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文章力って凄い!

 例の、

「私が三億円事件の犯人です」

をなろうで読んだ時、

昭和の雰囲気が良く出ている

と、

感心してしまいました。

 

 ここで言う昭和とは、

現実に在った昭和ではなくて、

昔はこんなんじゃないかな?

というイメージのことです。

 

 こうあって欲しい

という

過去に対する願望

みたいなものを、

その小説は、

うまく、

醸し出しているのです。


 それが、

どのくらい凄いのか?

というと。


 その小説の作者が、

三億円事件の犯人の可能性が有る

と、

勘違いしている人が、

現実にいたようなのです。


 感想欄を読んでみると、

中には、

三億円事件の真相を追求している人から、

質問とか有りました。


 「オイオイ、

そのオツムじゃ、

五十年やっても、

真相に辿り着けないぜ」

と、

その研究者に言いたくなる程、

その小説は、

事実と乖離しているんですけど。


 もちろん、

ストーリー自体も、

全くリアリティが無く、

完全に破綻しています。


 喧嘩を売りに行って、

返り討ちに遭う

なんて、

現実には、

有り得ないだろ!


 この時は、

悩みました。

どう設定したら、

この珍事が成り立つのか?

と。


 答は、

主人公を含め、

喧嘩を売った人以外

全員東大生なら、

有りかも?


 当然、

細かいところは、

当時のものが、

ほとんど無く、

完全に現代そのものです。


 それで、

昔の事だと思わせられるのですから、

天才です。


 その技術をパクりたいのですが、

私自身に技術力が全く無いため、

何故?

そのような事が可能なのか?

分析出来ないんですよ。

具体的に、

何を真似たら良いのか?

全然、わかりません。


 何と無く、

登場人物の持っている価値観が、

現代と違うから、

過去っぽく、

感じるのかな?

くらいしか、

思い付きません。


 キャラクターの重要性というか?


 もしかしたら、

小説には小道具は要らない

のかも知れませんね。


 さて、

その要らない小道具の話ですが、

次の文章の中で、

三億円事件当時のものでは無いのは、

どれでしょう?

 

 十一月に、

喫茶店に入って、注文するシーンです。


「私、ホット」


「僕、アイス」


 ホットコーヒーかアイスコーヒーの

どちらかが、間違っているわけですが、

わかります?


 五十年前でも、

アイスコーヒーは、

有るには、有ったのですが、

有っても、

夏季限定

なのですよ。

ですから、

十一月には、メニューに有りません。


 よって、

正解は、

ホットコーヒーが間違いです。

アイスコーヒーが一般的でないため、

ホットという表現も、

わざわざ言わないのです。


 では、

喫茶店で、

どう注文したら、

昔っぽいのか?


 四十年以上前に、

『大学○の数学』という雑誌の

読者との接点

というコーナーに、

こんな感じのことが、

書いて有りました。


 友達と一緒に喫茶店に入って、

私は、

カッコつけて、

「キリマンジャロ」

と注文した。

 

 すると、

連れが、

「ネスカフェ」

と、

抜かしやがった。


 私が、

恥ずかしさで震えていると、

ウエイトレスの女の人が、

笑いをこらえ、

「メニューには、ございませんが?」

と言ってくれた。


 ここで、

次の爆弾が投下された。

「じゃあ、ゴールドブレンド」

 


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