fin
「あんた達本当に結婚考えてるの?」
母さんが突然質問してきた。
「当たり前じゃないですか、お兄ちゃんと婚約するって話しした時に賛成してくれたじゃないですか」
その話し合いの部分が記憶に残っていないのだがそういうことなんだろう。
突っ込むだけ無駄だ。
しかしなんでまた今更そんな質問を?
「どうかしたの?」
聞いてみると、
「エミにいいお見合いの話が来てるのよ。正直あんたよりはいい条件だと思ってる」
「そりゃごもっともですけど息子に言いますかねぇ……」
「あんただってエミに幸せになって欲しいでしょ。あんたの面倒は生きてるうちは私らに任せときなさい」
エミの返答は
「嫌です」
はっきりとした拒否だった。
「お兄ちゃん以外と付き合おうと思ったことすらありません」
「私も人の親だからね、せめてあんただけでも幸せになって欲しいだけよ」
「お兄ちゃんと一緒に居るのが私の幸せです、それ以外ないです」
覚悟、執念、そういったものにも近いのだと思う。
僕にそれほどの思いがあるのだろうか?
「あんたの方はどうなの? 覚悟してる? いくら合法でもあんまりいい目では見られないわよ」
「正直にいうと僕が幸せになれるかどうかは自信が無い。でもエミが幸せになるって言ってるんだからそれを叶えてやりたい」
正直な気持ちだ。自分より妹の方が幸せになって欲しい、それだけは確かだ。
「半端な覚悟じゃないの?」
「妹の幸せを願わない兄がいるとでも?」
「あんた達大丈夫かねえ……親戚に堂々と紹介できるの?」
エミが言った。
「認めない親戚なんてこっちから願い下げです」
「たとえ私が認めないといっても?」
「出ていったっていいんですよ、私がお兄ちゃんを養ってみせます」
ついに母さんも折れた。
「はあ……しょうがないねえ、好きにしなさい。応援はできないけど否定もしないわ」
「それで十分です」
「お兄ちゃん、いいよね!」
「………………いいな…そういうの!」
エミの決意に僕も応えようと、同じものを差し出せるほどの決意じゃないけど、
それでも僕の全てを出そうと思う」
「ありがとうございます、あらためていうね。私と結婚してください」
「よろこんで」
ここまで読んでくださった方がいたら有難うございます。
ちょっと絵の方も趣味にしようと思っていたら時間があまり取れないのでこれにて完結です。
もともと単話形式なのでどこで終わらせても構わなかったのですが、ちょっと他のことをしたいので完結させました。
物書き自体も趣味でなくなった訳ではないので細々続けていこうと思います。
また別の作品で出会えるのを願って終幕とします。




