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学園を卒業したすぐあとの、エリザベスとルサーナ【エリザベス・ナザントという令嬢】

エリザベスのその後の話です。

 学園を卒業して、私はもうすぐギルと結婚することになっている。

 ギルとの、結婚。

 それを思うと、笑みが零れる。ギルと、夫婦、になるんだと思うと何だか嬉しくなる。

 公爵としての仕事と、結婚式の準備で最近の私は忙しい。公爵家の当主の結婚式ということもあって沢山の招待客を招く。

 その準備も慌ただしい。

 ウッカは高等部に現在通っている。学園に通う関係で王都の別邸に普段はいるけど、休みの度にナザント公爵領に戻ってくれている。私も王都に顔を出す時はウッカに毎回会いにいっている。

 あの一件で、急に私たち姉妹が仲良くなったのもあって色々いってくる人もいたけれども私たちが仲が良いことを見せつけていたらそういう輩もいなくなったわ。

 私は公爵家の当主、ギルも伯爵家を継いで、互いに当主同士の結婚という形になるから、結婚後には互いの家を行き来する形になる。ナザント公爵領とサグラ伯爵領は隣同士なのもあって、境目に家族で過ごす屋敷を立てる計画も進行している。

 「エリザベス様」

 ルサーナが、声をかけてくる。

 「何か考え事ですか?」

 「結婚のこととか、考えていたのよ」

 「エリザベス様とギル様の結婚式、私凄く楽しみです」

 ルサーナはにこやかな笑顔で告げる。

 「ありがとう」

 「私、エリザベス様がギル様と幸せになれたらってずっと考えていたのです。エリザベス様はギル様の前では心を許していましたから。だから、私は、エリザベス様が幸せになることを思うと、とても……本当に、とても嬉しいです」

 ルサーナはそんなことを言ってくれている。ルサーナが私のことを思ってくれて、そんな言葉を言ってくれているんだと思うと本当に嬉しくなる。

 「ふふ、いつからそんなこと考えていたの?」

 「エリザベス様が大好きだって思ってからずっと、です。エリザベス様はずっと、ウッカ様のためにって頑張っていて、それを見ながら私は……エリザベス様に幸せになってほしいって思ってました。エリザベス様が、ウッカ様のためではなく、自分のために生きてくれたらって、ずっと、ずっと思ってました」

 「ふふ、そんな風に思っていてくれていたのね、ありがとう」

 私はそういって笑った。

 「エリザベス様、子供が出来たら私に世話をさせてくださいね!」

 「子供って、気が早いわよ?」

 「すぐに出来ると思うのですよね。ギル様って、エリザベス様大好きですし。お二人の子供の事を思うとわくわくしてきますし、絶対可愛いですもの」

 「……そう? でも本当に気が早いわよ」

 「気が早くても凄く楽しみなんです。エリザベス様の幸せな未来に、私もかかわっていけるなんて」

 「ふふ、私も、楽しみだわ。ギルと、結婚して、それから……子供も、生みたいわ。温かい家族にしたいわ」

 気が早い、なんていったけど。私も、未来のことを考えてしまう。ギルと結婚、それだけでも嬉しいけれど、ギルの子供、生む事が出来たらきっと幸せだと思うの。そしてね、温かい家族を作れたらって思うわ。

 お父様とお母様に、結婚する姿を見せれないことは残念だけど、二人にはもう報告しにいったの。お墓にいって、ギルと結婚して幸せになるわって。記憶の中にいるお父様とお母様は本当に仲が良くて、私はそんなお父様とお母様が大好きだった。二人のようになれたらっていう思いはあるもの。ギルとなら、きっと、お父様とお母様のような夫婦になれるってそう、思うわ。

 「きっと、温かい家族になりますよ。エリザベス様と、ギル様の家庭ですもの」

 「そうね、ああ、結婚式が待ち遠しいわ。……皆の前で口づけするのは少し恥ずかしいけれど」

 「誓いの口づけがありますものね」

 結婚式では誓いの口づけがある。それは少しだけ恥ずかしいと思ってしまう。ギルとはその、口づけはしているけれど。でも、恥ずかしいわ。二人っきりの時ならともかく、人前でとなると今から考えて恥ずかしいわ。

 「エリザベス様、今から恥ずかしがっているのですか」

 「にこにこして、見ないでよ。恥ずかしくなるじゃない」

 ほほえましいものを見るような目で見られて、益々、恥ずかしさが増す。考えただけで恥ずかしくなるなんて、本番はどうなるのかしら。楽しみだけど、不安になってきたわ。

 私、人前ではあまり感情を出さないようにしているのに。でも、ウッカと仲直りしてからはがれてきているって言われているけど、それでも貴族として感情を出さないように気を付けている。……結婚式でも、仮面がはがれないように頑張る。

 ……終わったらはがれるかもしれないけど、それはまぁ、仕方がないとして。

 「エリザベス様のこのような姿を見れて、私は嬉しいです」

 「そう……?」

 「はい。エリザベス様がのびのびと、過ごしているのを見るだけで本当に幸せです。これからも、エリザベス様の下で、エリザベス様のことを、ずっと見させてくださいね」

 「ええ。ずっと、貴方は私の配下よ」

 そういって笑えば、ルサーナも笑ってくれた。

 私は変わったと思う。ウッカと仲直りをして、周りにも変わったといわれる。これからも、ギルと結婚して、色々と変わっていくだろう。だけど、私とルサーナの関係は、きっと、ずっと変わらない。





 

エリザベスとギルのその後の話というリクエストだったのですが、ルサーナとの会話がメインになってしまいました。思ったのと違ったらすみません。

ギルとどうなっていっているかということも含めた話です。

いつか、書けそうならウッカやルサーナメインの話も書きたいなという思いが最近わいてきていたりもします。




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