Backup of "2046 Octorber 27, from 18 : 00 : 00 to Octorber 28, 6 : 00 : 00" in Atlantis
こちらでは先端科学技術都市『アトランティス』で起こった主要な事件・物語のあらすじを記させていただいております
都市の全ての事件をまかなっているわけではなく、演算によって『今後都市に大きな影響を及ぼす可能性の高い事象』のみに視点を当てており、また、端的かつ短い記述となっておりますゆえ、あらかじめご了承ください
※※※最後にご主人様にあらすじの感想を書いていただくことになっております。予めご了承くださいませ※※※
四宮凛や土御門字音、さらには新谷蹴人の協力もあり、友介は順調に高校生活における市民権を獲得しつつあった。
倉本空美という少女からも厚意めいたものを向けられ、彼の学校生活は明るい方向へと進み始めた。
しかし忘れてはならない。
彼は安堵友介――その人生がただ平穏で幸福なものであるだけのはずがない。
彼の前に現れた一人の女性と、彼女に連れられた小さな男の子。
安堵悔奈と安堵焔良と名乗った二人は、安堵友介の実母と弟とのことだった。
「……友介」
「お前が、俺の名前を、呼ぶな……」
彼らしくもなく八つ当たりのように悔奈へと罵倒を浴びせかけ、少年は二人の前から立ち去った。
彼女から告げられるはずだった友介の父親にして、楽園教会と何らかの関係があるとみられる安堵暮人の居場所を聞き損ねてしまったが、彼にはそんなことを考える余裕すらなかった。
正体不明の苛立ち。母親に対するもの以外に、自分自身に対する怒りのようなものがあった。
彼は戸惑う。この苛立ちの正体が何なのか。なぜ自分にまで苛立っているのか、それがわからず……
時は同じく、されど所変わって情報学領。人の目につかぬ闇の中、アトランティスの暗部は蠢いていた。
アトランティス特別治安維持部隊『クリティアス』が追う〝聖遺物〟を、魔術結社『送球の曙光』が使役する悪夢が横から奪い取り、それをさらに奪わんと九界の調停局軍事担当機関『美麗賛歌』が擁する三権人の一人ローランス・ギースが戦闘を仕掛ける。そこへリリス・クロウリーが不意打ちの形で乱入し、悪夢を逃がすことに成功する。
よって現状、〝聖遺物〟は『蒼穹の曙光』の手にある。
しかし――ことはそう単純には進まなかった。
「も、申し訳ありませんリリス様っ! 報告しますッ。東海岸でガス漏れがあったらしく、数百単位で死者が出たとのことです!」
「……どういう、ことだ……?」
「こういうことだ」
そこに、紫煙を燻らせる伊弉冉の使いがいた。
「私の、心まで、折ろうだなどとッ! おめでたい勘違いをするなよ下劣畜生どもがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
激痛に苛まれ、死の気配に絶叫し、巨大なる力に屈するしかなかったちいさな少女は、最後まで諦めない。
「明日、安堵友介を、殺す……ッ! 空夜唯可も、風代カルラも……楽園教会が、重要視する全てを、消す……ッ! 正道に、伝えろ……殺せと」
ここから先に救いは存在しない。
安堵友介とリリス・クロウリーの戦いは、当初の少女の予定を大きく逸脱して泥沼の殺し合いへと発展することだろう。
そして、事象の中核に限りなく位置する友介の恋人である空夜唯可は、冷たい現実に直面しつつあった。
「私ってさ、必要なのかな……?」
めんどくさい女だということくらいわかっている。
それでも、不安になるこの心が止められないのだ。
もう自分はいらない存在なんじゃないだろうか。他に大切な人ができてしまって、空夜唯可なんて少女はいらなくなってしまったんじゃないだろうか。
そんなの……知らない間にそんなことになってたら。
私は、耐えられるのかな……
少女の不安は募っていく。恐怖は日に日に心を侵食していく。
再会の時は近い――嬉しいはずのその確信が、少女の心に影を落としていた。
「姫……」
そしてその隣で、心を知らなかった少女の中に何かが芽生えた。
白いつぼみは、花開くその時を待っている。
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※※※本日10月27日18時00分から10月28日6時00分までの主要な事件のあらすじは以上で終了です
此度の物語についてのご主人様のご感想をお聞かせください。
解答は下の空欄にお願いいたします※※※
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Answer
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先と変わらず糞尿にも劣る下らない茶番に変わりはない。鼻が曲がるほどに臭く、胸糞の悪い醜悪な悲劇である。
しかし、甘美な展開の気配が存在することもまた事実。二日目には少し期待できるかもしれない。