表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いずれ神の上に立つ者〜勇者から始まる冒険譚〜  作者: 叶夢
第四.五章 旅立ち編
125/224

第百二十一話

ある時の学園で…


(リュートさん…実はお願いがあって…)


「お願い?」


この前シノンに作って貰ったという思いを言葉に出来る特性ネックレスをはめたユーナが頼んでくる


(それが…)




「教会の子供達のお世話か、でも俺でいいの?」


(ええ、リュートさんなら大丈夫かと思いまして…それにシスターも貴方に会いたがってますから)


「シスターが?」


そういえば教会の事件の後殆ど会ってないな


「まぁ、子供達の世話ぐらいなら全然いいよ」


(ありがとうございます!では今度の休み教会で待ってますね)


俺は頼み事を引き受け、休みの日に教会へ向かった


「勇者様!この度はお願いを聞いて下さりありがとうございます」


シスターが出迎えてくれる、そういや教会の外装と内装が変わってる…あの目が痛くなる金一色の見た目から、普通の教会へと変わっていた


「こっちの方が好きだな」


「…す、しゅ、しゅき?!」


「…え、ああ教会の見た目が変わってたので…こっちの方が俺は好きだなと」


「…ああ!なるほど…!そういう事ですね…てっきり私ったら…コホン」


顔を赤らめながら焦るシスター


「そ、それでは子供達の事よろしくお願いします」


「分かりました」


「では私は少し出ていきますので…何かあったらユーナに申してください」


「はい、行ってらっしゃい〜」


「は、はい!…勇者様に行ってらっしゃいと…幸せ…はっダメよいけない…私は聖職者よ…」


独り言を言いながら去っていった


「おかしなシスターだ…」


さて子供達はどこかなー


「あ!あん時の兄ちゃん!」


「わー!兄ちゃんだ!」


子供達が俺に気づくと突進してくる


「ぐふ…ちょっ…そんな大勢こられたら…死ぬ…」


中々の威力の突進をくらいながら子供達を受け止める


「なんでいるのー?」


「遊ぼうぜ!」


「私おままごとがいい!」


「わ、分かったから引っ張るのをやめてくれ…」


「〜」


(大人気ですねリュートさん)


「ユーナ…」


「わーいユーナお姉ちゃん!ユーナお姉ちゃんも一緒に遊ぼうぜ!」


(ええ、いいですよ。遊びましょうか)


ニコニコと子供達の世話をするユーナ、凄い慣れてる


「いつも…遊んであげてるの?」


(ええ、ここでは私が1番上ですからね)


「…すごいな…」


まだユーナも13歳…遊びたいだろうに…前前世の俺が13の時なんてまだ公園で走り回ってたぞ


「…尊敬するよユーナ」


(ありがとうございます、でもそんな事言ってたらエリスさん達に怒られますよ?)


少し小悪魔的な笑みでこちらを見るユーナ


「うっ…そうかな」


(ふふ、女性を無闇に褒めたら勇者の貴方だと勘違いされちゃいますからね)


「…気をつけるよ」


(よろしい、まぁ褒められて嬉しくないなんて事は無いですから。ありがとうリュートさん)


「いいってことさ」


何この子めっちゃええ子やん…目のハイライトも消えないし…しっかり者で優しい…ええ子すぎる…


『涙が出てますよ』


久しぶりにまともな人に出会えた気がするから…うっ…うっ…


(ど、どうしたのですか…泣いて…)


「い、いや少し目にゴミが入っただけだよ」


(そうですか…?良かったら治しますけど…)


「大丈夫…!自分で治せるよ」


(そうでしたね、でも無理はダメですからね?)


「あー!姉ちゃんと兄ちゃんがイチャイチャしてる!ヒューヒュー!」


「ヒューヒュー!」


(こら、からかうんじゃありません)


「…あはは」


「はーい、兄ちゃんあっちで鬼ごっこしようぜ!」


「おっけ、全力で捕まえるからな…!」


「大人気ねぇ!」


「おらおら…!」


「きゃー」


(ふふ、やっぱりリュートさんに頼んで正解でしたね)


ね、エルシュラ様?




「今日はありがとうございます勇者様」


「いえいえ、俺も楽しめたのでいいですよ」


「そうですか?…その出来ればまた頼んでもよろしいでしょうか…?」


「ええ、暇な時はいつでも」


「…ありがとうございます!子供達も喜びます…わ、私も…」


「じゃ、俺はこれで」


「ああ…勇者様…行ってしまわれた…」


聖職者たるもの恋愛は禁じられている…でも胸が苦しい…どうすれば良いのでしょう…女神エルシュラ様…


(シスターも大変ですね…)


シスターはしばらく思い悩んでいた




次の日


「…本格的に休みが暇になってきた」


もうすぐ旅立ちだけどその準備も終わりつつあるし…

ルシュと遊ぶか?


「…王子の事で忙しそうだしな…気が引ける」


『前に言ってた困った時の冒険者ギルドなのでは?』


「マリン姉ちゃんとイリスがなぁ…でもこうやって避け続ける訳にもいかないか…」


胃が苦しんでるけど行くか


『応援していますよ』




「リュート君!会いたかったわ!」


冒険者ギルドについて数秒でこうだよ


「…く、苦しいよマリン姉ちゃん」


「ごめんね…でもちっとも会いに来てくれないから…」


「ご、ごめん、ちょっと忙しくて」


精神を落ち着かせるのに…ね


「そっか…でもたまには会いに来て欲しいな…だって私達両思いなんだし…」


「分かったから…周りめちゃくちゃ見てるから…」


「昼からおアツいことで…けっ…酒がしょっぱいぜ」


「ちっ…涙が止まらねぇ…」


冒険者達が嘆く、申し訳ない…


「ふふ…リュート君…愛してるわ…」


気持ちを伝えた時の独り言を呟く状態は治ったが…最近はとにかく距離が近い…常に抱きしめられている


「はぁ…嬉しいけど…」


なんか調子が狂う…元々スキンシップは多めのマリン姉ちゃんだったけど…今は姉と言うより完全に新婚ホヤホヤの妻みたいだ


「今日は家に泊まってく?いつでも歓迎するからね」


「きょ、今日は遠慮しとくよ」


「そう…残念だわ…でも泊まりたかったら言ってね?私達両思いなんだから!」


やけに両思いを強調するマリン姉ちゃん


「わ、分かった」


「リュート…」


「い、イリス…」


そこには目のハイライトが消えた無表情のイリスが立っていた


「あ、イリスちゃん…ごめんね独り占めしちゃってたわ…」


「いいよ…これからたっぷり…愛を満たして貰うから…ふふ」


「ひい…」


「それじゃあ私は仕事に戻るわね!愛してるわリュート君…!イリスちゃんもね!」


「ん、頑張ってなマリン」


「が、頑張って…」


「…ふふ」


「ひい…」


「…最近なんでここに来なかったの…?」


「そ、それは…忙しくて…」


「嘘…意図的に避けてたの…知ってるから…」


「なぜ…」


「ずっと…見てたから…ふふ…」


あかん病んでる、イリスさん病んでるよ


「…ずっと…見てた…?」


「朝も昼も夜も…ずっと…ずっと…ね?」


じわじわとこちらに近づいてくるイリス、もう名前言わなきゃ誰か分かんないくらい変わり果てて…


「…私を…守ってくれるんじゃ無かったの…?」


「も、もちろん守るさ!それだけは本当に」


「…ほんとかな…避けてたのに…?」


「そ、それは…ごめん…」


「…いいよ…特別に許してあげる…」


「ほ、ほんと…?」


その手に持ってる短剣で刺されずに済む?


「…その代わり…私を…もっと…もっともっともっともっと…」


俺の顔まで近づくと…


「愛して…」


「はい…!愛します!イリス大好き!」


もうどうにでもなれ!くそ怖いわ!


「…うん…私も愛してる…」


ギュッと抱きしめられる


「私には…リュートしか居ない…皆私を蔑む…だからリュートしか…貴方しか私にはいない…」


い、依存してるのか…?マズイ、多分今までの異種族差別で余計に俺への気持ちが歪んでるんだ


「…嫌いにならないで…私を…見捨てないで…見捨てられたら…私…生きる希望が無くなってしまう」


…避けたのが裏目に出たか…ここまで酷くなってたなんて…


「ごめんね、もう避けもしないしイリスを嫌いになんてならないから」


強く抱きしめる


「ならいいよ…嬉しい…離さないで…このまま…」


「分かった、よしよし」


「ぐす…全然来ないから…嫌われたかと…思った…」


「全然嫌ってないよ…俺もイリスを愛してるから」


ゆっくりと頭を撫でる


「…ごめんね…変なこと言って…」


「いいんだよ、イリスが愛してくれるって分かって嬉しかったよ」


「ぐす…うぇぇん…」


イリスは普段は頼もしいけど…本当は精神が不安定で歪だ。多分1番放っておけないのはイリスだろう


「…やっぱり異種族差別をどうにかしなければ…」


もうイリスのように悲しむ人を無くすためにも


「俺が変えてみせるから…待っててね」


「…俺他の種族には優しくしよ」


「そうだな…うっ…もらい泣きしてしまった」


「…ぐす…酒がしょっぱくて飲めねぇよ」




既に冒険者の間では変わりつつあるのをリュートは知らなかった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ