蒼空の灯台。
ただ 一点を目指して ──
羽ばたく翼が陽に混じり
嘴がぐんぐん上昇してゆく
そこにまったく 目的など無い
成層圏までは届かない程度
求めていたのは あの旗
勝ち取れば どれほど嬉しいだろうか
勢いよく 一筋の閃光のように
未来を照らし出す 灯りのように
漆黒の翼が舞い続け
やがて 濃い雲を蹴散らして
青空の彼方へと 消えてゆく
上昇気流に乗って
一匹の燕が 向かい風を味方にした
永い永い 後ろめたさを逆境にして
どこまでも 熱く 深く 速く
飛行機雲でさえ 追い付けないほど
道標の 放つ命が 激しく灯る