、いかんついつい魔物の姿の時の癖で頭を撫でてしまった


「はふぅ…そ、そうか?」


尻尾がこれでもかと振り回される


「あ、ああ。ごめんついつい癖で頭撫でちゃった」


「いやいい、もっと撫でてくれ」


ずいっと頭を向けるガルスケ


「あ、後でね?」


人化してると微妙にやりずらい…ただでさえ美人な部類なのに…撫でる時は魔物の姿になってもらおう


「じゃ糸を踏まないように慎重に渡るぞ…」


「うん…よいしょ…」


「…」


「怖ぇ…」


かなりの数の糸が地面に張り巡らされている、どんだけ人を里に入れたくないんだ…


「…へ、へ、」


ルシュがくしゃみをしようとする


「おま、バカやめい…!」


寸前で鼻を抑えて止める


「…あ、危なかった…さ、サンキュー…」


「…」


(これはかなり集中力を使いますね)


「…お腹減ったな〜」


「さっき食べたばかりじゃないか…」


「…はぁ…ん?あそこに居るのって動物?」


カナリーが指を指す方向を見ると1匹の猿がこちらを見ていた


「…そうだな」


「ウキ…」


「なんかふてぶてしい顔してんな」


「…ウキ!」


「あーあ、ルシュ怒らせたよ」


「ええ、言葉分かんのかよ」


「ウキ…!」


「あ?なんか手に持ってね?」


「…あれ…糸じゃない…?」


「…ウキキ…」


悪い笑みを浮かべて糸を引っ張ろうとする


「ちょ!やばいって!ルシュ謝れ!」


「はあ?嘘だろ…!わ、悪かった!凄くかっこいいぜ!」


「…ウキ…」


「何とかやめてくれたみたいだね…」


(心臓が止まるかと思いましたよ)


「…危ねぇ…」


「ウキキ…」


油断した瞬間、猿は思い切り糸を引っ張り…糸が切れた


「おま!謝ったじゃないかよ!」


「やばい!来るぞ!」


空から無数の矢が降ってくる


「纏い:剛円!」


(神聖魔法:女神の抱擁!)


俺とユーナで防御を展開する


「危なかった…助かったよユーナ…リュート…」


「私…防御担当なのに何も出来なかった…」


「気にしないで、今度守ってくれればいいさ」


「分かった…!頑張る!」


「矢は降ってこなくなりましたね」


「よし、先に進もう」


「…ウキキ」


「あ、まだいやがった!お前覚えとけよな!」


「キキキ…」


笑いながら去っていく猿


「…次会ったらぶっ飛ばしてやる」


「まぁまぁ」


更に俺達は森の奥へと進む、しかし一向に里へ着く気配はない


「…おかしいだろ…もう何時間も歩いてるぞ」


「…疲れたー…」


「迷ったか…?いや…ずっと前へ進んでいたはず…」


「…私の鼻もなんの異常もないな」


「思い浮かぶとするなら…」


(ふむ、何かの魔法でしょうか)


「そうだね、でもエルフは魔法が苦手なはずだ」


ここまでの力は使えないはず、ちなみにアリアは人間の血が混ざってるらしく魔法は人並みに使えるらしい




「…今リュート様が私の事を思ったような!」




「だとすると…なんなんだ…一体」


「…リュートが持ってるスキルとか?」


「スキルは魔族と勇者だけしか使えない…多分考えるとするなら聖霊術だ」


「聖霊術?」


「そういやエルフは特殊な技を使えるって本に書かれてたな」


(その聖霊術のせいで辿り着けなくなってる…?)


「多分ね…でもそうするとどうやって突破するか…だね」


魔力感知でも違和感は感じない、そもそも魔力を使ってないのか…?


「…万事休すだね〜…」


「だいたいここまでして俺達を里に入れたくないってどういう事だよ」


「…異種族差別のせいか?」


「ここに来てそれか…はぁ…ほんといい迷惑だぜ」


「最近酷いって聞くからね…中には奴隷にして飼ってるっていう貴族も居るらしいし…」


(人として最低です)


「…とにかく話し合わないと…始まらないな」


「このまま突っ走って強引に行くか?」


「私速さなら負けないよ!」


(私も自分を強化して行きます)


「…いや…それじゃあっちの思うつぼだ、少し考えがある」


「「考え?」」


「ちょっとこっちに…」


俺達は小声で話し合う


「分かった…!」


「リュートにかけてみるか!」


(貴方を信じましょう)


「私達はご主人に従う」


「にゃふ!」


「よし!やるぞ!」





エルフの里への道はまだ長い

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