さわやかな朝
翌朝
「おはよう、お兄ちゃん!」
目の前にエミの顔があった。
起こしてくれてるんだろうが……
「えーと、なんで僕の上に乗ってるんだ?」
「妹がこうやって起こすとうれしいって心理学で習ったの」
大丈夫か……その心理学者……。
「大分偏った知識だな」
「でもこの時代でも心理学は大体性欲が云々で片付けてたんでしょ」
確かにそういうのが信じられてた時代もあったが……
「フロイトはもうちょっと前の時代だな」
「調査が足りないかー、それはともかく仕事行ってくるね」
仕事じゃしょうがないな……仕事か……仕事!?
「仕事? そうだよな、どっかでは働かないといけないもんな。どこで働くんだ」
「金融系だよ、相場の予想は得意だから」
「未来の情報を使う気か?」
それはまずいんじゃないか?
「んーん、もうすでに少しだけど私のいた未来とは変わってきてるみたいなんだよね。ニュースとか為替とか見る感じちょっと変わったなって」
「へえ、いい方向に変わるんだよな」
「多分ね、私は未来を変えてとしか頼まれてないからね、それがいい方にいくかどうかはまた別なの。今よりマシだろうって思われてただけだから」
いい加減だなあ……
それでも今より悪くならないんならいいのかなあ……
「あとお兄ちゃん、私と一緒に教習所行こうね」
「教習所って車の?」
唐突な話題の驚く。
「もちろん、身分証がないと不便だしね。扶養の保険証だけで十分だと思う?」
確かに身分証が保険証なのにコンプレックスがないでもない。
しかしコミュ障には自信のある陰キャなんだがまともに教官と話せるのだろうか?
「そうだな、エミもいくのか」
「むしろ私の方が身分証が必要だからね。お兄ちゃんもついでに取ってよ。私と一緒なら悪い虫もつかないでしょ」
そっちが本音か。
「わかったよ」
「じゃ! いってきまーす」
そう言って出て行った。




