表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いずれ神の上に立つ者〜勇者から始まる冒険譚〜  作者: 叶夢
第五章 勇者の試練 エルフの里編
128/224

第百二十三話

「人族どもの動きは?」


「依然、反応ありません」


「は、腰抜け共め…我々の受けた屈辱…今こそ晴らしてやる…」


エルフの里の長、フーリエはその顔を怒りと憎悪に染めていた


「そう言えば例の勇者はどうなっている?」


「順調にこちらに向かっているとの事です」


「ふっ…ノコノコと馬鹿な奴らだ、里に来た瞬間を狙え…見せしめに殺してやる」


「はっ!」


「…確か勇者と知り合いだったよな…カレン?」


フーリエが部屋の隅を見ると、牢に入れられたカレンがいた


「…坊っちゃまに手を出すな…!」


「それは出来ないな…あヤツらには見せしめになってもらわねば…くはは…!」


「…くっ…坊っちゃま…どうかご無事で…」


それにしても…一体どうしてしまったというのフーリエ…あなたはそんな人では無かったのはずなのに…


「…私の…せいなの?」


人族とエルフ族の戦争が起きるまで残り1週間




「…まだつかねぇの?聖霊の森…」


「まだ街ミラノワを出て数日しか経ってないのに着くわけないでしょ…」


「…」


(案外体力無いんですね…ルシュさん…)


「…エルフ族特性まんじゅう…どんな味なんだろう…へへ…」


「歩くのきちぃ…」


「…こんなんで大丈夫なのか…俺達…」


幸先が不安になってきた…


(まぁまぁきっと大丈夫ですよ、今は旅を楽しみましょう?)


「そうだね、ふぁ…いい天気だな…」


街を出て西に行くと広がる草原を歩き、俺達はエルフの里がある聖霊の森…の手前にある街を目指していた


『確かノエラさんのご実家の宿屋がそこにあるんでしたっけ?』


そうそう、そこに泊まる予定だよ


「夜になるまでに着かなきゃな…」


野宿も旅の醍醐味だけど出来れば宿に泊まりたい


「…草原草原…草…草…草ばっかり…何もねぇ…」


「ほらほら早くしないと何もない草原で野宿する事になっちゃうよ」


「…こんな草原のど真ん中で野宿はやだな…はぁ…」


「いやー風が気持ちいいね〜エルフの里どんな所なのかな〜…まんじゅう…へへ…」


(全て食べ物に行き着くんですね…)


「やれやれ…ユーナは疲れてない?」


(私は平気です、 こう見えても体力はある方なんですよ?)


そう言って力こぶを作る、透き通るような綺麗で細い腕が見えただけだった


「そうか、ならもう少し頑張ろう」


俺は空を眺めながら歩く、雲もそんなに無いし太陽も輝いてる。本当いい天気だなぁ…鳥も元気に飛んでる


「…おお…あの鳥デカイな…なんかこっちに来てるような錯覚さえ覚えるよ」


「いやあれ鳥か?獣じゃね?」


「いやいや獣が空飛ぶわけ…」


「うわあああ!あれ魔物だよ!でっかい!」


(こちらに来ます!)


「嘘だろ…マジかよ!」


でけぇ!なんだあの魔物…!あれ…でも前にもこういう事があったような…?


『…おや?』


空から巨大な影が降ってくる


「…え?」


見た事のあるシルエットが土煙から現れた


「おいリュート何ぼうっとしてんだよ!やるぞ!」


「いや…!違う!あれは味方だ!」


「ええ?!絶対違うよ!明らかに魔物の見た目だよ!」


(ですが…襲ってくる気配は無いですね…)


「…ガルル」


「やっぱり…ガルスケ!」


現れたのはガルスケだった


「久しぶりだな!ガルスケ!おーよしよし」


「ガフウ…」


「…尻尾振って喜んでる…」


「俺もうリュートがドラゴン連れてきたって驚かないわ…」


「なんでこんな所にいるんだ?」


「ガルル」


『近くにリュート様の匂いを感じたので来たと言ってます』


「なるほど…そういえばクロスケは?」


「にゃふ!」


顔に飛びかかってくる


「わぷ…」


「…あれクロスケじゃね?」


「可愛い猫だね〜」


(もしかしてあの魔物の子供でしょうか)


「よしよし…会いたかったぞ…クロスケ…」


満足するまで撫で回してあげよう


「にゃふにゃふ…」


『自分も会いたかったと言ってますね』


「そうかそうか…」


というか今更だけど魔物の言葉が分かるんですね…ステさん…


『一応補助精霊ですから』


便利すぎる…


『と言ってもガルスケさん達の知能が高いおかげなんですけどね』


「…本当…会いたかったぞ…クロスケ」


影探りで探したりもしたが…やはり範囲が広い分見つけることは出来なかった


「ニャ…!」


『おやおや、今度は離れないと言ってますね』


「…でもな…俺達は旅をしてるし…それにクロスケにはガルスケがいるだろ?」


「俺は別に構わないぜ?連れてっても」


「私もいいよ〜てかモフらせて…!」


(私も全然いいですよ)


「皆…ガルスケは…」


「ガルガル…」


『自分もついて行くと言ってます』


「ガルスケも?いいの?」


「ガル!」


問題ないと言わんばかりに尻尾を振る


「そっか…ならよろしくな、クロスケ、ガルスケ!」


「にゃふ!」


「ガル!」


こうして新たに2匹仲間が増えたのだった…




聖霊の森近くにある街、ドライ。そこにはある宿屋があった


「はぁ…早く勇者様来ないかしら…」


「全く、久しぶりに実家に帰ってきたと思ったら勇者様勇者様って…ほら宿屋の手伝い、料理頼んだわよ」


「はーい…」


宿屋の看板娘であり、宿の料理を担当するノエラ。彼女は勇者達が来るのを待っていた


「…ふふ、私の料理食べてもらわなくちゃね…!」


「いつにも増して張り切ってるな…ノエラ」


「どうやら勇者様に惚れてるみたいなのよ」


「なるほど…だが勇者様は難易度高いなぁ」


「そうね…もしもの時は父親の貴方が励ましてあげなさい」


「…ああ、そうだな」


両親は勘違いしているがノエラは恋心ではなく尊敬しているだけである、少なくとも本人にその意思はない…とノエラは思っている


「…勇者様喜んでくれるかしら」


ノエラは気づいていない、調理場の暑さのせいではなく違う理由で顔が赤くなっている事を




「ついたーー!」


俺達は夕方ギリギリに聖霊の森近くにある街、ドライに着くことが出来た


「ああ〜早くベットに包まれてー…」


「…宿屋は何処!食べ物を!食べ物を!」


「凄い元気だな…さっきまで死んでたように暗かったのに…」


(では街に入りましょうか)


「そうだね…あ、ガルスケどうしよう」


さ、流石に一目で魔物と分かるガルスケを街に入れたら大惨事になってしまう


「困った…ガルスケだけその辺に居てもらうか…?」


可哀想すぎるな…


「ガルガル」


『問題ないらしいですよ?』


「え…?」


「ガルガルン!」


ぼふっとガルスケから黒い煙が立ち上ると徐々に人型になっていく


「ま、まさか…」


「わ〜綺麗な人だね〜」


煙が晴れるとそこには黒い服を来た黒髪の獣人族の女性が立っていた


「これで問題ないな、ご主人」


「…人化出来るんかーい!」



久しぶりの異世界テンプレにツッコまずには入れないリュートであった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ