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門兵の名前らしい、宿を教えてもらえるらしい、宿娘らしい

門に着いた。門兵さんはいるかな?いた、さっき見た金髪と背中が見える。話かけよう。


「門兵さん」

「うん?ああ君か、冒険者になれたか?」

「はい、お陰様で助かりました」

冒険者証を見せて、仮許可証を返す。そう言えば、


「うん、確かに。君の名前はクランか」

門兵さんは満足気に頷いている。この人の、

「はい、クランです。あなたの名前は?」

名前を聞いていなかった。


「うん?ああ、そう言えば言ってなかったな。俺はクリストファーだ、クリスでいい、あっちにいるのがジェルドだ」


イケメン門兵さんの名前はクリスさんらしい。さっき見たもう一人の門兵さんはジェルドさんらしい。


「はいクリスさん、本当にありがとうこざいました」

ジェルドさんの方にも頭を下げる。

「いいっていいって、ちゃんと返しにきたしな、ところで宿はもう決めたか?もうすぐ夜だぞ?」


冒険者ギルドで聞くのを忘れてた。日も暮れ始めている。

「いえ」

「なら彼処の宿に泊まるといい、安くて美味いぞ」

クリスさんが指差した方をみる。三階建ての建物だ。

あの建物が宿らしい。行こう。


「行ってきます。ありがとうこざいました」

「おう、空いてるといいな」


宿に向かう。結構近くだ、すぐに着くだろう。


ーーーーー

クリスside


「ちゃんと返しにきたな」

ジェルドが言う。

「ああ、よかった」

「怪しいが悪い奴ではないな、俺にも頭を下げてきた」

「彼は異世界人だ」

「本当か?」

「冒険者証が見れたからね、名前と出身が分かるだけでも助かるよ」

「相変わらず抜け目ないな」

「ハハッ、それより仕事だ」

「ああ」


ーーーーー


宿の前に着いた。看板にはベッドの絵と宿の文字がある。扉は木製の両開きだ、入ろう。


扉を開くとギィィと音が鳴り、正面のカウンターには少女が座っていた。


「あっお客さん!」

どうやらここの宿娘らしい。


「こんにちわ」

「何泊泊まりますか?」

「一泊幾らですか?」

「一泊大銅貨五枚だよ!まとめて泊まるとお得だよ!」

「では五泊で」

「えっと銀貨二枚と大銅貨五枚」

「はい」

銀貨三枚を渡す。大銅貨五枚を渡された。それと一緒に番号が書かれた鍵を渡される。


「食事は朝夕二回だよ!鐘が鳴ったら来てね!」

「分かりました」

「それじゃ、お兄さんの服直すね!」

「えっ?」

「動かないでね、修復」


そう少女が唱えると服の傷が消えていく。もしかして?

「魔法?」

「うん、宿娘だからね、これがサービスだよ、後で桶と布持ってくるね!」

「凄いね」

思わず呟く。本当に凄い。

「うん、ありがとう!あっ、そうだ!」

「?」

「安眠亭にようこそ!お兄さん!」


ーーーーー

少女に服を直してもらったあと、鍵の番号と同じ部屋に入った。二階の部屋だ。鍵を開けて入る。


ベットに腰掛けながら考える。神様のこと、異世界に来たこと、盗賊に襲われたこと、もらった力が本当だったこと。

門兵のクリスさん、町中、獣の耳を持った人、冒険者ギルド、僕のいた世界とはまるで違う。魔法もあった。夢じゃない。

これは夢じゃない。


カーン

鐘の音が鳴った。夕食だ、行こう。



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