第百十七話
邪神を退けて2ヶ月後
「…えっと…これどういう状況でしょう?」
俺は椅子に縛られていた、あれデジャブ?
「…アリア姉とマリン姉に愛してるって言ったんだよね…?」
目の前にいるのは姉上、レディッサ先生、エリス、イリスの4人
「本当はまだまだ居るんだけど…まぁ…私達で十分だろ」
「えっと…?何故皆さん目のハイライトが消えてるんでしょう?」
『気持ちを伝えるのは待っておくべきでしたね』
ええ…それってどういう…
「…じゃあ…始めよっか?」
「え…何を?怖い怖い…!笑ってるけど目が笑ってないよ!誰か!ヘルプ!ヘルプ!」
「…オレ…手加減出来ねぇから」
「私も…無理だよ…?」
「私の魔法を見せてあげますわ」
「…いやあああ!!」
…
…
「まぁそれは冗談として」
「冗談かい!ビビったよ!3度の人生で1番ビビったよ!」
死ぬより怖いことってあるんだな!
「…実はね…リュートには内緒で未来の妻団っていうのを作ってたの」
「み、未来の妻団?」
何その不安になる名前、俺は関係ないと言ってくれ
『関係大ありです』
「今は…ざっと10人以上いるかな?」
「そうだな、結構増えたよな」
「でも…皆いい人たちだよ…?」
「最近は料理のレシピを共有するのが楽しみですわ」
「…ああ…なんか聞きたくないなー…」
『もう逃げないんでしょう?ぶふ…まさか逃げないでしょうね?』
うわ絶対知ってたなステさん…知ってるなら教えてよ!
『いやいや…こんな面白い事言うわけないじゃないですか…ふふふ…』
あんた精霊になってから腹黒くなったな?!
「リュートなら皆愛してくれるよね?ね?」
姉上が顔を近づけてくる、正直怖いです
「いや…10人か…3人でさえやっとなんだけどなぁ…」
「出来るよな?出来るって言え」
レディッサ先生が両手に炎を作りだす、俺今から拷問でもされるんですか?
「で、出来ます…」
精神が貧弱な俺は頷くしか無かった
「そっか!ならちゃんと平等に!愛してね?」
目にハイライトが戻った姉上が笑う
「…ハーレムって案外キツイんだなぁ…」
こうして俺は未来の妻団の存在を知ったのであった
…
…
それから数日後
「…はは…」
「…大丈夫かリュート…?」
ルシュが心配そうにこちらを見る
「女の人って怖いね…はは…ははは…」
「こ、壊れてやがる…!」
「…おはようですわ、お兄様、リュート…?」
「ああ、おはようエリス」
「ひい…お、おはよう」
「ふふ、何を怖がってますの?私が怖いんですの?」
目のハイライトが消える
「い、いえ!全然怖くないです!」
「なら愛してるって言って…」
「あ、愛してる…!」
「ふふ、私もですわ、では先に馬車に行ってますわね」
「ひゃい!」
「…あ、あれ本当にエリスか?な、何したんだよリュート…」
ガクガクと震えながらこちらを見るルシュ
「…多分死ぬ…絶対誰かに刺されて死ぬ…」
「俺絶対に目のハイライトが消えない人と結婚するわ…」
ルシュは密かに決意するのであった
「ああ…なんでこうなったんだろ…」
そうして学園へと着いて特級クラスへと向かう、馬車の中?そうだね地獄だったよ
「おはよう〜…」
「おはようリュート君、元気ないね?」
「そ、そうかな…」
「そうなんですの?」
「いえ!元気100倍です!」
「…そう、でももし具合が悪かったら私が看病してあげますわ」
「そ、その時は頼むよ」
「…エリスさんと何かあったの?」
「いやいや、全然、なんの問題もないよ」
「そう?それよりさ、僕の格好見て何か気づかない?」
「…おお…男子生徒の制服じゃなくて女子生徒の制服じゃないか!」
「うん、リュート君のおかげで自信がついたからね!」
「そっか、やっぱり凄いよシノンは」
「そうかな?ありがとう!」
眩しい笑顔だ…シノンだけが癒しだよ…目のハイライトが消えないし…
「…でもね…この前知らない女子生徒と話してたよね…その人にも凄いって言ってたの聞いたんだ…」
眩しい笑顔から一転、無表情になるシノン
「…え?」
「…僕にあんだけ凄いって言ったのに嘘なの?」
「い、いやシノンは凄いよ、ただ話してただけだよ」
普通に何故か出来てたファンクラブの人とお話ししてただけだ…凄いって言ったのも覚えてない程他愛もない会話を…
「…ふーん…ねぇ…」
シノンが俺に近づき息が当たる距離までくる、俺の顔を掴み離さないように力を強める
「…僕以外に凄いなんていわないでよ」
目のハイライトは消えていた
「は、い…」
アカン、シノンもアカンわ…俺女性恐怖症になりそう
もう笑ってしまうぐらい足が震えてる
『ご愁傷さまです…』
「ならいいんだ!あ、未来の妻団の人達は特別に許してあげるよ!」
あ、シノンもそっち側でしたか
「…ヤンデレって怖い」
「…〜」
「おっすユーナ、今日は早いじゃん」
「〜」
(朝の祈りが早く終わったので余裕を持って来れました〜)
「…ユーナも未来の妻団なのか…?」
未来の妻団のメンバーを聞いときゃ良かった…全員が怪しく思えてくる
『自意識過剰なんでは?』
いや…もう誰も信じられない…
「そうだ、ユーナさん!これできたよ!」
「…!」
(これは…!ありがとうございます…!シノンさんにはなんとお礼を言ったらいいか…)
「はは、気にしなくていいよ〜」
何を渡したんだろう?ネックレス…?もしかしてユーナも誰かに追われてるのだろうか
『それは貴方ぐらいなのでご心配なく』
「おっはよ〜!」
「カナリーは元気がいいですわね〜」
「まぁね〜」
「…そうだった、なぁカナリー!ちょっと良いか?」
ルシュがカナリーを引き止める
「何ー?」
「ちょっと頼み事があるんだ」
「いいよ〜」
2人で話し合ってる、なんだろ?
「やぁ!おはよう!!!」
「おはようホット、相変わらずの声量で安心するよ」
鼓膜が破れそうな勢いだからな、今はそれが癒しになるとは…
「な、リュート、今日の放課後予定開けといてくれ」
カナリーと話していたルシュがそう言ってきた
「…ああ、いいけど。何かするの?」
「ちょっとな、放課後のお楽しみだ」
「そっか、了解」
気になるけど放課後を待つしかないな
「あ…魔道具研究部行けないな…」
言わなきゃ…
「なぁ、シノン…今日の魔道具研究部…ちょっと予定が入って行けなくなったんだ…」
「そうなの?了解〜、ミナにも伝えとくよ」
あ、普通だった…よかったてっきりまたハイライトが消えるかと思ったよ
「…でも女子生徒と会う予定とかだったら…許さないから」
フラグでした
「…はい」
シノンってこんなに怖かったかな、俺今日何回泣きそうになればいいんだろ
「皆席につきなさい、授業始めるわよ〜」
俺は何とか授業を受けていくのであった
…
…
「で…まさかルシュが言ってたのって」
「おう、今からリュートにはカナリーと戦ってもらうぜ!」
「よろしくね〜!全力で行くからそのつもりでね!」
「…何故?」
最近になって精神のすり減り方が尋常じゃない…助けて




